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  1. 103件ヒットしました

  2. 「友チョコだって、これ」
    甘い香りをさせて女の子達に囲まれている彼
    「それオレの?」
    彼に渡そうと持っていたチョコをギュッと握り締める
    「他の子から貰うでしょうから用意してないわよ」
    「あっそ。じゃいいよ」
    (あ‥怒らせた⁇)
    素直になれない私
    「おい!」顔を上げた私の口に甘酸っぱい味が広がった
    「‥?!」(これ私の好きな苺味‥)
    「好きだろ?」
    苺にチョコをコーティングした簡単なものだけど‥
    「これ、手作り?」
    いつもはツリ目な彼の目がクシャッと下がる
    (‥私の好きな笑顔‥)
    「本当はもっとスゲーの作りたかったんだけど失敗ばっかで‥」
    「必死なこいつマジウケるよ。でも真剣だったから彼チョコ作るついでに一緒に作っただけだから」
    「ここ数日甘い香りさせてたのって‥」
    疑った恥ずかしさと嬉しさがごっちゃになって涙が溢れた
    「好き‼︎」
    「‥知ってるし」
    「何赤くなってるの?苺がだよ。」

    きゅん

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  3. 「よくその顔で
     俺にチョコを渡そうと思ったな」


    朝の教室に響き渡った
    蓮君のイヤミな声。

    蓮君へのチョコを手にした私のハートを
    叩き割っただけじゃなく。

    クラスメイト全員を
    『私がふられた瞬間』の目撃者に。


    教室に漂う重苦しい空気。

    一掃する
    冗談コメントなんて返せなくて。

    「……ごめん」

    チョコの箱を
    抱きしめることしかできない私。


    その時、私の周りに女子たちが。

    「蓮君の態度って、マジないわ~」

    「顔が良いってだけで、性格最悪!」

    みんなが、私を庇ってくれてる。


    「璃々の作ったチョコ、みんなで食べよ」

    「安心して。
     璃々を溺愛してくれる王子様を
     私たちが一緒に探してあげるから」

    私にニコって微笑んだり。
    肩をさすってくれたり。


    恥ずかしいフラれ方だったのに
    涙が出なかったのは。

    一生繋がっていたいくらい大事な友達が
    私を救ってくれたから。

    きゅん

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  4. 「彰先輩、これ受け取ってください!」また女子にチョコ渡されてる。やっぱモテるんだな。好きだけど、私には手の届かない存在。

    「れーいーか-ちゃん!」先輩とはよく話す。だけど、私を女の子として多分みてない。悲しいけど。
    「なんですか?彰先輩。」
    「相変わらず素っ気ないな-」先輩はふざけて私に話し掛けてくる。
    「そんなことより、なんで毎回全女子からのチョコ断ってるんですか?」
    「先輩彼女いないですよね?好きな人でもいるんですか?」

    先輩は急にイタズラっぽく笑って言った。
    「お前からのチョコずっと待ってるんだよ」!?先輩が私のチョコを..?

    「はい..」小さく頷くと、
    「..っ..」突然、唇に柔らかい感触がしてキスをされた。
    「い、今、き、キス..」顔を真っ赤にして言うと
    「そんな可愛い反応すると襲うよ?」そして、また甘いキスをした。

    これから私の心臓はもつのでしょうか..

    きゅん

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  5. 「あっごめん遅くなったわ」
    「あ、全然待ってないよ。遅くにごめんね渡したいものがあってね。はい、これバレンタインね」
    「これって本命チョコ?本命チョコ以外なら貰わないよ?」
    え、なっ何言ってるのもちろん本命チョコだけど他の子からもたくさん貰ってるくせに‼︎
    「俺、他から貰ってないよ‼︎お前からしか貰う気ないから」
    え‼︎何言ってるの・・・・・・
    「あ〜もういい、ずっと前からお前しか好きになれないんだよだから俺の彼氏になれ」
    え、えー本当の本当に‼︎う、嬉しいな‼︎あ、もしかし夢だったりして‼︎
    「本当嘘じゃないよね⁇」
    「ああ嘘なんかじゃねえよ‼︎本当だよ!ずっとお前しか見てねえよ」
    嬉しいよ‼︎泣きそう
    「こちらこそ彼女にしてください」

    きゅん

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  6. バレンタインは私の誕生日。

    私の机の上は、友チョコの山で崩れそう。

    「オマエ、全部食べ切れるわけ?」
    なんだ、氷牙じゃん。

    「みんなからの愛、食べつくすよ」

    「太るぞ」
    ほっといてよ!

