死のうと思った日、子供を拾いました。
青春・友情
3
鳴咲 ユーキ/著
- 作品番号
- 1608169
- 最終更新
- 2024/04/22
- 総文字数
- 79,235
- ページ数
- 80ページ
- ステータス
- 未完結
- PV数
- 2,588
- いいね数
- 3
交際も五年目にさしかかり、
結婚も目前だったある日、婚約者が死んだ。
マンションの隣の部屋が火事になって、
そこにいた子供を助けに行って。
その子の親でもないのに。
そうして、結婚式の前日、
俺の幸せな人生は音を立てて崩れた。
死のうなんて思ってなかったが、生きる気力
が湧かなくて、無気力に歩いていたら
いつの間にか車道に突っ込んでいて、
車に轢かれそうになった。
でも、轢かれなかった。
中学生の子供に助けられたから。
その子供は俺と同じく、
生きることに投げやりな子だった。
この出会いは偶然か、必然か。
そんなのわからない。
でも、生きてみてようと思った。この子が、
投げやりに生きるような子じゃなくなる日まで。
- あらすじ
- 「ねぇ流希、明日とうとう結婚式だね。私、明日が待ちきれないよ」
「ああ、そうだな。俺もだ。今日はできるだけ早く帰るから、結婚式の日は二人で手をつないで会場まで行こう」
「何言ってるの。そんなの当たり前でしょ。それじゃ、早く帰ってきてね。待ってるから」
――それが、彼女の最期の言葉だった。
神様って残酷だ。少なくとも、幸せの絶頂になる寸前で、人生を壊してしまうくらいには。もう生きる意味なんてない。
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