ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「っあ!」
    ‥‥今日はホントにツいてない。登校中、犬のフンに足を突っ込むわ、部活中にボールが顔面に強打するわ。
    「ほんとやだ‥‥」
    「大丈夫⁉︎怪我してない?」
    先輩たちが吹っ飛んでくる。おでこを強打したからか、視界に星が点滅している。
    「うわ、赤くなってんじゃん!冷やさなきゃ」
    先輩は私のおでこをさすりながら、顔を顰めた。
    「如月、立てるか?」
    そのとき、頭上から声をかけられた。
    「大丈夫です、逸生先輩」
    一人で立とうとすると、足元がぐらりと歪んだように見えた。
    「無理するなよ。ほら、来い」
    先輩が私の手を引いて、水道のある場所まで連れていこうとする。
    「いいですよ、一人でいけます」
    「階段から落ちたら、もっと大怪我するぞ。試合が近いからって、無理はするな」
     ホント最悪。この人に見られるなんて。っていうか、なんでいるの?引退したんじゃなかったの?


    つづく。

    きゅん

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  3. 「ねぇ真白·····ぼくが教えてあげるって言ったのに他の奴に何ノコノコついて行ってんの?」

    『いや·····だって誠くんほかの女の子達と仲良く話してたから·····』

    彼は不満そうにそのかわいい顔と裏腹な表情を私に向ける

    誠くんは紅葉の総長でみんなから慕われ恐れられている

    「何それ·····俺がダメって言ったらダメなんだよ」

    そんな苦しそうな表情されても私の方が何倍も嫉妬して、自分が嫌になっちゃうのに

    『なんでそんなに意地悪するの·····』

    瞳から今まで我慢していたはずの大粒の涙が溢れ出し、そのまま誠くんを睨みつける

    「もう何その泣き顔·····ほんと真白ムカつくよ·····そんな可愛い泣き顔見せられたら俺もう·····」

    誠くんは視線をずらして髪の毛をクシャッとすると頬を赤らめる

    『好き·····真白のこと好きだから·····もう他のやつのとこ行くな』

    きゅん

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  4. 練習、頑張ってこいよ?
    (頭ポンポン)
    今週末試合あるんだろ?
    見にいくから!
    お前のドジっぷり、楽しみにしとくわ笑

    きゅん

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  5. 「よし、準備OK!」

    部活に必要な物を持ち、教室を出た。

    私、中野彩は陸上部のマネージャー。

    マネージャーは私しかいないから大変。

    廊下を歩いていると、後ろから肩を叩かれた。

    振り向けば、そこには後輩の阿部達哉くん。

    「どうしたの?」

    「先輩、早く行かなきゃ怒られますよ。」

    「確かに!阿部くんも早く行こう!」

    阿部くんの手を引っ張って進もうとすると、逆に後ろに引っ張られて、私の体はいつの間にか壁にくっついていた。

    両脇には彼の両手があり、逃げられない。

    「あ、阿部くん…?」

    小さな声で彼の名を呼ぶと、思っいてたより低い声がした。

    「先輩は僕のこと…なんだと思ってるんですか。」

    「えぇっ?」

    「僕だって男です。荷物、持ちます。」

    「えぇっ?あり…がと?」

    「僕って、そんなに弱いですかね?」

    荷物を全部取り私の前を歩く阿部くんは、全然私より強い……。

    きゅん

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  6. 「由紀、スポドリ追加!」

    「はいっ!」

    私、浜野由紀はバスケ部のマネージャー。

    今日もせっせと働くの。

    ボトルを腕いっぱいに持って、水飲み場のところまで向かった…その時。

    「きゃっ…」

    体育館と地面にある段差を踏み外して足首を捻った。

    思わずボトルを落とし足首を抑える。

    「いった〜…」

    立ち上がろうとするけど、痛みは治まっていなくまた重心を崩しそうになった。

    「…大丈夫か?」

    でも痛みは来ない。

    私の体はみんなの憧れ大谷先輩に支えられていた…。

    「すっすみません!早くスポドリっ」

    「ったく、無理すんな。おいマネージャー、こいつ保健室連れてくからスポドリよろしく。」

    大谷先輩はそう言ってその場に屈んだ。

    「…ほら、乗れ。」

    「え…。」

    戸惑いながら乗れば彼は立ち上がった。

    「ちゃんと服掴んどけよ。」

    「はいっ…。」

    先輩の背中は温かくて安心した。

    きゅん

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  7. しーーーーーんっと静まり返った、薄暗い、美術室。
    ここにいるのは、私だけ。

    本当は、美術部の可愛い後輩たちが、いるはずなのになぁ。真面目に一人でデッサンなんて…、何て言うか…寂しいな、なんて。思ってみたり。

    「何、描いてんの?」

    「…?!」

    一人きりのはず…だったのに。誰?この爽やか少年。

    「ちょっと見せてよ。」

    ドタドタッガッシャーン!!

