―もっと、刺激的な恋を。―

母親からの遺伝により、生まれつき常人離れした霊力をその身に宿す少女・千歳は、

成仏できずにこの世をさまよっている、哀れな魂を幼少の頃から見てきたが…


『彼らの想いを背負えば、自分の寿命を１年縮める』


41歳という若さで他界した母の言葉が、彼女を"救済"の２文字から遠ざけた。



ところが、そんなある日。

自分の力ではどうにもならない緊急事態に追い込まれた千歳は、今までずっと無視し続けた霊体に助けを求めてしまう。

それは、終わりの見えない泥沼に足を踏み入れた瞬間だった。


哀れな魂の救済と引き換えに、己の心にまとわりつくあまりに重い "鎖" の存在。

それは次第に、彼女の心を黒く蝕んでいく…。


　"逃れられない"


静かに迫り来る恐怖。

衝撃のラストから目が離せない！

『おにぎり屋』というほんわかしたタイトルの通り、事件の香りなんて微塵も感じない平和な場面から始まるこの作品。


主人公は２人。

おにぎり屋本舗うららの看板娘にして、不思議と事件現場に居合わせる"巻き込まれ体質"の持ち主・桜庭うらら。

冤罪防止対策室の室長にして、クールで有能なエリート刑事・小泉 圭。


序盤で大きな事件が起きて、犯人は誰かと推理していくオーソドックスなミステリーとは違い、

彼らが同じタイミングで遭遇する小さな事件ひとつひとつが、実は一本の糸で繋がっている──という、ひと味違う展開。


うららの巻き込まれ体質の秘密は、思わぬところに潜んでいた！

それには小泉も関係しており、隠されていた事実がじわじわと白日のもとにさらされていく…。


気付いた時には惹き込まれている、新感覚・ほのぼのシリアスミステリー。

ぜひ、ご一読を(^-^*)/

人によって、"愛"の形は異なる。

そんな当たり前のことを、改めて感じさせてくれる物語でした。


黒く、冷たく、それでいて異様な美しさをたたえた愛美の"愛"。

全てを懸けてもいいと思えるほどに、熱く燃え上がった叶多の"愛"。

遠い昔に芽生え、途切れることなく膨らみ続けた沙也子の"愛"。


三つ巴の黒愛は、果たして如何なる結末を導き出すのか？

その答えは、恐怖の扉を開いた先に──

闇色の光を放ちながら、妖しく、静かに佇んでいるのです。


『運命の彼がきっと私を待っている』


歪んだ"愛"の行く末を、ぜひその目でお確かめください。

時代の波に乗り切れず、今頃になってこんな素晴らしい作品に目を通した自分に一喝なうです。

目のチカチカなどどこ吹く風で、スラスラと一気読みさせていただきました！

正直、読み始めの時は「なーんだ、ただのヤンデレじゃん」くらいのものだったのですが…

読み進めるごとに「こ、これはヤバイ…」の繰り返しで、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)

そしてクライマックスで勢いを増すヤンデレ感！
要所要所に散りばめられた、違和感のないグロ描写には背筋がゾクリとします(^^;)


これぞ究極のヤンデレ！
書籍版・続編も期待値大です♪

極上の恐怖と思わず漏れる狂気の笑み、あなたも体験してみませんか？