ひとりぼっちの
その他
完
0
イトウ先生/著
- 作品番号
- 977961
- 最終更新
- 2014/01/09
- 総文字数
- 4,942
- ページ数
- 4ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 357
- いいね数
- 0
フライパンに卵の殻を当てる。そうして、罅の入った表面を見つめる。妙な気分がして、私は唇を結んだ。いざ、となってわずかに緊張しているのが分かる。けれど、それを態度に出してはならなかった。理由はない。あえて述べるとすれば、可能性を信じているなんて馬鹿らしい、と未来の自分に罵られないためだ。
指先に力を入れる。これほどまでに固い卵の殻があっただろうか。ぐ、と指で押す。しかし、殻は存外あっけなく割れた。ぼとり、と何かがフライパンの上に落ちる。
卵だった。
私は溜め息を吐く。それと同時に安堵する。今日の晩御飯は矢張り、オムレツにしよう。
-特別御礼-
楪 小鳥様
mira!様
蒼井深可様
タマム様
高山様
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