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  2. 「ねえ、わたし、前もこうして手をつないだことあるの?」


    坂の多い港町で、4年ぶり。

    再会したあんたは記憶を失って、違う誰かになってた。


    「手ぐらい、当たり前だろ」


    ちょっと嘘。

    2回しかない。


    おれとあんた、2人きりの思い出だった。

    あんたはそれを失って。

    今は、おれだけが覚えてる。


    あんたがおれを見上げて小首をかしげた。


    「わたしのこと教えて?」


    そうだね。

    あんたが訊いて、おれが教えて。

    そしたら、思い出はまた、おれとあんただけのものになる。


    「いいよ」


    あんたはおれに2度目の初恋をする。

    待つよ。

    あんたの気持ちがおれに追いつくまで。


    おれが立ち止まって、あんたも足を止めた。

    不思議そうなあんたの額にキスを落とす。

    一瞬で赤くなるのが、かわいすぎて。


    やっぱり、あんまり待たせないでくれる?

    抑えておくの大変なんだから。

    きゅん

    23

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