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  1. 532件ヒットしました

  2. 当日、大好きな彼と喧嘩をしてしまった。
    私の嫉妬のせいで…
    作ったチョコは渡せなかった。
    私はそのチョコを口に入れた。

    「苦っ…。」

    言葉と共に涙が零れた。

    「いた!」
    「なんで‍…」
    「まだ貰ってないから。」
    「…でも」
    「くれないの‍?」

    私は彼に渡した。

    「なんで泣いてるの‍?」
    「…嫌われたと思って……」
    「俺が陽奈を嫌うわけないよ。
    …ねぇ、食べさせて‍?」

    彼の口のところまで持ってった。

    「ひゃっ」

    指ごと食べられた。

    「俺の好きな味。」

    ///

    「陽奈が嫉妬してくれたの嬉しかった。
    それから、陽奈以外の女子から貰ってないから。」
    「え‍‍?」
    「陽奈から貰えるのが1番嬉しいし
    愛しくて大好きなんだよ。」

    彼の言葉が私の曇り心を晴らす。

    「私も海くんが大好き!」
    「その笑顔は俺だけに見せてね。」

    ///

    苦い時間は甘い時間になった。

    きゅん

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  3. 「わー凄いなぁ」

    私が一人呟いた言葉はタイムアップの音に消された。
    体育館の片隅で、他の女子に混じって声援を送れない私はこっそり見てることで満足してた。こんな根暗な私が元気な女子達と一緒になったら邪魔者扱いされるのは目に見えてる。
    後片付けが始まった体育館から立ち去ろうとした、その時だった。

    「あれ、君来てたの」
    「っ!」

    外に出てたバスケ部員に見つかった。それも人気ナンバーワンの選手に。私はミーハーじゃないことを説明するのに必死になった。

    「ちょっと覗いてただけです! どんなのかなって」
    「女子バスケに入るの?」
    「……えっと」
    「じゃあ誰かの目当てで?」
    「う」

    あっさりと見破られた私は口をつぐむしかない。
    冷や汗をかいて固まった私に、その人は一頻り笑うと頭をポンポンした後、悪魔的なことを囁いた。

    「近くで見たいならマネージャーになっておいで。
    一人分くらい空けてやるから」

    きゅん

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  4. 手作りのブラウニーを手に、早6時間経過。

    放課後になって、みんなが帰っていって、残るは私たち2人だけ。

    振られたらって考えると、元のような友達関係で居られるはずがない。

    それでも、私はその恐怖に勝負をしかけたんだから、こんな所で怯みたくなくて。

    「ずっと前から好きでしたっ」

    ピンクのリボンがついたラッピングを、彼の胸に突き出す。

    顔は赤くなってるだろうし、手も震えてる。

    「俺にくれるの?」

    驚いた声で戸惑う彼に、私は首を縦に振り続けた。

    すると、私の体がふわっと浮いた感じがしたと思ったら、チョコと一緒に彼の胸の中。

    「Will you be my Valentine?」

    彼の胸の音が響いて、私のと混ざり合う。

    「俺も好き」

    凛々しい顔して緊張する彼に、今日も私は恋をする。



    Will you be my Valentine?
    -私と恋仲になってくれませんか?-

    きゅん

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  5. 「せ、先輩、あの」
    「……?」
    「あれ、◯◯じゃん! どしたの? さてはチョコを俺に?」
    「え、あ」

    違う──と否定する前にチョコを1つ取られた。
    それもそこそこ良い箱の方を。

    「わーこんな豪華な物、嬉しいな。日頃優しくしてた甲斐があるわー」
    「お前、そんな動機で女子を……」
    「えーだって向こうからキャーキャー言ってくるし?」

