angel☆house(感想ノートはオリジナルキャラクターで、コラボするスペース)
ミステリー・サスペンス
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- 作品番号
- 64440
- 最終更新
- 2008/05/02
- 総文字数
- 0
- ページ数
- 0ページ
- ステータス
- 未完結
- PV数
- 0
- いいね数
- 0
そして、開いてください。
「あなた」は誰ですか?
そう。
携帯電話の、PCの向こう側にいる「あなた」です。
リアルの事は、しばし忘れて、あなたは、別の誰かになりましょう。
ここは、そんな場所です。
自分の作ったキャラクターになりきって、雑談をしながら、物語を作っていきましょう。
×××
ここに出入りする『祠』のキャラクターは主に
Holy-Kiss~闇の皇子より愛を込めて~から出演します。
話を知らなくても遊べますし、話の内容も本編とは、全く違います。
それでも、ネタばれの可能性があるので、先に本編を読んで参加して貰えると嬉しいです。
また、僕の方も参加したキャラの作品をなるべく読みますので、元になっている作品教えて下さいm(_ _)m。
それでは皆様
良い夢を
この作品の感想ノート
saoriは夜の吸い込まれそうな瞳を見た。
そして静かに一度うなずくと、惜しむようにその胸の中へ顔をうずめた。
「窓を開けば…また会えるのね。」
それがもう二度と叶わぬ夢だったとしても。saoriにとっては今この瞬間に勝るものはない。
「夜、ありがとう。」
さようなら、とは言わなかった。ありがとうという言葉に、全ての想いを込めて。
夜に抱きしめられて
再び体が夜空へと浮かび上がる。
来た時とは反対にsaoriは目を閉じた。
次に目を開いた時にはもう、夜はいないかもしれない。
全てが幻のように消えてしまっているかもしれない。
それでも今は目を閉じていたかった。
その温もりを、夜の存在を心で感じるために。優しい夢を心に残すために。
夜は、saoriのその白い咽を見たものの……
……そこには口をつけず、saoriを抱きしめた。
「……夢だよ、saori。
僕の存在は……
いや。
もしかすると『祠』の存在さえ……
不安定な人の思考の上に成り立つ、うたかたの夢なのだから」
そして。
夜の言葉に、腕の中で何か言いかけるsaoriをそっと放して言った。
「僕は、吸血鬼だから。
その美しい首に口づけたならば。
どうしてもキスだけでは終われない。
牙を立てずにはいられない。
だけど……覚えてる?
僕が『どうやって』血を吸うか?
僕は、漫画や他の小説に出てくる吸血鬼じゃない。
saoriのそのキレイな白い喉にただ咬みつけば血が吸えるわけじゃないんだよ……?
」
夜は吸血鬼の瞳で妖しく……寂しげにほほ笑んだ。
「お前は……この。
本当は、他の誰かに見られているかもしれないこの場所で、僕に抱かれてみたいのかい?
……違うでしょう?
大好きな、愛しいsaori。
僕もそうやってお前を傷つけ……命を縮めさせたくはないんだよ」
夜はほほ笑む。
「僕は、夢だよ。
窓を(ウィンドゥズ)を開けばいつでも見れて。
朝になったら消えてしまう夢。
……それじゃ、ダメかな?」
電話口から聞こえたのはやかましい声。
「吸血鬼の取材報告はまだか?!まったくどこで嗅ぎ付けたんだか、今や超有名な吸血鬼の取材をするって情報がバレて奴らのファンからの電話が鳴りっぱなしなんだ!」
saoriはふぅとため息をついた。
黙って夜を見つめる。
そして意を決して電話口にぽつりと呟いた。
「いなかった。」
「へ?」
間抜けな声に、今度ははっきり答える。
「吸血鬼なんていなかった、ってこと。」
そこまで言って夜へウインクした。
相手の応答を待たずに電話を切ったsaoriに、再び静寂が訪れる。
タイムリミットは近づいていた。
もう帰らなければならない。
きっと、もう会えないのだろう。
漠然とした思いだが、それが真実な気がした。
明日になれば、全て夢と消えてしまうかもしれない。
saoriは夜を見上げた。
「ねぇ、夜。今日の印を頂戴。」
そして、ぐいと首筋を差し出した。
「明日、今日の事が夢だったって思わないように。
夜の印を頂戴。」
暗闇に浮かび上がる白い首筋。
振ってくるのは鋭い牙か。
それとも
熱い口づけか。
saoriは震える体を押さえつけるように、ギュッと目を閉じた。
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