蜘蛛谷レンズさんのレビュー一覧

★★★★★
2010/04/09 20:50
誰もが皆エゴイストだから

本当は誰にも読ませたくない。 そんな独占欲さえ生まれる物語。 それが私のエゴイズム。 セピア色の中に溶け込んだ鮮やかな表現。 モノクロームの中に浮かび上がる滲み出す原色。 静かに奏でる音楽のように心に響き渡る描写。 全て自分だけの宝箱にしまってしまいたい。 心の色は時に澱み、澱を沈ませるけれど、撹拌されるとともに鮮やかな混ざり合う特色も併せ持つことさえ可能であると思わせる。 上澄みだけを綺麗と思わせることは簡単に出来るかもしれない。けれど、この物語は違う。 全てが混ざり合う、その意味がバランスを整え、人間を映し出す。 人は皆、エゴイストなのだから。 きっと貴方も……

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★★★★★
2010/01/25 20:36
夢の共演!!

シリーズ『隊長!』 それに惹き付けられた素敵作家様たちを更に魅了する、まさに夢の共演!! 各作家様たちのキャラを存分に活かすには、やはりそれだけ読み込んでいるということを忘れてはいけない。 出演させていただきながら、一番に感じたこと。 それは、 『読むというより、読まれている』←いろんな意味でコワイ! それだけにこの物語は様々な角度から面白いと云えるのです。 シリーズを知らない方にも楽しめる技法! 恐るべし作者! 一度、隊長に出会ったら脱け出せないのであります。 是非、アナタも(ニンマリ)

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★★★★★
2009/09/07 23:08
譲れないもの。

望んだ場所に立っているハズなのに…… 望んだものから離れてゆく。 何故なら、音楽は嘘がつけないから。 バンドが抱える様々な問題は音になって隠すことなど出来やしないから。 そんな彼らを掻き回す人物や掻き乱される気持ちはすべてが同じベクトルを持っていて、踏み出す時を待っていた。 譲れないものがある限り、彼らに妥協なんかいらない。 音楽を愛する者達の不器用で熱い、それぞれの想いが詰まった傑作! 前作とは、また一味違った音楽魂の旋律に魅了されること間違いなし!! このメロディを文字に換える作者の巧妙さ。 何ひとつ 後悔はさせないぜっ!

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★★★★★
2009/08/26 22:56
体感せよ!

エピローグから始まる、じわじわとした予感。 そんな予感ほど、よく当たると云うではないか。 テンポ良く進むシナリオは、まるで自分が体感しているかの如く。 何かが迫る。 何かがおかしい。 最後に頼れるのは、自分しかいないのか? そんなドキドキとワクワクに急かされるようにページを捲れば、既に知っていたハズのエピローグに辿り着く。 暗躍していたのは、誰だ? そうだ…… 作者の掌の上で転がされていたんだ…… 気付くと気付かまいと、どちらにしてもエピローグから始まっていたんだ。 コンプリートするまでセーブも出来ない物語はページを捲って、体感する他ないのだから。

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★★★★★
2009/07/07 22:11
あり得ないなんてあり得ない!!

♪行っけ〜 行っけ〜 我らが 隊長〜ォオ! どっこまでもぉ〜 使命に燃っえるぅ〜 熱き情熱ぅ〜 輝〜け ロマ〜ン 宇っ宙の果てまっで 飛んでゆけ〜 あっかるい未来へ 飛んでゆけ〜 隊長〜ォオ 隊長〜ォオ ハイパー 隊長〜ォオ♪ (語り) 隊長の辞書に不可能の文字はない。 ありとあらゆる困難を切り拓くのは、彼が隊長だからだ! それが隊長。 故に隊長。 生まれもっての隊長。 いつ如何なる時でも隊長。 これまでも、そしてこれからも。 そう! 隊長がいる限り、明るい明日はやってくる! ありがとうぉぉぉおお 隊長〜ォオ! ※思わず歌いたくなるよな傑作です。 !!※!! 作者様のご厚意により、本編挿入歌採用!! 作者様のエンタメ魂に熱く!御礼申し上げますm(__)m

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★★★★★
2009/04/07 13:04
秋風に舞うのは……

ひらひらと舞い落ちる葉に人は何を思うのか。 ただの葉と見過ごせない。 そんな気分にさせる見事な描写と揺れ動く心情に立ち止まって眺めたくなる絵画のような印象。 切なくも、人が人を愛する根本が描かれている。 主人公の純粋さと入り交じり対立する様々な想いは、象徴する黒い鳥が最後に羽ばたく時、何を示すのか。 黒い鳥を嫌悪する人もいれば、綺麗だと感じる人もいるだろう。 黒い鳥に見立てられたこの恋は、間違いなく後者だ。 秋風に舞うのは、美しいものだけに許された特権に思えてならない。 その特権を与えられた物語。 作者が描いた文字と敢えて描かずに醸し出した背景のバランスが絶妙な対比を魅せる。 本当に美しいものを知りたければ、読んで損はない。

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★★★★★
2009/03/29 13:12
真の理

自分では変えようもない根底に根付いた心理は、外側の刺激によって突き崩される時、感謝の言葉を口に出すのだろう。 漂う世界の真理によって、組み立てられる仕組み。 知らぬ間に組み込まれる思考。 気付けば最期に訪れる闇。そして、その闇に刺す一筋の光。 その光の中に何を見るかは、読者に委ねられた暗号のようで心地がいい。 作者はいつも、私の頭の中にその余地が残っていることを思い出させてくれる。 私も云おう彼のように、 「ありがとう」と。

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★★★★★
2009/03/29 11:42
いつも 空は……

