夜長の候、過ぎ去りし初恋の季節
恋愛(ピュア)
完
0
佐熊みのる/著
- 作品番号
- 1633799
- 最終更新
- 2021/04/13
- 総文字数
- 9,653
- ページ数
- 21ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 438
- いいね数
- 0
───それは金木犀の花束の香る、生涯忘れられない夜でした。
俺には忘れられないピアノの音色があった。
絶望した秋の夜。ふと問いかけたくて仕方がなかった。
過去の俺に。過去の人に。
どうしてこうなってしまったのか。
そして、ただ話を交わしたかった。
『夜長の候、その音色を奏でた初恋の君はいかがお過ごしですか?』───
野球選手になり損ねて落ち込む男子が、ジャズバーで大人になった初恋の君に再会する短編です。
本作は中編「初恋はメトロノームと共に去りぬ」の続編です。しかし主人公達も小学生から大人に成長しているので、単体でも読めます。続編を読みたいとのリクエストを受けて頑張って書きました。
ジャズバーやカクテルなど、作者も慣れない用語が出てきます……。かなり背伸びしてニューマンドラマちっくに初恋の君を想う男子を描きました。
初めて執筆する短編です。よろしくお願いします。
- あらすじ
- 誘われて訪ねた彼女の家で、懐かしいソナチネの音色を聞いた。
そのメロディーは俺に野球を続けることを後押しした、小学生の初恋の君を思い起こさせた。プロ野球選手に選ばれなかった22歳の俺は絶望していた。夜長の候、俺は遠い街へと消え、とあるジャズバーで様々な人と出会い、二度とない不思議な夜を過ごす。
この作品の感想ノート
こんばんは。「初恋は…」の続編読ませて頂きました。続編の執筆、本当にありがとうございます!
前作で小学生だったみおと内浜君、本作では成長した姿を見ることができて感慨深いものがありました。特にみおはプロの音楽家として活動していることもあり、話し方も変わり「大人の女性」そのものでした。
失意の底にいる内浜君が地元から離れた土地のジャズバーで出会った元プロ奏者のミチさんも素敵でした。彼の言動は「人生の先輩」としての重みを感じられました。ミチさんの言葉と音楽家として生きるみおの姿はこれからの内浜君の道標になると信じてます。
ちなみに…ミチさんが「みおが高校に通いながら年齢を偽って地元のバーで雇われ奏者をしていた」ことを話していた場面、私はみおの母親に対する反発の表れ…と想像してます。そのことで両親と揉めたものの、最終的には和解していて。
前作、そして本作を通して暖かい気持ちになれた物語でした。改めて、ありがとうございました。
エステル★さん
2021/04/16 21:37
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