嘘吐きな恋人

恋愛(キケン・ダーク・不良)

木原あざみ/著
嘘吐きな恋人
作品番号
754641
最終更新
2014/08/02
総文字数
34,316
ページ数
87ページ
ステータス
未完結
PV数
55,033
いいね数
1


しろの浮気が10回を超えた時、あたしは数えるのをやめた。
だからこれが何度目の浮気なのかなんて、知らない。


「もう絶対、浮気しない。千紗が一番好き。愛してる」


この約束の言葉も、もう何回聞いたかわからない。
そしてそれが何度破られてるのかも。


「千紗だけ、だから」


――嘘吐き。

そんな言葉、嘘ばっかりだ。
そうわかってるのに、もうわかりきっているのに、

あたしもまたどうしようもない嘘を吐き続けている。


「これで、もう絶対しないんだよね」


そんなこと、あるわけないってわかってるのに。

そしてどうせまた次が来たって、あたしはしろを許してしまうんだ。
それがどんなに苦しくても。

悲しくても。



「千沙、大好き。愛してる」


愛おしそうに目を細めて愛を語る唇で、しろは違う誰かにキスをする。
それだって、あたしは嫌って言うほど知っているのに。


なんで、嫌いだって、もう終わりだって言えないんだろう。





【嘘吐きな恋人】






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