ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 俺の腕の中でわんわん泣く幼なじみの生野は、昔と同じ小さな子供みたいだ。


    「…ずっとお前ばっかり守るわけにはいかないんだよ」

    言い聞かせるように声を和らげた。

    好きな女が出来たというだけで、嫌いになったわけじゃない。

    止まらない嗚咽で苦しそうにしながら、生野は泣き腫らした目を俺に向ける。


    「じゃうちを海也くんの彼女にして」

    「え?」

    「守ってくれなくていい、ずっと側にいられる彼女にしてよ」


    子供だと思っていた生野が、ふっと大人のような顔に変わった。


    「それが無理なら…一回でいいから、うちにキスして」

    「…な」

    想定外の願いに心臓がバクバクいい始める。

    「オデコとか頬じゃなくてちゃんと唇にキスしてよ」


    そう言って、瞼を閉じる生野の姿は、同級生の北川よりもずっと大人っぽく、艶やかかで…そして愛らしく見えた。


    【指先からwas唇からlove】完

    きゅん

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  3. 教室の前ですれ違ったセーラー服の女に思わず見とれてしまった。

    真っ白な肌に、赤みの強い唇。
    紺色のセーラー服。
    小さい時に映画で観た白雪姫みたいだなって。
    あっちも俺を振り反り目が合ってだけど直ぐにそらされてしまった。


    「転校生だよ。緒先さん」

    一ノ瀬が隣の席らしく誇らしげに教えてくれた。

    「ふぅん、下の名前は?」

    女子の下の名前とか今まで知りたいとか思った事なかったのに、不思議だった。

    「緒先遥香」

    一ノ瀬が、あの子の名前をちょっと照れたように口にした。
    その時から、わかってた。
    こいつも転校生の事気に入ってるって。


    「海也くんの組に転校生来たでしょ?!
    めっちゃキレイな人」

    女の生野がそう言うくらいだから緒先は類い稀なタイプなのかもしれない。

    そんな皆の憧れる転校生とこの俺が仲良くなれるなんて、全然思ってなかった。

    【指先からwas唇からlove】

    きゅん

    8

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