世界が回っていた。
私を置いて、君を手放して。
手を伸ばしても触れられない。
そんな何かがこぼれ落ちて溜まっていく。
溢れ出したらどうなるのか。
誰も知らないその先を、人は天国とも地獄とも名付けるらしい。
目を瞑れば現実と幻想が混じりあっていたし、それはこれからもずっと私を飲み込むんだと思っていた。
解放されることはないんだと思っていた。
忘れることはない。
決して。
「忘却の彼方」