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  2. 「…なにしてんの」
    ふと声が聞こえて振り返れば、部活のはずのあいつがドアに寄りかかるようにして私を見ている。
    「べ、べつに」
    実はチョコを待ってる…なんて言えない。
    「…バーカ」
    そう言って空笑いする蓮は嫌い。
    「で?好きな人誰だよ」
    「…両思いではない」
    …気づけよバカ。蓮だよ。
    「はっ、だろーな。モテねえもんなお前。」
    「言わなくてもいいじゃん」
    蓮は少し怠そうに歩み寄ってきて、どさっと前の椅子に反対向きに座る。
    長い睫毛が縁取る切り長の瞳が、蓮の全てが…っ私をおかしくさせる。
    「帰ってれば?」
    「んでだよ」
    「…」
    「まだわかんねーのかよ」
    わかんないのはそっち…
    「…ん」
    え…目の前に現れた箱。
    「クラスの余り物」
    「え…?」
    ぐいっと押し付けられる。
    「はあー…気づけよ」
    「…っ?」
    「…好きで悪いかよ」
    そう言って蓮はくしゃっと髪をいじる。
    「俺だけはお前を見てるっつってんの」

    きゅん

    22

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  3. 無人の教室。自分の席に座って机に突っ伏す。結局、渡すことができなかった。臆病者の私にとって、やっぱり大それたことだったのだ。

    「何してんの」

    一瞬、夢を見ているのかと思った。怖くて、顔を上げられない。近付く足音。

    「あ、わかった。バレンタインのチョコ渡そうとしたけど勇気が出なかったパターンだ」

    そうです、その通りです。その相手がきみです。でもそんなこと、口に出して言えるわけがない。私は臆病だから。

    「俺さ、今日たくさんチョコもらったんだけどさ」

    知ってます。きみは人気者だから。臆病者と人気者、私ときみはあまりにもかけ離れている。

    「一番もらいたい人からはもらえなかった」

    「…そうなんだ」

    「だけど目の前にいるんだよね。しかもチョコを持て余した様子で」

    言葉の意味を理解するのに時間がかかった。

    「なん、で、私…?」

    「何でって、気になる子だから。他に理由なんて無いよ」

    きゅん

    4

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  4. あーあ…今日は2月14日だな…
    バレンタイン俺嫌いなんだよ。
    甘い物好きじゃねーし
    好きなやつ以外は貰わねー事にしてる。
    好きな人いたのかって?
    …ああ、居るよ。
    そいつは気づかねーけどな。
    ずっと一緒にいたはずなのにな…
    は?!お前なんで泣きそうになってんだよ!
    …その手に持ってるのってバレンタインチョコ?
    もしかして俺に?
    …受け取らねー訳ねーだろ…
    食ってもいい?

    …美味い。俺が好きなビターチョコで出来てる。
    毎年お前くれねーから寂しかったんだぞ?
    は?好きな奴?ここまできて気づかねーとか鈍感かよ…
    …お前だよ。俺が好きな奴は今俺の目の前にいるお前だよ。
    チョコがもし義理チョコだったとしても俺は嬉しいんだよ…
    だからさ…もう泣くなって。

    きゅん

    6

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  5. 教室の後ろにあるドアが、がらりと開いた。

    「おっす、千津(ちづ)」

    今日一番会いたくない人ーー幼なじみの、亜祐汰だった。

    「こんな日まで勉強かよ」

    「こんな日?」

    あくまで冷静にとぼける。亜祐汰はため息をつきながら、「バレンタインだろうが」と呆れたようにぼやいた。

    「ほんと興味ねぇよな、そういうの。てか聞いてよ。俺の下駄箱にさ、入ってたんだよ」

    「何が」

    「何がって、チョコだよ。…でもさぁ、誰がくれたのか分かんねぇんだよなー」

    色恋に関心がない人間、そしてただの幼なじみーー私のことを亜祐汰はそう見なしている。

    だから、面と向かってチョコを渡すことなんて、私にはできなかった。

    でも、渡したかったのだ。

    「なぁ、俺に気がある奴って誰だと思う?」

    嬉しそうに尋ねてくる亜祐汰に罪はないけれど、思わず睨んでしまった。

    「…知らない。自分で考えれば?」

    きゅん

    5

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