    「明日の朝から
     ウォーキングするから平気だもん」

    「何時?」

    「へ?」

    「だから、朝何時から歩くわけ?」

    「6時15分くらい?」

    「じゃあその時間に
     お前んちの前で待っててやる」

    「なんで?」

    「オマエ一人だと、ぜってぇサボるだろ!」

    俺は監視役だからな!と怒鳴る氷牙の顔は
    なぜか真っ赤。

    「ウォーキング付き合ってやるから
     これから朝6時、電話で俺を起こせよ」

    「え?」

    「俺、そんな早く起きらんねぇし。それに……」

    氷牙は、ラッピングされた箱を机に置いた。
    お誕生日おめでとうのシール付き。

    「朝、美織の声で起きたいって思っちゃうんだから……
     しょうがねぇだろ……」

    きゅん

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  7. ガラリとドアを開けると、そこに居るはずない人物がいた。

    「あ、おつかれさま」
    「先生!?」
    隣町の学校に転勤した先生ーーもとい私の恋人が、にこやかに微笑んで手を振っている。

    「ちょっと置き忘れた資料があって、取りに来てたんだ。もしかしたら会えると思って」
    「...待っててくれたんですか?」
    そう聞くと、彼は少し頬を染めてうんと頷いた。
    か、かわいい...!

    そういえば、と思い出してカバンを漁る。
    「この後チョコ渡しに行こうと思ってたんです。たまたま会えて良かった」
    どうぞ、と綺麗に包まれた箱を差し出すと、ありがとうと受け取ってもらえた。

    「...本気で僕がたまたま資料取りに来たと思ってる?」
    「え?あの...」
    ガタンッと横にあった椅子にぶつかる。
    いつの間にかメガネのフレームが乗った先生の鼻先が、私の鼻先に触れそうなくらい近づいていた。

    「チョコも嬉しいけど、君に触れたい」

    きゅん

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  8. 「はい、これ!今年もチョコ作りすぎちゃったから。」バレンタインだからこそ、雄飛に本命だなんて言えない。
    「毎年、どーも。千夏はさ、いつになったら、本当のこと言ってくれんの?」
    「な、なんのこと?」まさか、バレてる?!
    「とぼけても無駄だからな。毎年、余りものなはずなのに、丁寧に作ったやつ渡すだろ?それって、本命じゃないのかよ?」
    「..っ..そっそんなわけないじゃない」どうしよう。本命だなんて知られたら、もう、話せなくなっちゃうかも。
    「まあ、俺は本命の方が嬉しいけど」えっ、今..
    「だから!俺はお前が昔から好きだったんだよ。」
    「へ!?えぇぇぇ!そうだったの!?」どうしよう!嬉しすぎる!
    「わ、私もチョコ本命です!昔から好きでした!」
    「これからは幼なじみじゃなくて恋人だな。誰よりも甘やかしてやる」そう言って、雄飛は私にとろけるような甘いキスをした。
    もう、駄目。頭沸騰する..

    きゅん

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  9. 「せーんせ!」
    「図書室では静かにしましょー」

    …まぁいいじゃんか!気にしない!