いつも 空は其処にあって、人を、その罪を見ている。 人は罪を犯す生き物だ。 その大小にかかわらず、 ある日突然に揺るぎない罪を目の前に突き出され、苦虫を噛み砕きながら何かを引き替えに迫られる選択。 罪を認めるか、否か。 気付けば、それは罪と云う名の連鎖で構成される日常的な繋がり。 人と人が関わる中で無意識に繋がる鎖。 人と人が出会う。 ただ、それだけで人間は知らぬ間に『罪』を背負う生き物なのかも知れない。 そんな世界でもまだ、高く青く仰ぐ『空』は何もかもを吸い込むような懐の深さを見せ付ける余裕があるのだろう。 そう、思わされる切り取られた数ページ。 本当に罪を許すのは、自分自身と……そして空だけかもしれないと。 許されたい何かがあるのなら、読んでみるといい。

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★★★★★
2009/03/03 21:52
レビューなんて書きたくないっ!

彼女たちの日常は進んでいくのに取り残された気分です。 それくらい引き込まれ、のめり込むストーリー。 紡ぎ出す文字は、いつしか良質な音楽に変わり、景色に変わり、感動や笑いに変わる。 作者の思うがままに、まさしく『青春バンドコメディ』というジャンル!! どうです? 一緒にこのバンドの追っかけやりませんか? まずはライヴに出掛けましょう。 ほら、もう開演してますよ! 急がなくっちゃ!! キラキラ輝いたアイツラが待ってます!!

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★★★★★
2008/12/01 21:51
唸らずにはイラレナイ

セピア色の映像に突然現れる “葱”の白と緑。 そして、ラストのすがすがしさ。 唸る以外に何が出来ようかっ! なんともかんとも、為てやられた作品です。まさか、携帯でこんなスンゴイものが読めるとはっ! 恐ろしや、作者様。 貴方にぞっこんLOVEです。(←ほら、壊れた!)

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★★★★★
2008/11/21 08:18
感覚を研ぎ澄ませっ!

決まりきったような解釈も、小難しい講釈も要らない。 己れの感覚だけを信じ、研ぎ澄ませて観ればいい。 脳内に飛び込む、映像だけに身を委ねろっ! それが、正しい見方だと私は思う。 そしてこの、無限のループから脱け出せない楽しみを味わうがいいさ。

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2008/11/21 07:40
無色で臨め!

この多種多様なストーリーを色鉛筆に置き換えるセンスに脱帽した。 著者は“無色20本”と記しているが、まさかまさかの色とりどり極彩色豊かなラインナップである。 むしろ、こちら側が“無色”で臨まなければ、各色呑み込まれるであろう。 何色に染まるかは、アナタ次第。 さぁ、お好きな色に染まってらっしゃい!らっしゃい!

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2008/11/19 13:15
KALEIDSCOPE

時に冷たい雨は優しく濡らし、時に暖かい陽射しは刺すように降り注ぐ。 まるで幼い頃に夢中で覗き込んだカレイドスコープのような断片が心に響く物語。 決して、激しくはないけれど静かに揺れる水面の如く、波紋は拡がる。 さぁ、どうしてくれようか? 何度も反芻したくなるばかりだ。あの頃のカレイドスコープのように。

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★★★★★
2008/10/27 03:53
いつもと違う……

慣れ親しんだ日常は時に自らを冒険心に掻き立てるものだが…… それ以上にいつもと違うひとりきりの夜は、いつもと違うことをしてみたくなるものだ。 切ない違和感を振り払うように思考の海へと潜る。 ふと我に帰り顔を上げると、前を向いた自分がいたりもする。 そんな場面を切り取る手腕は、この作者独特の魔術のようだ。 少ない頁数で、こんなにも満足させられる物語もないと思うのは、私だけか? いいや、読めば判るだろう。保証する。

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★★★★★
2008/10/18 15:26
This Side of Love.

それは… 切ないだけじゃなく、どこか楽しんでいる。 “恋”とは、そういうものだ。 主人公のセリフには、全て裏側に限りない恋心を含んでいる。 相手を思いやる心がなければ、成立しない This Side of Love. それでも、やっぱり恋は恋。 踏み出せない一歩を耳慣れたフレーズに託す。 『I'm lovin'it♪〜』 この作者、独特な言い回しにアナタも酔いしれること間違いなし。

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★★★★★
2008/10/17 16:38
信号は青から赤に。

自分の中に違和感を感じ、それを不安と憶える。 誰しも、そんな時がある。 だからこそ、この作品を感じて貰いたい。 たった21頁に込められた “人生”と云う長編とも思えるメッセージ。 忘れている何か大切なコトを思い出させる映像が見えます。 さすれば、また信号は赤から青に変わるでしょう。 読み得です。

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★★★★★
2008/10/06 14:28
ネタバレ
えぇ、あれは確かにSFですよ。

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★★★★★
2008/09/25 22:29
メビウスの輪

思考の病み(闇)でねじれ繋がる。それはまるで『メビウスの輪』 そして かの高名なサルトル曰く、 『思考するとは、病んだ目で見ることだ』 この言葉はこの作品の為にあったのではないかとさえ思う。 私の頭の片隅に何故サルトルの残した言葉が? それはこのレビューを書く為にあったのではないかと。 さぁ、準備はいいですか? 貴方もこの息継ぎもままならない病み(闇)の世界で溺れて下さい。 人と云うものに生まれてしまった本質を考えさせられる、またとないチャンスです。 是非、お見逃しなく。

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★★★★★
2008/09/21 18:38
ネタバレ
もどかしい想い

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