    この、ほんの数秒で何が起こったのかというと…
    漆黒の布でできている私の制服が、なんとびっくりカラフルに!ってそんな解説してる場合じゃなくて…

    「ちょっ?!だいじょーぶ?…なわけ、ないよね。ほんっとにごめん!!驚かすつもりは全くなくて…」

    「これっ、俺のジャージなんだけど、こんなんでよければ…ほらっ、きっ、着替えて来なよ。」

    「うん…あり、がと。」

    そして、だぼだぼのジャージに身を包んだ私は、あまりに甘すぎる香りに、………気絶した。

    きゅん

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  8. 「先にシュート外した方がジュース奢りな」

    部活終わりの体育館で浦田君のドリブルの音だけが響く

    早速一本、浦田君がシュートを決める

    ガッツポーズした浦田君の右腕に筋肉が浮き出る

    たった一本のジュースのために一本のシュートに真剣な浦田君が愛おしい

    「次、岸本の番」

    パスされたボールを受け取る

    集中してボールを投げようとしたとき、

    「…かわいい」

    突然耳元で囁かれて手元が狂ってしまう

    「よっしゃ、俺の勝ち!」

    「はぁ⁉︎最低!」

    結局、自販機に200円入れる

    100円の炭酸をお揃いで2本

    「岸本、金欠なんじゃねーの?」

    からかうように浦田君が言う

    「いーの、大丈夫」

    浦田君と一緒に炭酸を飲める時間が買えるなら200円なんて安いもんだ

    なんて絶対浦田君には言わないけれど

    きゅん

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  9. 「はぁ……」

    今日も来てしまった。憂鬱な放課後が。

    「部活行きたくないなあ」

    サボってしまおうかと思って靴を履いてグラウンドに出てきたけど、熱心に練習をしているサッカー部を目にして罪悪感に駆られてしまった。


    「乃愛?」
    「わ、翔空……」


    後ろからトンっと肩を叩かれ振り向くと、サッカーのユニフォームを着た彼氏の翔空がいた。


    「またサボってんの?」
    「違うもん……」


    「馬鹿だなあ」って呟いたかと思えば急に後ろから抱きしめてきた。


    「え、翔空?」

    「充電してあげるから。ちゃんと行っておいで」


    急に抱きしめられたのと、グラウンドで人の目があるのとで頭が焦って心臓がバクバクしてる。


    「と、翔空!もう大丈夫!ありがとう!」
    「あぁ、そう?」


    頭をポンポンとしながら「行ってらっしゃい」と言ってそのまま部活に戻って行った。



    ずるいよもう……

    きゅん

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  10. 「礼、部室で転がってんなって」

    「俺、グランド行きたくない…」


    「部活、ずる休みする気かよ?」

    「満開の桜なんて見たくないから…」


    「礼がふったんだろ?美咲ちゃんのこと」



    畳に転がる俺を
    裕太は足で突ついて来て


    「大好きすぎて別れるなんて
     礼の心ん中、マジ意味不明~」


    あきれ声をぶつけられたけど。



    しょうがなないじゃん。


    美咲と一緒にいると
    ドキドキで心が暴れまくって。


    美咲が他の男の前で笑ってるだけで、
    イラついて。


    心の荒波に
    俺が絶えられなくなったんだから。




    1年前。満開の桜の下。

    美咲に一目ぼれした俺。



    1年経っても、別れても

    美咲への想いは、膨れ上がる一方って……




    「他の男に取られても、知らねぇぞ」



    それは、絶対に嫌。


    嫌だけど……



    美咲と一緒にいるのも苦しい俺は

    どうしたらいいんだろう……

    きゅん

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  11. 高校二年生の私は男バスのマネージャー。
    もともと中学まではバスケをしていたんだけど、
    大きな怪我をしてボールを持つのが怖くなった。
    それでもバスケは好きだからマネージャーをやっている、と言うか。

