ようこそゲストさん
「……遅いな」
勇気を出して、クリスマスに誘った彼が来ない。
やっぱり、嫌だったかな。
付き合ってもない女の子と出掛けたくなかったかな。
なんてクリスマスにもなって、ネガティブになる。
「寒い…」
もう30分遅刻。
『もう』なんて、せっかちなのかな。
「こんな自分、やだよ…」
じわじわと寒さなのか、寂しさなのか分からない涙が目に溜まる。
「メリークリスマス!」
ふわっ、と首に何かが触れる。
「マフラーのプレゼ……泣いてる…?」
私の首にマフラーを巻き付けながら、彼がおどおどする。
「遅い…」
「ごめん、準備してたら…」
なんて言ってる彼を見ると、頭にサンタの帽子を被っていた。
「そのお詫びって言ったらなんだけど…」
とそこで彼の言葉が詰まった。が、すぐに
「嘘、お詫びじゃない」
「……?」
「もう1つプレゼント」
そう言って、クリスマスツリーの前に立った。
「俺のこと欲しい?」