君と見た星桜

恋愛(ピュア)

ひ か る 2004/著
君と見た星桜
作品番号
1528858
最終更新
2018/10/30
総文字数
15,030
ページ数
7ページ
ステータス
完結
PV数
1,128
いいね数
0
私は一度、夜空に咲く桜を見たことがある。

それは星よりも綺麗で美しかった。

その桜を見た私は、その日

彼に恋し、別れた。


高校2年の春。

私は病院に緊急搬送された。

肝臓がん。

そう診断された。

肝臓がんは一部だけしかできていなかったら

半分切っても生きれる。

しかし私の場合はがんが転移し、肝臓に何ヵ所もあるらしい。

だから肝臓はきれない。

あと最低で半年生きれる。

そう言われた。

それって、嬉しいことなのだろうか。

母がとなりで泣いている。

私は … 泣けなかった。

なぜだろう。

とりあえず、病院に入院することになった。


診断されてから1ヶ月。

私は病院生活に慣れ始めた。

だが最近目が黄色くなったり、体中のむくみが気になるようになった。

症状が進んでいる。

怖くなった私は風に当たろうと中庭にいこうとした。

すると中庭の花壇に私の高校の制服を着た男子がしゃがんでいた。

なんで…いるの?

私は気になって近づいた。

誰…?

私が後ろに近寄ったとき、彼が振り返って私の顔をみた。

「この花めずらしいね。」

彼は馴れ馴れしく喋りかけてきた。

でも、無視するのは駄目だし、私も花が好き。

だから、

「私、この花好きだよ。」

と隣に座って答えた。

彼が笑う。まぁまぁカッコイイ!

「名前はなんていうの?」

私は思わずたずねた。

だって、なんか気になるから。

「俺はかける。」

「白石かける。」

「君は?」

「私は杉本さくら。」

かけるか…

いい名前。

「さくらはどこか具合悪いの?」

そう考えているとかけるが花壇の花を見ながら聞いてきた。

病気のこと正直に言おうかな。

いや。引かれたら嫌だ。内緒にしよう。

「ちょっとね。」

私はそうさり気無く答えた。

するとかけるが急にその場に立った。

そして少し苦笑いしながら

「俺の母さん。膵臓がんで死ぬんだ。」

「だから、俺、毎日花を届けてる。」

「母さん、花が大好きだから。」

「さくら、なんか良い花知らない?」

えっ、私は驚きが隠せなかった。

私と同じ。

死ぬ運命なんだ。

かける、きっと辛いのに笑ってるのがすごい。

「かけるがあげるものならお母さん何でも喜ぶよ。」

私はかけるを励ます言葉がでなかった。
あらすじ
肝臓がんで余命半年と言われたさくら。

もう、生きることを諦めたさくらに話しかけたのは、同じ学校に通っているかける。

さくらはかけるのことが、少し気になるようになった。

ある日、かけるの母が病気に耐えられず、自殺してしまう。

それをきっかけにかけるも自殺しようとするが、さくらが止めた。

さくらの死が近づくにつれてお互いを好きになっていくが

それは厳しい恋だった。

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