苑水真茅さんのレビュー一覧
狭い世界で構築されたヒエラルキーというのは学校だけのものではなく、様々な形で存在する。自分の意思でなく嵌め込まれるそれに、その問題に、誰もが必ず突き当たり、悩んだと思います。 私もそうで、抜け出したくて解放されたくて、でもそのやり方がいまいちわからないまま、大人になりました。覚えたことは、それなりに上手く泳いでいく、泳ぎ方だけ。 しっかりと前を向き、声を上げようとする彼らの姿が眩しい。夏の日差しのように力強く輝いていて、ああ、かっこいいなあと思いました。自分の弱さや傷と向き合い、狭い世界を壊してでも戦おうとする姿に痺れました。 そして、彼らの焦燥や苛立ち、弱さと強さをとても丁寧に書き上げた作者さまに脱帽です。 とても素敵な作品をありがとうございました。最強の戦う青春です。
なにこのかわいいお話は。 仕事の合間にポチポチ読んでいたんですが、丁度良い長さと 丁度良いかわいらしさにニヤニヤしました。 特に、カボのお母様が素敵かわいくて、これはもう理想の可愛い大人だなと。 逆立ちしてもなれませんが。 とてもかわいい山田ちゃんとカボのやり取りが本当に秀逸で、友人として横で眺められたらどれだけ幸せだろうと思います。 いつかまた彼女たちに会いたくて読み返すことがあるんだろうなと思い、そっとお気に入りの本棚に入れることにします。 とても素敵な作品をありがとうございました。 今日は大切な友達に会った夜のように幸せに眠れそうです。
これから変化してゆくであろう作品にレビューを書いてしまう無粋さはご容赦ください。 この作者さまの広げる世界たちがとても好きで、その中でも本作の世界観は特に好きです。 セオリーではない、レールの見えないジェットコースターに乗せられたようなストーリー展開は、ハマる人にはハマること間違いありません。 ああ、オフィスラブねー、からの急展開に対する驚嘆を、分かち合いましょう。そして、これからの楽しみを共にしませんか? おすすめです。是非!
産み、育ててくれた『母』という存在は、その過程がどれだけ残酷でも非道でも、『母』という揺るがぬ存在であり続けるのだろうか。 どれだけ疎んじても、憎んでも、体に、魂にべったりとしみ込んだ存在は、嫌いにはなれても、忘れることも、無関心になることもできないのではないか、と私は思う。 『母子』という関係性について考えさせられた良作でした。 できれば、兄の視点からも読んでみたかったと思います。 良い作品に出会えてうれしいです。ありがとうございました。
異世界召喚系ラブファンタジーが好きな方にお勧めします。 神話が息づく美しい世界の中で、魅力的な登場人物たちが織り成す恋愛模様は、きっと心をつかまれると思います。 鈍感な主人公と不器用な王子様の、時に切なく、時にきゅんきゅんする初々しい恋の始まりと行く末を是非とも読んでみてください。
けしからん。 ともすればグロく、エロくなる内容なのに、爽やかにするりと描くもんだから、読んでしまう。 でもって、読後に恋愛ジャンルだなと思っちゃう。 この作者さまの文体が好きな私としては、ああ、苦手な食材も料理人次第で美味しくいただけるのだなと、好みの味付けになるのだなと再認識した次第です。 さすがです。
誰が嘘をついてるの? 誰が何を隠してるの? あんな刑事さんに尾行されたいよ! わくわくにやにやしながら読みました。 全体の空気もテンポも、会話のセンスもすごく素敵でした。 ミステリーの緊迫感があるのに何故か笑えて、最後は胸があったかくなる。 終盤は感動すらしました。 ちょっとこれって贅沢な作品ですよ。こんなに色々盛り込まれてていいんですか。 この作品に巡りあえてよかったです。 是非一読してみてください。
感情を揺さぶられました 。こんなに世界に没頭したのは久しぶりです。 他愛ない毎日は、本当は大切な人とのかけがえのない日々。 つい忘れてしまうことですが、本作品のお陰で再確認できました。 構成、文体、心理描写がすごく丁寧で、読みごたえのある素晴らしい作品です。 是非とも一読してください。 心の琴線に触れると思います。
これは視覚で取り入れたいお話でした。 いや、だからといって、読むと面白さ半減とかではないです。 切り替わる言葉は抜群のカメラワークです。 読後はちょっと不思議な感覚に陥りました。 何も考えずに、ちょっと読んで見て下さい。ハマりますよ。