    その通りだ。この二人は容姿端麗、キャプテンと副キャプテンを務めるだけの有望な人達で、わざわざ私が渡さなくてもチョコを貰える。
    それなのに渡すのは、

    「なになに、もう1つは義理チョコか。じゃあこれ本命だったり……」

    と、何気なくひっくり返した副キャプテンが息を呑んだ。私はすぐさま持っていた義理チョコを副キャプテンに押し付けた。

    「これ、お前宛てだってさ」
    「え?」

    こんな恥ずかしい渡し方ってない。私は返事も聞かずに逃げた。後ろから追ってくる気配を残して。

    きゅん

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  6. ┌◯◯へ

    きょうはバレンタインデーで
    みんなが義理チョコを用意してる中、
    がんばって私も作りしました。
    すごーく大事に食べてね。あ、お礼はいつでも、
    きみのタイミングで倍返しでお願いします笑

    └◯◯より


    よしっ。
    誰からの物か、周りにバレるといけないからメッセージは箱の中に隠した。

    下駄箱の中に仕込む時も見られないように、人がいないタイミングを見計らって靴箱の中へ押し込んだ。

    どうか、あのメッセージに気付いてくれますように。

    きゅん

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  7. 「先輩、これ!」
    「あー俺、チョコ嫌いなんだよね」

    廊下で様子を伺っていた私もチョコを落としそうになった。
    今日はバレンタインデー。仲良い先輩に日頃のお礼も兼ねてチョコを渡そうとしたら、先客がいてこのざまだ。
    なんで先にこの情報を知っておかなかったのか、数日前の自分を呪う。
    カードまで書いてたのが無駄になった。茫然と立ち尽くすしかなかった私は、先客がいなくなった事に気付かなかった。

    「何してる」
    「うわっ」

    急に影で覆われたことに私は肩をビクつかせた。先輩が驚かせてしまったことを謝ると、私は咄嗟に持っていたものを後ろに隠した。

    「何を隠した」
    「いえ、何も」
    「出せ」

    待って──と言う暇もなくそれを取り上げられた。明らかに本命だと語ってる小さな箱は先輩の指で弄ばれた果てに、すっとポケットの中に吸い込まれていった。

    「先輩! チョコ嫌いじゃ」
    「あぁ嫌いだ。好きな人以外の物はな」

    きゅん

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  8. 私の好きな人は、笑う時にほぼ口に手を当てる人だった。

    「そんでなー」

    男にしては綺麗な指と短く切り揃えてある爪。私よりも一回り以上大きい手には、動く度に色気を感じる。

    「ふふっ、そうなの」

    いつからか、その仕草が気になって意識した瞬間、私も彼の仕草が移っていた。

    「あのさぁ」
    「ん?」

    たわいもない話の途中で、彼が何かに気付いたらしい。もしかしてこれは、

    「俺の仕草、移ってない?」
    「え、あ、そうかも」

    ごめん。と謝る前に彼の手で牽制された。

    「いや、いいよ。むしろ嬉しいし」
    「……そうなの」
    「うん、気が合うからなのかなーって。話してて楽しいしさ」

    良かった、嫌われてない。ホッとした私は恥ずかしくなって前髪を直した。

    「いつか」

    いや、いつかじゃないけど。そう前置きして彼は呟く。

    「付き合えたらいいなーって思ってる」

    思ったよりも真剣な声に、私の心は揺れた。

    きゅん

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  9. 「へーここからアレが見えるんだ」

    三階から見える校庭に向かって幼なじみは毒づいた。幼なじみがいうアレとは人気者のサッカー部男子に群がる女子達のことだ。今、その女子達を敵にしたが。

    「お前もあんなのがいいの?」
    「いや、眺めてるだけ」
    「ふーんそう」

    キャーキャーしてる女子達の姿を、ぼんやり背景にしてるとふと目が合った。明らかに見上げてるアイドル系男子はこの音楽室に向けてだった。どうしよう、目を反らすべきか、と迷ってると先に向こうが微笑んだ後に反らした。

    「今こっち見てたね」
    「あぁ、そうだな。なんかむかつく」
    「え」

    言い終わらないうちに、突然肩を引き寄せられた。
    それも一瞬だけ。パッと離されたと思ったら、休憩が終わるから戻るぞとだけ言われた。あぁ、うんとだけ頷くことしかできない私は呆気に取られた。
    なんで今になって触ってきたんだろう。それも肩に。

