ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

教会の予言 1

作品番号
1333802

最終更新日
2016/6/2

教会の予言 1

Amanogawa/著 ジャンル/その他
0ページ
PV数/0・総文字数/0

「では、また来ますね。神父様」
「ああ。いつでもおいで」
「一松様もお元気で」
「うん…待ってる」
「さよなら!」
オレンジ色の髪の彼女は、眩しい笑顔でそう言って、教会を出て行った。
俺たちも、彼女に手を振りながら見送った。
これが最後の会話だと知らずに…。


:契約者:
今日も、シスターの弟の一松と一緒に十字架の前に跪き、祈りを捧げる。
しばらく祈りを続けて、俺たちは静かに立ち上がる。
「さあ一松。今日は子供たちが来て、一緒に祈る日だ。そろそろ迎えに行こう」
そう言うと、一松は「お前に言われなくても行くし。黙ってろクソ神父」と告げ、俺を睨みつけた。
「ひっ…」
「ケッ」
一松は脅える俺をまた睨みつけて、入り口まで歩いて行く。
まあ、いつものことだから、なぜ一松が俺に対してこんな態度をとるのかなんて、考えたことはないのだが。
気持ちを切り替えて、いつも通り「フッ」と俺は微笑み、一松の後を追った。


「あ、来た!神父様~!一松様~!」
歩いてくる俺たちに声をかけたのは、今から教会で祈りを捧げる子供たちだ。
子供は無邪気で可愛い。だから、俺も一松も子供は好きだ。
「今日、一緒にお祈りする日!女神様と大天使様に、挨拶するんだ!」
「ねえねえ!早くお祈りしようよぉ!」
俺と一松の裾を引っ張る子供たちに、俺は微笑んで「わかった。早く行こう。女神様と大天使様も待ってるしな」と告げると、子供たちは喜び、俺と一松の背中を押した。


教会に着いてしばらく祈った後、俺は子供たちにお菓子を配った。
今日は天気もいいし、しばらくここに居させてあげようかと考えていると、とても強い黒い気配を感じた。
(…これは)
胸騒ぎがする俺は、子供たちを早く家に帰そうと思った。
「君たち、今日は帰りなさい。すまないが、これから用事があるんだ」
優しく微笑みながら告げると、子供たちは「えー!」と言い、ちょっと不機嫌そうな顔をしたが「…わかった」と言ってくれた。
神父が嘘をつくなんてありえない話だが、今はどうしても必要だったんだ。
「ありがとう」
俺はそれだけ言って、子供たちに手を振って見送った。
その途端、気配は消えた。
(…さっきのは)
気難しい顔をして何だったのだろう、と考えていると、耳元で「よぉ…神父様」と若い男性の声が聞こえた。


小説を読む