リメンバー
ホラー・オカルト
完
0
Rang Ming/著
- 作品番号
- 466585
- 最終更新
- 2010/08/18
- 総文字数
- 6,960
- ページ数
- 10ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 880
- いいね数
- 0
時間は止まったまま、動くことはない。
少なくとも、彩弓の中ではあの瞬間から止まったまま、一秒も動く気配は無かったのかもしれない。
私は携帯に送られた、メッセージの送り主を見て部屋でひとり凍りついた。
『覚えてる?私のこと』
あいつは。
私を、いや私達を忘れた事なんか無かったんだ。
そして時間を止めて、私達が全てを葬り、全てを無かったことにして安穏とした日々を送ろうとしていた瞬間、その想いを爆発させたのかもしれない。
『あんた達は、絶対に許さないから。』
許さない、許さない、絶対に許さない。
そう言って。
彩弓は、私達の前に二度と姿を現すことは無かったのだ。
10年前、私達がまだ制服を着て、若さを楽しんでいた時から。
いや、若さだけではなく。
彩弓という、弱々しい生き物を苦しめる行為へ楽しみを求めていた時から。
『…覚えているわけ、ないじゃない。』
私はメッセージを消した。
ザザザ、ザザザと木々が揺れている。
少なくとも、彩弓の中ではあの瞬間から止まったまま、一秒も動く気配は無かったのかもしれない。
私は携帯に送られた、メッセージの送り主を見て部屋でひとり凍りついた。
『覚えてる?私のこと』
あいつは。
私を、いや私達を忘れた事なんか無かったんだ。
そして時間を止めて、私達が全てを葬り、全てを無かったことにして安穏とした日々を送ろうとしていた瞬間、その想いを爆発させたのかもしれない。
『あんた達は、絶対に許さないから。』
許さない、許さない、絶対に許さない。
そう言って。
彩弓は、私達の前に二度と姿を現すことは無かったのだ。
10年前、私達がまだ制服を着て、若さを楽しんでいた時から。
いや、若さだけではなく。
彩弓という、弱々しい生き物を苦しめる行為へ楽しみを求めていた時から。
『…覚えているわけ、ないじゃない。』
私はメッセージを消した。
ザザザ、ザザザと木々が揺れている。
この作品をシェア
この作品を見ている人にオススメ
読み込み中…