    「んで、なんだ瀬尾」
    「あっ、先生にこれ渡したくてさ」

    私が取り出したものを見て一言。

    「あのな〜学校に関係のないものは持ってこないって校則あるでしょうが」
    「いいじゃん。渡したかったんだもーん」

    私が渡したのは手作りクッキー。今日はバレンタインだからどうしても大好きな先生に渡したくて。

    「はぁ…没収」
    「えー!ひどくなーい⁉︎」
    「校則を守らない瀬尾が悪い」
    「みんな持って来てるのに…」

    残念…ショックだな…

    「没収するのは俺だからもしかしたら食べるかもな」
    「えっ、ほんとに?」
    「多分の話だけどな」
    「多分か〜…」

    多分でも…もらってくれるだけマシかな〜

    「…ヤバい嬉しすぎる…」
    「先生なんか言った?」
    「いやっ何もない」

    取り敢えず結果オーライ…かな☆

    きゅん

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  10. 「これ、バレンタインだから」

    家まで送ってくれた礼君に手渡したのは
    『縁切りチョコ』

    「ありがとう……」

    普段のようにピクリとも笑わず
    礼君は受け取ってくれた。

    礼君は学校ではやんちゃ系で
    教室に笑い声が響くほどなのに

    私といる時だけは、別
    つまらなそうな顔で、私の話しに頷くだけ。

    きっと私に告白したことを
    後悔してるんだよね?

    だから大好きな思いをチョコに込めた。

    『別れてください』 この7文字に。


    30分後。
    スマホに礼君からメッセージが。

    『ごめん』

    謝らなくていいよ。

    たった1か月だけど
    礼君の隣にいられただけで、幸せだったから。

    そう思うのに……
    涙、止まんない……

    その時、またメッセージが。

    『俺と一緒にいて、つまらなかったよな?』

    そんなこと……

    『美咲が隣にいると、ドキドキが半端なくて……
     何をしゃべっていいか、わからなくなるから……』

    きゅん

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  11. 今日はバレンタイン。
    あたしと、彼氏である先輩は、誰もいない教室で来週行われる試験の勉強をしてた。
    甘い物が苦手な先輩はチョコとは無縁。
    でもやっぱり、バレンタインにはチョコだよね…。
    あげるつもりはないけど、鞄に実はチョコが入ってる。

    「あ、あのね、自分で食べるために一応チョコ、買ってきたんです」
    「そうなんだ?」

    先輩はニコニコと笑って、数学の問題に戻る。
    あたしは鞄からチョコを取り出した。
    箱を開け、一つつまんだチョコを口の中でじっくり溶かす。

    「おいしい?」
    「はい!」

    教科書から顔をあげてあたしに聞く先輩は、おもむろにあたしの頭を引き寄せた。
    そして…あたしにキスをした。
    そのまま自分の舌で、あたしの口の中から溶けかけたチョコレートを奪い取る。
    それからすぐに「やっぱ俺、甘いの苦手…」と顔をしかめた。

    「…」

    あたしの顔は真っ赤。
    甘いのは、チョコよりもこの時間だ…。

    きゅん

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  12. 今年もわたしは、嘘をつく。

    「はい、慎太郎!これとこれ!隣のクラスの子から!」

    しれっと自分のチョコを他人の想いとともに混ぜる。
    慎太郎は、モテる。だから、幼なじみのわたしが慎太郎あてのチョコを渡したって不自然じゃない。
    だから、今年もって。混ぜて誤魔化す。

    今年もいつも通り、そっと慎太郎に渡せればいいって思ってた、のに…

    慎太郎はわたしのチョコだけを掬いとって、

    「なぁ。いつになったら、咲からのチョコだって言ってくれんの?」

    って、真剣な目でわたしを見てくる。

    「え、何言ってんの…それは……」

    「俺が気づいてないとでも?…いつ咲から告ってくれんだろって楽しみにしてたけど。…もう限界…」

    言っている意味を理解出来ず小首を傾げていると、

    「……何それ可愛すぎ。……反則だから…」

    首筋まで赤く染めた慎太郎が、

    「そろそろ俺だけのものになってよ」

    って耳元で甘く囁いた。

    きゅん

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  13. 「なぁ..お前さぁなんでまだいんの?」
    俺は日誌でまだいたけど
    もしかしてコイツ..
    こいつに机の上にはチョコがある
    嫌そんなわけないよなコイツ俺の事見たらいつも目逸らすし
    嫌われちゃってるよな
    お前のことずっと気になってる俺からしたら胸が痛いけど、あれ?
    『いや..あのね、コレ!//』
    顔が茹でたこみたいに真っ赤な顔で俺の目を見て顔の前に箱が突き出される、おいおいおい何これ
    嬉しすぎる//
    「ありがとう///」
    俺絶対今顔緩みきってるわ
    もう恥ずかしいな
    『うんっ』
    「俺嫌われてると思ってたから、こんな事されたらもう容赦しないよ」
    少し冗談ぽくゆったけど本気だよ
    『うんっ、いいよ私君の事大好きだから』
    「えっ」
    その瞬間顔をあげようとしたが無理矢理頭を抱き抱えられて頭をくしゃとされる
    照れ隠しだろうか
    でももうお願いだから離してくれ
    胸当たってるから/////
    俺の理性が持たないッ