    大会の一週間前。
    みんな気合が入っていていつも暑い体育館の温度がさらに上がっているような気がする。

    一仕事を終えて、みんなが練習しているのを見ていた時ボールが私の方に飛んできた。

    「先輩!!」

    一年生の子が誤ってこっちに投げてしまったのだろう。
    自分の方に向かってまっすぐ飛んでくるボールがあの日を思い出させる。
    怖い。

    ぱしっ。
    誰かがボールをキャッチした音がした。
    それでもなお怖くて体がすこしも動かない。

    ——ぎゅっ。

    「大丈夫。」

    背中をさすってくれるのは幼馴染のアイツ。

    「俺がいるから。」

    体の力が抜けてへなへなと座り込む。
    部活中のことも忘れて無意識に体を預けていた。

    きゅん

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  12. 「大地君…これって///」

    「居残りトレーニング」


    部活後の体育館。

    なぜか私は、壁ドン状態で
    目の前には、大好きな顔が。


    「美咲は、バレーボールの試合で
     勝ちたいんだよな?」

    「勝ちたいけど…」

    人の何倍も練習している
    でも、レギュラーにも選ばれない。


    「私…センス無いのかも…」

    「美咲が弱いのは、メンタルだろ?」

    「えっ?」

    「戦う前から、精神面で負けてるんだよ」

    メンタルか。
    考えたことなかったなぁ。


    見惚れちゃうほど綺麗な大地君の顔が
    迫ってきて。

    ひゃっ!

    私は思いきり、顔を逸らした。


    「俺に壁ドンされたくらいで
     ドキドキしてるようじゃ、試合は勝てないな」

    「だって…」 
    顔、近すぎ///


    「これから部活の後は
     毎日、俺とメントレな」

    「二人だけ?」

    「明日はもっとオマエに迫るから、覚悟しとけよ」

    顔、近すぎだってば///

    きゅん

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  13. 僕...君のこと好きなんだ
    返事はあとでいいよ。
    振られるかもしれないし。

    「ごめん」待った?
    返事くれる?

    えっ ほんとに
    すっごいうれしい
    今日からよろしくね チュッ

    きゅん

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  14. 「コード、見てください!」

     わたし、桃木綾乃は赤城先輩に作成中のゲームのコードを見てもらっている。
     でもどうしてもバグがでて、プレイできない。

    「おー、すごい! 綾乃ちゃんも成長したね」
    「ありがとうございます!」

     先輩が褒めえくれた!
     それだけでわたしは舞い上がる。でもこれは恋じゃない。恋なんて感情は無いから。

    「んー、ここにコロンが抜けてる。それと―――」

     先輩の説明が始まる。でもどうしても眠くなってしまう。うとうと……

    「綾乃ちゃん? 聞いてる?」

     でも、聞こえないほど眠気に襲われていた。

    「綾乃ちゃん?」と言って先輩はわたしの頭を掴み髪をクシャっとして顔を上げさせた。

    「綾乃ちゃん、ぼーっとしないで」

     わたしの顔が赤くなる。
     これは恋じゃない。でも恋という感情があったら、……この先輩を好きになる。

     その様子を扉の影で黄瀬が見てたことは別の話。

    きゅん

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  15. 壁打ちをしている柚木くんは音楽室の四角い窓にぴったりと収まっている。

    太陽に照らされた柚木くんは眩しい。

    「戸崎さん!」
    私に気づいた柚木くんは、手を振ってくれた。

    真剣な表情を浮かべていた顔を綻ばせる、その瞬間が好きだ。

    「今日って部活の日?」
    柚木くんの声はまっすぐに私の元へ届く。

    「自主練してるのー」

    「本当、好きなんだね」

    本当は私が自主練をしているのは、ホルンが好きだからだけじゃなくて、柚木くんが好きだから。

    頑張る柚木くんを見たいから。



    見上げた窓にはホルンを吹く戸崎さんがぴったりと収まっている。

    ホルンを吹く戸崎さんは綺麗だ。

    「柚木くんも自主練でしょ?柚木くんこそテニス大好きじゃん」
    笑う戸崎さんをもっと近くで見たいと思う。

    本当は俺が自主練をしているのは、テニスが好きだからだけじゃなくて、戸崎さんが好きだから。

    頑張る戸崎さんを見たいから。

    きゅん

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  16. 「椿のこと、ずっと見ててもいい?」

    春輝くんの凛とした瞳に見つめられ。

    私の心臓は
    溶けそうなほど、うずきだした。

    もしかして……私、告白された?

    そんなことないよね?

    春輝くんは陸上部の部長で。
    普段から
    女子が群がるほどのイケメン。


    「椿の走るフォーム、綺麗だからさ。
     参考にさせて欲しくて」

    え?

    「頼む!」と
    頭を下げた春輝くんに

    「いいよ」と
    微笑んでみたけれど。

    告白されたって勘違いした自分が
    恥ずかしすぎ///

    顔が勝手に、熱を帯びて。
    頬が、火照っていく。

    その時、春輝くんが
    私の顔に、スポーツタオルをかけた。

    「隠して」

    私の顔を隠すってこと?

    「今の椿の顔、ヤバすぎだから」

    私、そんなに醜い顔しちゃった??


    「ライバルを増やしたくないから……
     そのテレ顔……
     俺以外には見せないで……」


    ……
    ……

    それって、どういう意味?

