大河大樹さんのレビュー一覧
少ない言葉で、作者の世界観や伝えたいことが、しっかり詰まった作品です。 とても言葉選びの上手い作家さん。 切れ味抜群。
自分を受け入れてくれる人の側からは離れられない。 悲しいけれど、関係性に溺れている彼女は、きっと金魚のように上手に泳ぐことは出来ないのでしょう。 相変わらず、この作者は人がその一瞬一瞬に抱く刹那的な感情を描くのが上手い。 他の人にも是非読んでもらいたい。 きっと傷跡のように心に残るはず。
大人が子供を守らない社会になんの意味があるのか。 この作品は教師に対してのメッセージだが、僕は子供を守るのはすべての大人の責務だと思う。 子供たちはよく見ている。 大人が子供に真剣に向き合わないとき、きっと子供たちはこう思うだろう。 やっぱり大人は信用できない。 大人はこの作品から逃げてはいけない。
この作品を読んだとき、僕が小学一年生の時に父親に「死ね」と言われたことを思い出しました。 その時のことは今も忘れていません。 僕の心の片隅に、今も残り続けています。 こんな言葉は現実に必要ない。 人が死ぬミステリーやホラーといった物語の中だけで十分だ。 言われた側は、いつまでも 「あの時はひどいこと言って、ごめん」 そんな謝罪の言葉を待ち続けている。 みなさんも読んで、今一度考えてみましょう。
誰かのために生きることは、自分らしく生きることの放棄とも言えるのでないでしようか。 ぼくも経験がありますが、こういう生き方は本当に息が詰まる。 最後はハッピーエンドで良かった。 でもハッピーエンドとはいかない人生を歩む人も多いだろう。
みなさんは、小さい時に社会見学として工場や施設に行きませんでしたか? その時ワクワクしませんでした? そんな童心が蘇る作品です。 読み終われば、風呂上がりのようにスッキリほっこりします。 どうぞ、ありきたりじゃない『あの世』を堪能して下さい☆