    触れられた肩が酷く疼いた。

    きゅん

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  10. 私、吉田チヨは心友の勇気と電話していた。

    「宿題嫌い〜。」
    「あはは、そういえば生物の課題やった?」

    え!?あったの?ヤバイ、教室の中に忘れてきたかも。

    取ってくるね、と言い私は電話を切った。

    今は夜7:00。
    お願いすれば入れてもらえる時間帯

    私はチャリで爆走し学校に着いた。

    よかったぁ、まだ空いてる。

    教室に入ると暗くて不気味だった。

    早く帰ろお〜、っと思って自分の机に向かった。

    「あれれ〜?そこにいる子猫ちゃんはだあ〜れ?」

    この甘い、悪魔のような囁きは多分教育実習生の伊藤先生だ。

    顔面偏差値がとっても高くて有名、ファンクラブも持ってると言う。

    「吉田です。」
    「チヨちゃんかぁ。ねえ、一緒に遊ぼ?」

    その瞬間、頭が真っ白になった。

    しばらくして、ようやく状況を理解した。

    私は伊藤先生にキスされてる。

    しかも、激しく。

    「あっ…んぅ」

    きゅん

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  11. 私、吉田チヨは心友の勇気と電話していた。

    「宿題嫌い〜。」
    「あはは、そういえば生物の課題やった?」

    え!?あったの?ヤバイ、教室の中に忘れてきたかも。

    取ってくるね、と言い私は電話を切った。

    今は夜7:00。
    お願いすれば入れてもらえる時間帯

    私はチャリで爆走し学校に着いた。

    よかったぁ、まだ空いてる。

    教室に入ると暗くて不気味だった。

    早く帰ろお〜、っと思って自分の机に向かった。

    「あれれ〜?そこにいる子猫ちゃんはだあ〜れ?」

    この甘い、悪魔のような囁きは多分教育実習生の伊藤先生だ。

    顔面偏差値がとっても高くて有名、ファンクラブも持ってると言う。

    「吉田です。」
    「チヨちゃんかぁ。ねえ、一緒に遊ぼ?」

    その瞬間、頭が真っ白になった。

    しばらくして、ようやく状況を理解した。

    私は伊藤先生にキスされてる。

    しかも、激しく。

    「あっ…んぅ」

    きゅん

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  12. 「ちな♪」

    「きゃっ」

    ぼーっと通学路を歩いていた私のすぐ背後
    そこから不意に聞こえた声に私は思わず悲鳴をあげた

    「あはっ♪ちな可愛い〜♪」

    そう言って私の隣にきた彼は、ふわりと甘いお菓子の匂いを香らせながら私の腕に抱きついてきた

    「ち、千歳くんっ近いっ…」

    ふわっと柔らかい髪が触れた距離に私は顔を真っ赤にする
    歩き難いし何より心臓が壊れそう…けど、彼はそんな事お構いなしに私の肩に頭を乗せてくる

    「ちなシャンプーの良い匂いがする…ちな好き〜♪」

    そう言ってますますギュッと私の腕を抱きしめた彼は、にこにこと幸せそうに笑った

    「うぅ、千歳くんズルいよ…」

    私より背の低い彼のその姿を見た私は、余りの恥ずかしさに涙目になりながら自由な片手で顔を隠す
    可愛くて甘い物好きで人気者の千歳くん

    そんな千歳くんの愛情表現は、とっても甘い

    きゅん

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  13. 「なんだろ、何か入ってる……“放課後、体育館裏まで来て下さい”?」
    「へぇ、あんたにもラブレターなんて来るんだ」
    「うわっ、驚かさないでよ」

    放課後、下駄箱で靴を取り出そうとしたらラブレターが入っていてそれを隣の男に取られた。悲しいかな、可愛いと言われることがない私にはこのラブレターが初めて。私は取り上げられたそれを取り返そうとした。

    「今から行くの? 体育館裏」
    「あんたに関係ないじゃん。ちょっ返して」
    「お前には必要ねーだろ」
    「なんでよ。それを言うならそっちこそいつも貰ってるラブレターいらないでしょ」
    「ははっ、やきもち焼いてくれてる訳?」
    「んな訳!」

    あーもう、取れないっ。
    それどころか気が付けばかなりこの人に接近してたみたいで私は一旦離れることにした。すると腰に手が回されて動けなくされた。

    「行くのはよせ」
    「なんで」
    「俺が──」

    そこで止めてしまった。その先は何?

