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  2. ふと目に入った。
    肩につく位の黒い髪、伏せられたまつげに少し隠された瞳。
    本を持つ手は白く。


    一目惚れ。


    そんな言葉が頭をよぎる。
    この俺が、そのようなことを……?


    「終点、麻糸__」


    気づいたときには、降りる筈だった駅を逃していた。
    仕方ない、一駅分程度問題無い。


    ……そして、先ほどの女性は。
    無意識に見渡すと、文庫本に栞を挟む姿があった。


    ……声を聴いてみたい。


    恋など無縁な俺が、こんなにも焦がれている。
    その事実に、俺自身が驚いていた……。



    改札を抜け、駅前についたところで待つ。
    こんなところで待って、一体どう話しかけるか……。


    ……いた。
    きょろきょろと辺りを見回している。
    一瞬、目が合った気がした。


    「ああ、見つけた。ごめん、待たせたね」


    凛とした、落ち着いた声。
    その声は俺とは違う一人の男に向けられていた……。

    きゅん

    5

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