遠くの光にふれるまで

ファンタジー

真崎優/著
遠くの光にふれるまで
作品番号
1333330
最終更新
2016/05/31
総文字数
130,945
ページ数
114ページ
ステータス
完結
PV数
43,378
いいね数
2

しまった、また幽霊を見てしまった、見なかったふりをしなきゃ。
その思いに反して、わたしの視線は男性から離れない。
身体の芯が震える。

男性の身体を、何人ものひとが通り抜けて行く。彼の身体はやはり実体がないらしい。わたしの目は、色を失っていた。いつもは鮮やかな街並みが、今はもう灰色。その世界の中で、彼だけが色を持つ。彼だけが原色。
彼は小さく首を傾げ、そしてこちらに右腕を伸ばす。

頬に、温かいそれが触れた。触れる。感じる。
ちゃんと触れることを確認すると、今度は左腕を伸ばし、わたしの肩を引いた。
身を任せるように抱き寄せられ、そして、彼と、キスをした。



(あらすじ)
幼い頃から霊の姿が見えた若菜は、ある日の仕事帰り、丙と名乗る男と出会って恋に落ち、一夜を共にする。
しかし丙は実体がなく、自分以外の人には見えない存在。
一夜限りの恋だったと諦め、ため息をつく若菜の前に、再び丙が現れる。
丙は幽霊ではなく、天使だった。
そして、始まる。擦れ違いばかりのふたりの恋が……。



(登場人物)
藤宮 若菜(ふじみや わかな)28歳、雑貨屋勤務
丙 宗志(ひのえ そうし)  天使
宿木 雲雀(やどりぎ ひばり)天使
篝火 燈吾(かがりび とうご)20歳、若菜のご近所さん



この作品のレビュー

★★★★★
2016/11/23 20:19
投稿者: 吉薗 美夢 さん
ネタバレ
感動しました!

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この作品の感想ノート

とても面白かったです。
若菜と丙のキャラが特によく、特に若菜の性質は感動でした。周りを彩る人々も若菜に出逢えた事で人生の指針を見いだせて、幸運と思えました。
二人はこれからが本当の絆や関係性を深めていく時ですね、年数が経っていても今はまだ始まったばかりですから。

そういう意味でとうごの娘ミキちゃんはやや鬱陶しく邪魔でした(笑)再会後とうごの家に行った時、丙の態度は再会前と比べやや低温気味?に見えたので尚更かもしれません。

天界でのシステムが色々楽しかったです。もっと読みたくなりました。
ベリカにある他作品も読破しました。
ありがとうございました。

2022/06/24 09:47

吉薗 美夢 さま

はじめまして!
感想、素敵なレビューもありがとうございます!
お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。

この話はわたしも書きながら凄くもやもやしていまして……。いや、すれ違い過ぎだろう!と。何年すれ違ってんだ!と。

実は改正版とスピンオフ的なアレを書こうと手直し中なので、機会がありましたら是非どうぞ!(如何せん作業が遅いので、完成がいつになるかは分からないのですが……)

感想、レビュー、本当にありがとうございました!励みになります!

真崎優さん
2016/12/01 00:00

はじめまして。
BBSで見かけて気になって読んでみると、真崎優さんのつくる世界にはまってしまっていて、一気に読みきっていました!

そして最後、二人の姿を空想しながらレビューを書き、こちらにもお邪魔させてもらいました。

二人の擦れ違いにこちらまでモヤモヤしていましたが、丙さんに嫉妬される若菜をとても羨ましくも思いました。

本当に面白かったです‼(^^)

2016/11/23 20:35

この作品のひとこと感想

すべての感想数:15

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