    きゅん

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  14. ねぇ、知らないでしょう?

    私はずっと恋をすることに憧れていた。

    でもね、誰かを愛せるなんて思っていなかったの。

    こんな私でも誰かを愛せるってはじめて知ったんだよ。


    はじめて私は自分に素直になれたんだよ。

    はじめて声を出してみようって思えた。


    君のそばにいて、私は願ってしまった。

    ずっと君のとなりにいたい。

    君の夢を誰よりも近くで見ていたいと願ってしまったの。


    ねぇ、いつか私は君にとって雪のような思い出に変わってしまうのかな?

    君にはきっと夢を叶えた輝かしい未来が待っているんだろうね。

    そのとなりに、私はいない……。


    ねぇ、神様。

    奇跡なんて起こらないとはわかってる。

    でもね、私は願いたい。

    これからも君と、ずっと。

    これから君とずっと隣で笑ってられますようにって。


    ね? 知らないでしょう?

    だから君のそばにいるよ。これからもずっと……。

    きゅん

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  15. 「ねぇ、桜って綺麗ですね
    私とは違って頑張って生きていて
    枯れてしまうのに…」

    「大丈夫。君も頑張ってるよ」

    「ありがとうございます」

    きゅん

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  16. この雪はあと何回あなたの目に映るんだろう。

    もう時間はない。だから私は辛い想い出にならないように明るく振る舞った。

    沢山隠し事もしてしまった。

    一つだけ、心から『私を忘れないで』って伝えた時、あなたは私を救い上げるように受け留めてくれた。

    もう何度も神様に祈った。

    生きるためにもがく私を悠輔はちゃんと忘れないように、一粒一粒。
    白い華が咲くような凍えた私の身体を、言葉を抱き締めてくれた。

    祈ってくれた。

    最初で最後の恋に最上級の愛を囁いてくれた。

    『永遠に忘れない。ずっと側に居るから』と。

    人生の中で一番嬉しい言葉だった。

    短期間だったけど人を愛し、愛される喜びを貰った。

    あなたには沢山の感謝しかありません。

    私もずっとあなたとの想い出を忘れません。

    どうか、この『雪の華』という歌に込めて私を忘れないで下さい。

    愛してます。

    きゅん

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  17. 後一年で私は終わってしまう──。
    今まで生きた意味はあったのだろうか。
    絶望の淵で貴方の声が聴こえた。
    心の声を出せよと、生きたい声を出せよと。
    その言葉に私はあぁ、声を出していいんだと気付いた。
    だから、期限付きとは言え貴方で最後の望みを叶えようとした。貴方は精一杯私に応えてくれた。私がいなくなっても貴方は生きて行ける強さがあるなと思った。
    そう思っていたのに。

    「死にたくない…っ」

    伝えようと思わなかった言葉が飛び出してしまった。
    貴方は悲しく笑って、哀れな私に言葉を残してきた。
    それが偽物だったとしても、本心だったとしても。

    「嘘だよ、さっき言ったことは嘘だよ」

    私は貴方の負担だけはなりたくなかった。
    忘れないで欲しいという私のエゴは捨てて、貴方の手だけを信じて私は終わろう?

