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君と、青い海に溺れる

作品番号
1631809

最終更新日
2021/4/9

君と、青い海に溺れる

zio/著 ジャンル/恋愛(純愛)
420ページ
PV数/374,666・総文字数/91,563











「なぁ、杏璃」



輝く夕日が

オレンジ色に私たちを明るく照らす。



けれど、これっぽっちも嬉しくなかったんだ。





「ん?」






緋色は一度深く息を吸って、

間を置くように静かに息を吐いた。






「どうして…、髪を切ったの」







弱々しくて今にも消えそうな声だった。




腰まであった栗毛色の髪の毛は

首もとが風を撫でるほど短いショートになった。




緋色が深い海の底で届かない思いを

叫んでいるように聞こえたため、





空を見上げるのを止めて、

同じく空を見上げる緋色を見た。





オレンジ色に照らされ、

今にも同じ色に染まってしまいそうだった。






瞳に光はなかった。

いつの間にか闇に吸い込まれるんじゃないかと、

思うくらい。




唇が震えるからグッと唇を噛み締めた。








「そんなの、気分転換に決まってるでしょ」






「そっか」




もう、全てを捨ててしまおうと思った。






生きてきた中で、私も緋色も、

それぞれ《欲しいもの》があった。






でも、もう無理だって、不可能だって



私も緋色も感じていた。



























だから、緋色以外_____




何もいらなかった。











「君と、青い海に溺れる」



クラスで人気者の明るい女の子

泉田 杏璃(いずた あんり)

×

“不良の卯月くん”と噂される男の子

卯月 緋色(うづき ひいろ)









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