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  2. 俺の腕の中でわんわん泣く幼なじみの生野は、昔と同じ小さな子供みたいだ。


    「…ずっとお前ばっかり守るわけにはいかないんだよ」

    言い聞かせるように声を和らげた。

    好きな女が出来たというだけで、嫌いになったわけじゃない。

    止まらない嗚咽で苦しそうにしながら、生野は泣き腫らした目を俺に向ける。


    「じゃうちを海也くんの彼女にして」

    「え?」

    「守ってくれなくていい、ずっと側にいられる彼女にしてよ」


    子供だと思っていた生野が、ふっと大人のような顔に変わった。


    「それが無理なら…一回でいいから、うちにキスして」

    「…な」

    想定外の願いに心臓がバクバクいい始める。

    「オデコとか頬じゃなくてちゃんと唇にキスしてよ」


    そう言って、瞼を閉じる生野の姿は、同級生の北川よりもずっと大人っぽく、艶やかかで…そして愛らしく見えた。


    【指先からwas唇からlove】完

    きゅん

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