    そんな貴方が私の終わり際に。
    沢山の私の名前を呼んでくれて。
    この想い出と共に、私は先に逝きます。

    きゅん

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  18. 「椛乃ちゃん」


    そう呼ばれて振り返る。私のことをちゃん付けで呼ぶ男子はただ一人。


    「なに、前田くん」


    時は放課後、教室には私と彼の二人きり。


    「前々から思ってたんだけどさ____」


    ______クシャリ


    「……っ!」

    「椛乃ちゃんって髪サラサラだよね」


    徐(おもむろ)に伸びてきた手は、私の頭をクシャリと撫でる。
    突然のことに頭はショート寸前の状態だ。

    照れているんじゃない。突然のことに驚いただけだ。
    ……多分。


    「ははっ、顔 真っ赤」

    「……うるさいなぁ」


    普段は誰よりも意地悪なくせに、たまに見せる砂糖のような王子様的一面に
    甘く溶かされそうになる。

    しかし、騙されてはダメだ。
    だって彼は______。


    「そんな反応されると、ますますいじめたくなる」


    悪魔のように意地悪だから。

    【意地悪なくせに君はずるい。】
    よろしくお願いします!

    きゅん

    13

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  19. 「ごめん、お待たせ。おはよう!」
    「あぁ、おはよ。首筋見せろ」
    「……うん」

    玄関前で待っててくれた彼氏が私の襟を捲って調べた。その内側にはくっきりキスマークが付けられている。私を溺愛する彼氏が消えないようにと毎日付けてくるのだった。

    「よし、ありがとう。まだ消えてないな」
    「ううん……こんなことしなくても私はずっと側にいるよ?」
    「ただの男避けのものだから気にするな」
    「そ、そっか」

    毎度毎度、真っ赤になるまで付けてくるから私は隠すのに必死だ。1度、絆創膏で隠したことがあったけど顔をしかめた彼氏が一瞬で取ってしまった。そして……思い出すのも恥ずかしいことをされた。

    「俺がいない時に手を出されても困るだろ」
    「そ、そだね」
    「もしかしてそういう予定があるのか?」
    「ない! ないって!」
    「ふ」

    その微笑みは何が隠されているんだろうか。
    私は彼氏の気が済むまで側に居ようと決心した。

    きゅん

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  20. 「奈緒、奈緒……」
    「あ、あの、もう囁かないで……」
    「なんで?」

    背後から抱き締められて一緒に座ってる彼に、耳元で愛おしそうに囁かれるのを私は逃げようとした。が、すかさず彼に羽交い締めにされる。普段こんなことはしない人だから余計に恥ずかしい。

    「も、もう昼休み終わるから離してください」
    「……もう少しだけ。側にいろ」
    「……うぅ」

    彼から信じられないほどの甘い声に私はくらくらしてきた。もう彼の体温か、恥ずかしくて上がっている私の方が熱いのか分からない。思いきって彼に体重を預けてみたら吐息が交わるほど顔が近くなった。すると“キス”とだけ呟かれて唇を塞がれた。何も喋れない。

    「ごめん、我慢出来なかった。
    ……教室戻るか、熱を冷ましてから」
    「……はい」

    何回やってもこの人からのキスに慣れない。この人はいつまで私をドキドキさせてくるんだろうか。嫌じゃないけど、ただひたすら恥ずかしい。

    きゅん

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  21. “こっちへ来い。ここに座れ。返事は?”

    私の好きな先輩はいつも命令口調だ。一度も私の名前を呼んだ事はない。今日も生徒会の事で呼び出された。

    「あの」
    「なんだ? 何か不満か」
    「いえ……」

    先輩の有無を言わせない声に私は返事が出来なかった。先輩はそんな私の態度は全てお見通しだと言わんばかりに睨み付けた。
    ただ、YesかNoを言うのに躊躇う理由があった。

    事の始まりは昨日。
    “おい”と誰かを呼ぶ先輩の声に私が気付いた後、着いて来いと言わんばかりの背中を辿った先に人の名前を覚えてるのか謎のこの人に告白をされた。
    たった一言「お前の事が好きだから付き合ってくれ。返事は明日で良い」とだけ。
    で、今日がその返事の日。

    「付き合っている奴は?」
    「いません」
    「じゃあ付き合え」
    「はい」
    「……宜しく──」

    耳を疑った。最後に私の名を呼んだから。
    恋人になって最初の言葉が私の名前──。

    きゅん

    21

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