    きゅん

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  14. 『風花からのチョコが、入っていますように』

    周りに誰もいないのを確認して
    神頼みで手を合わせ
    靴箱の扉をあけたけれど。

    残念。
    入っていたのは、俺の靴だけ。

    恋心が砕け
    ヒュルル~と吹き飛ばされていく中。

    「る……瑠衣君」

    風花に声をかけられた。

    思い切って聞いてみるか。

    「チョコ、渡せた?」

    「えっ?」

    「風花、持ってきてたじゃん」

    「渡せなった……」

    誰だよ
    風花にこんな悲しい顔をさせた奴は!

    「私の席、ストーブの近くで。
     チョコが溶けちゃって……」

    犯人はストーブかい!

    「誰にもあげないなら、そのチョコ、俺にちょうだい」

    「それはちょっと……」

    「だよね~」

    アハハと
    重い空気を吹き飛ばしてみたけれど。

    失恋のガッカリ感、半端ない。

    「作り直して、明日渡してみたら?」

    「一日遅れでも……
     瑠衣君は貰ってくれる……?」


    もしや……俺用??

    きゅん

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  15. 朝。「先輩、今日の放課後時間ありますか?」
    「うん、あるよ」
    「あの、相談したいことがあるので、屋上に来てもらってもいいですか」

    今放課後。「ごめん、お待たせ!」
    「僕に相談したいことって何?」
    「私、先輩のことが好きです!」そう言って、チョコを渡した。
    「先輩はモテるので、もしかしたら、か、彼女とか好きな人とか、いるかもしれないけど、気持ちを伝えたかっただけですから!」 「....彼女はいないよ。好きな人はいるけど」
    ですよね。いるよね..初恋は一瞬で消えた
    「じゃ、そ、それだけなんで!」そう言って、立ち去ろうと背を向けた瞬間、後ろから、温かいものに包まれた。気がつけば、先輩に後ろから抱き締められていた。
    「僕の好きな人は君だよ。ずっと前から」
    「本当ですか?」
    「うん、ほんと」そう言って、先輩は私に、初めての、甘くて幸せな、キスをした

    きゅん

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  16. 「葉山先生、貰ってくれないらしいよ」

    職員室の入口、友達の言葉に足が止まる。

    貰ってくれないなら、あげるの諦めよっかな。
    そう思った時だった。

    「岡田、どうした?」
    その声と瞳に私は掴まった。

    「いや、あの」

    「学校にチョコ持ってきちゃダメだろ。没収だな」

    「…貰わないんじゃないんですか?」

    「でも没収じゃもったいないもんなあ」
    私の言葉をスルーした先生は、あろうことか私のチョコを食べた。

    「うまいじゃん」
    私が作ったチョコで先生が笑った。
    そんなことでまた好きが募る。

    “好きです”

    袋に貼ったメッセージ。

    応えてくれないのはわかってる。
    それでもどうしても伝えたかった。

    「ありがとな。来年の3月楽しみにしてろよ」

    ホワイトデーは今年もあるのに。
    先生の言葉に私は首を傾げた。

    いたずらっぽく笑った先生は私に耳打ちをした。

    「岡田が卒業したら、返事するってこと」

    きゅん

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  17. ただいま、バレンタインデー……の次の日の放課後
    それなりに親しいはずの【好きな子から義理チョコすら貰えない現実】を直視出来ない。しかも俺は今年卒業。来年貰える可能性はゼロ

