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  2. いつも近くにいたのに、どこか距離があった龍神。

    気持ちを確かめ合えたら、

    こんなに、

    甘い香りを放つ男の子になった。




    周りに誰もいないことを確かめて、両腕で私を隠すように包んだ龍神は、素早く唇を奪う。

    ″奪う″という言葉がピッタリなほど、

    一瞬のキスだった。




    「……そろそろ行かなきゃな」

    そして、
    名残惜しそうに、おでこをくっつけたまま腕時計を見て呟やいた。



    「私も、補習に行かんば」


    そして、
    雨が降りそうな空の下、精霊船を倉庫に運んで、二人で家を出た。






    【好きー私達はいつもここにいたー】より

    きゅん

    5

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  3. 車から足が出ていかない。

    --小学生の頃。
    駐車場で、なかなか車から降りない子供を、一生懸命説得しているお母さんと、先生の姿をたまに見かけたっけ。

    『○○ちゃん、少しだけでよかけん、給食だけでもよかけん、でておいで』

    『保健室でもいいから』


    朝から来て、一時間目が終わっても、その子供は泣きながらも車から降りられずに、先生を困らせていた。

    その子のこと可哀想だなって思ったけど、お母さん、大変だなって小学生だけど、思ってた。

    私、今、同じ事してる。

    わかっているのに、皆が集まるあの場所へ降り立つ事ができない。


    ″ここに摘鳴さんの居場所はなかよ″

    ″帰れヲタク″ ″2度と来んな″


    あそこで呼吸すらできるか、自信がない。

    龍神はおろか、好きな人の親の前で見せたくないのに、意思では止められない 惨めな涙が汚く頬を濡らしていく。


    「父さん、先に行って」

    【好き】より

    きゅん

    7

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  4. 子供部屋の窓から抜け出て龍神の元へと忍び寄る。

    「本当に出てくるとは思わなかった」


    無責任な事をいいつつも、楽しそうに笑う龍神の顔をみて、一階で良かったなと思った。

    「寒かね、昼間は暑いくらいとに」

    「お前、薄着やもん」

    震えの止まらない私に、龍神は薄手の上着を羽織わせてくれようとする。


    「よ、よかよ!龍神シャツ1枚になるたい!」

    「俺はバカだから風邪引かないんだよ」

    「私も負けない位バカやけど」

    「お前が鼻水垂らしてるの見た事あるからバカじゃないよ、ほら」

    拒否する私に強引に腕を通させ、

    「あ…ありがと……龍神は家に帰りづらいと?」

    それでも震えの止まらない私の体を、

    「外の方が落ち着くから」

    背後から抱き締めて、
    まだシャツに残る温もりと、夜の闇にも響き渡る声で、抱える切なさを話してくれた。

    「俺は、高校辞めて東京に行こうと思う」

    【好き】より

    きゅん

    8

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  5. 龍神は大事にしたいと言ってくれたけど、恋するのも遠恋するのも当然、私は初めてで。

    「本気でいってんの?」

    元カノとどれくらいの関係だったのか聞いた事もないけど、

    「うん、キスだけじゃ龍神の心、繋ぎ止めておけん気がするから」

    「なんかそれ、俺的に微妙なんですけど」

    「だって龍神も男の子やもん」


    キス以上の繋がりが、今、ほしいと思ったの。


    「折角、綺麗ににスタイリングしたのに崩れちゃうぞ?」

    少し困った顔を見せていた龍神も、

    「そしたらまた綺麗にして」

    大胆に龍神に抱きつくと、

    「いつからこんな大胆な女の子になったんだよ?」

    その倍の力で、私の体を抱き締めてきた。

    「本当に…知らないぞ?」

    硬い龍神の胸元。その感触だけで幸せを噛み締める事ができる。

    「ううん、知りたいと」

    溢れ出す物を止められないかのように、
    龍神は私の唇や頬にキスを落とした

    【好き】より

    きゅん

    13

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  6. 「やっぱJR混んでるな」

    本当はバイクで来たかったという龍神は、混雑した車内でやっぱり光っていた。


    「私はバイクでもよかったとけど……」

    「自転車の2ケツもビビってるのに、お前振り落とされちまうだろ」



    高校生の女の子や、
    OLらしき女性も、手すりに掴まりながら龍神の方をチラチラ見ていた。



    「やっぱり、龍神くんて目立つよね」

    「……そ?だけど、今見られてるのは輝子だぞ」


    「え」


    こちらを見つめる女子高生グループに再度視線を移すと、





    「彼女もバリ可愛いかぁ!」

    「モデルごた!※」

    「似合っとる、あの二人」


    目の会った女の子たちから黄色い声が聞こえて、

    「な?」

    龍神が、また満足げに私の顔を見る。



    「……龍神くんのセンスが良かから……」



    照れ臭くて、下を向くしかなかった。




    ――″彼女″




    彼女に間違えられた。

    きゅん

    7

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