桜家令嬢のわたしにつけられた
専属執事は
廊下で急にわたしを抱きしめた
黒スーツ男だった……!!
『お嬢様。今日からお世話を致します。
九重と申します』
急に抱きしめてくるような男
絶対紳士なんかじゃない!!
……そう、思っていたのに。
『素敵ですよ、お嬢様』
彼が浮かべる柔らかな笑みに
徐々に惹かれていって……。
『私にはずっと想いを寄せている女性がいるのです』
だけど、彼にはずっと昔からの想い人がいて。
その言葉に
胸が締め付けられたように
苦しくなるのはどうして……?
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手のかかるおてんばな桜家令嬢
桜 すず
Suzu Sakura
×
何をやっても"完璧"な、すずの専属執事
九重 ??
Kokonoe
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『執事は名前を明かせないのです』
わたしは貴方の名前を知らないし
『彼女のことを、片時も忘れたことはありません』
貴方が長年想いを寄せる相手も知らない
……だけど。
貴方が本当はすごく優しいことも
たまに俺様で強引なことも、知ってる。
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貴方はいつだって、妖艶な微笑を浮かべて
───何度でも、わたしを助けてくれるんだ。
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今宵も貴方はそうやって
不敵に笑いかけてくる───
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\♧/ Special Thanks \♧/
楠瀬あまね さま
◇理人◆ さま
素敵なご感想をありがとうございます!
22.11.15 完結
続編
『旦那様、今宵も貴方の腕の中で。』
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「本気ですよ、お嬢様」
冗談が本気に変わったとき
わたしは貴方には敵わない。
お嬢様、今宵は私の腕の中で。