    ──ガラッ

    「……先輩」

    ブルーな気持ちのまま扉を開ける音につられて目をやると、そこには俺が想いを寄せている子がいて、こちらへ歩み寄る

    「昨日は風邪を引いて学校を休んで、今日は移動教室が多くて渡す時間がなくて!大遅刻ですけど……このチョコ、受け取ってください!」

    話す内容に納得して安心、そしてチョコを差し出す姿に嬉しさが込み上げる

    あー、やっぱり好きだ

    「ありがとう。もし良ければなんだけど」

    1度区切って深呼吸
    本来女の子が想いを伝えるもの
    だけど──

    「また来年、彼女としてチョコくれない?」

    目の前の子の顔がみるみる赤くなっていく。そして小さく頷くのが可愛くて──

    ──幸せとともに彼女を抱きしめた

    きゅん

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  18. 今日はいよいよ待ちに待ったバレンタインだ。だけど昨日俺の好きな人が友達と「好きな人がいる」と話していた。もう可能性はゼロに近い。はあ。
    「ちょっと待って!」
    そう呼び止められ振り向くと好きな人が走ってきた。
    「じっ実は、はぁはぁ」
    「ちょっとゆっくりでいいよ!」
    「うんあのこれそれじゃ!」
    と言って彼女はまた走って行ってしまった。そう渡された袋の中からはチョコレートの甘い香り。
    いつのまにか俺は走りだしていた。

    きゅん

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  19. 大雨のバレンタイン。

    やっと駿君に告白する覚悟ができたのに

    恋心を溶かして固めたチョコは
    攻撃するかのような豪雨に狙われ中。

    その時、強風が吹いて
    傘の布が飛んでいってしまった。

    登校中なのに
    私も、バックの中のチョコもびしょ濡れ。


    人間って、驚きのバロメーターが振り切れると
    石みたいに固まっちゃうんだ。

    脳がさとりモードで、雨に打たれていた時。

    「修行するなら、寺に籠れ!」

    呆れ声と共に、私の頭上に傘が。


    しゅ……駿君??

    待って。相合い傘状態なんですけど。


    「学校行くぞ!」
    「駿君、みんな見てるよ」
    「ちょうどいい」
    「え?」

    「オマエがいれば、チョコを断る口実になる。
     それに……」

    急に黙り込んだ駿君。
    手の甲で口元を隠して、どうしたの?

    「俺が、オマエの隣を陣取ていればさ」



    「男子がオマエにチョコをねだりに来ても…
     排除できるから……」

    きゅん

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  20. ーー先生は、好きな人いるんですか。彼女いますか。年下は恋愛対象に入りますか。

    「ーーぃ、おい。話聞いてるか?」
    ハッと我に返ると鼻先に赤い箱が当てられた。
    今朝私が先生の目の前で落としてしまった『学校に必要でない物』。
    「見逃してやりてーけど、他の生徒に示しつかねーからなぁ。一応預かっておくから、休み時間に取りに来い」

    「で、放課後まで取りに来ないってどういう事だ」
    「す、すみません...」
    そのまま持って帰ってくれないかなぁと淡い期待をした。それは先生へのチョコだから。
    「...早いうちに返そうと思ってたんだよ。悪かったな、相手もう帰っちまったか?」
    「...目の前にいます」
    「え...、...。」

    声が震える。
    体が熱い。箱を両手で差し出しながら、赤い顔を上げて先生を見つめた。
    「...先生、もらってください」

    かわいそうな私のチョコレート。
    せめて好きな人に食べてもらいたい。

    きゅん

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  21. 「はいっコレあげる!」
    「...何これ」
    満面の笑顔で手渡された高級そうな箱。
    「チョコレートだよ」
    「...私って彼氏だったの?」
    「彼氏は俺でしょ!じゃなくて、普通に俺があげたいなーと思って用意しただけ」
    「...私があげたやつさぁ...」
    「あ、チロルチョコ?嬉しいよ。俺ミルク味好き」
    申し訳なさすぎる。
    これは挽回しないといけない。彼女としての立場とプライドのために。だってまさか、こんな本格的なものを用意してくるとは...。
    「...ごめんね。後日ちゃんとしたの渡すから」
    「いいよそんなの」
    「私の気がすまないの!」
    すると彼は一瞬目を輝かせ、うーん、とわざとらしく唸る。...何か嫌な予感。
    「じゃあ来週俺の家泊まりに来ない?」
    「行かない」
    「なんで!付き合って1年だよ?イチャイチャしたいよー」
    「恥ずかしいからいやだ」
    「お返ししてくれるんでしょ?」

    俺に君の時間ちょうだい。

    きゅん

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