    きゅん

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  17. 『俺と別れて』

    中学の卒業式。
    彼からの第二ボタンを期待していたのに。
    受け取ったのは、別れの言葉だけ。

    『高校で真剣に、サッカーをしたいから』

    それ、本心だった?

    違う高校に入って10か月。
    今日は元カレの高校のサッカー部との練習試合。

    コートの真ん中にいる元カレと
    コートの外に立ちつくす私。

    視線が絡んで、私は動けない。

    「マネージャー、どうした?」

    キャプテンに呼ばれ、慌てて元カレに背を向けた。

    「アイツ、マネージャーの知り合い?」
    「元カレで……」
    「アイツがねぇ~」

    ため息混じりの甘い吐息が、私の耳を包み。
    いきなり、後ろから。
    キャプテンに抱きしめれた。

    「ちょっと……やめてください///」
    「まだ好きなの?アイツのこと」
    「……わかりません」

    この感情が『好き』なのか。
    『憎しみ』なのか……

    「離さないよ。
     俺は綾のこと、アイツに渡したくないから」

    きゅん

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  18. 高校2年生の春、先輩の引退も近づいている。

    「まやおつかれ〜!」

    みんなが帰っていく中私は1人残る。
    ふぅーっと顔を上げたそのとき、茶髪でサラッとした短髪のさわやか系男子がこっちを見て近づいてくる。1年生だ。

    「僕のこと覚えてます?」

    いきなり話しかけられ、私は固まる。

    同じ中学の後輩?それだったら流石に覚えてる。私はジーッと見つめて思い出す。

    「あ、西南中の子だ!一個下で唯一のスタメン!私の代の男バスと接戦だった。(西南が負けた)」

    敵なのにいろいろかっこよくて、私が一目惚れをしてしまった相手。もう会うことないかと思っていたけど、まさか高校が同じだなんて。

    「覚えててくれてたんですね!俺、あの時の先輩が忘れられなくて。」

    にっこりと微笑まれ、私の顔の温度が上がる。
    覚えてくれてたんだ。
    勇気を出して近づいたあの日のことを。

    これから最高のスクールライフが始まる予感。

    きゅん

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  19. 「紗奈……だよな……?」

    なんでこんな時に
    幼なじみと再会しちゃうかな。

    私、体育館裏で号泣中なのに。

    「叶多だけど……俺のこと覚えてる……?」

    覚えてるよ。
    幼なじみで。私の初恋で。

    会いたかったよ。6年間ずっと。

    でも……
    なんでこのタイミングで、再会しちゃうかな。

    涙も嗚咽も止まらない。

    涙でぐちゃぐちゃな顔
    誰にも見られたくない。
    ましてや、叶多になんて。

    「バレーボールの試合……残念だったな……」

    見られてたんだ。

    「負けたの、紗奈のせいじゃないじゃん」

    私のせいだよ。

    ゆるいサーブをレシーブミスして
    試合終了になっちゃったんだから。

    「紗奈、顔あげて」
    「……ムリ」
    「頑固なとこ、変わんないな」
    「可愛くないって……言いたいんでしょ?」
    「ま、俺の方が、呆れるほど頑固だけど」
    え?

    「付き合うなら紗奈以外ありえないって……
    ずっと思ってるから……」

    きゅん

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  20. 「楽器の体験を始めます!気になる楽器の前に並んで見て〜!」

    入学したばかりの俺を含んだ1年生達が、部長らしい先輩の言葉で、一斉に他の先輩たちが持っている楽器の前へ並ぶ。

    サックスやフルートは特に人気みたいで、たくさんの人が集まっている。

    その横で、居心地悪そうにしている、マスクをつけた女の先輩を見つけた。
    持っているのはホルン。

    マスクをしているけど、美人なのが隠せておらず、誰もがなにやら囁きあっている。
    なのにホルンには人が並んでいない。


    もったいない。俺が行くか。

    そう思い、ホルンを持っている女の先輩に近づいた。



    「わっ、来てくれるの?」

    女の先輩は、綺麗な声でそう俺に向かって言った。


    「!」


    どこかで聞いた声。
    ハッ!驚いている場合ではない。

    「あ、はい!」

    この時は思いもしなかったんだ。この人が...俺の初恋の人で、数年ぶりの再会だと────

    きゅん

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  21. 私と私の幼馴染みは吹奏楽部で、廊下で練習している。

    「ねぇ、ここのテンポ違う。」

    こいつはピアノを習っていたから音楽にはうるさい。
    しかも、ぶっきらぼうで正直じゃないから何を考えているか分からない。

    でも、たまに········

    「まあ、焦らなくても良いよ。」

    ほのかに温かい手が頭に乗る。

    たまに優しい時があるんだよなぁ。

    きゅん

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