“重い”は嫌だから、“一途”と言った。
“依存”は寂しいから、“唯一無二”と言った。
「…いーね、それ。俺それ気に入った」
きみは嘘つきで、私も嘘つきで。
だけど、
一緒に見上げた青は
きっと本物なんだって。
◇
「逃げよーか、おれと。
俺はぜんぶ捨てれる。…拐っていい?」
きみと見た空を忘れてしまう私を。
一瞬でもいいから溺れたいと願った私を。
ぜんぶ、ぜんぶ、その青に溶かして。
そして私たちは今日も、
“はじめまして”を繰り返す───。
はじめまして、きみと溺れたかった青。