ひとりぼっちの

その他

イトウ先生/著
ひとりぼっちの
作品番号
977961
最終更新
2014/01/09
総文字数
4,942
ページ数
4ページ
ステータス
完結
PV数
357
いいね数
0



フライパンに卵の殻を当てる。そうして、罅の入った表面を見つめる。妙な気分がして、私は唇を結んだ。いざ、となってわずかに緊張しているのが分かる。けれど、それを態度に出してはならなかった。理由はない。あえて述べるとすれば、可能性を信じているなんて馬鹿らしい、と未来の自分に罵られないためだ。
指先に力を入れる。これほどまでに固い卵の殻があっただろうか。ぐ、と指で押す。しかし、殻は存外あっけなく割れた。ぼとり、と何かがフライパンの上に落ちる。

卵だった。

私は溜め息を吐く。それと同時に安堵する。今日の晩御飯は矢張り、オムレツにしよう。


-特別御礼-
楪 小鳥様
mira!様
蒼井深可様
タマム様
高山様

この作品のレビュー

★★★★★
2013/12/24 16:39
投稿者: 高山 さん
息子と上手くいってなく妻と別れた

男が考える卵とは? 時に常識は常識では無くて時に当たり前は当たり前では無くて… 緻密で高い文章力で書かれた短編。 なんとも不思議な気分になる作品です。

続きを見る
★★★★★
2013/12/24 11:41
投稿者: タマム さん
ネタバレ
日常にある

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★★★★★
2013/12/24 07:14
投稿者: 月乃ミラ さん
ネタバレ
鳥籠の中に卵が一つ

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この作品のひとこと感想

すべての感想数:10

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