ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

  1. 2件ヒットしました

  2. 「ほら、行けって」

    私の腕を引っ張り、倉庫から追い出そうとする。

    「いや!行かんよ…」

    龍神の判断は大体いつも正しい。


    「は? 家の主が出ていけって言ってんのに、拒む権利なんかお前にはねぇよ」


    だけど、いつも、一人で決めて、私に悩む姿やその過程を見せてくれない。


    「ここからも出ていかんし、いくら考えても、東京には行かんよ」


    私に弱さを見せてくれない。


    「輝子…」


    今、離れたら、

    「私は、龍神のそばから離れるなんて、
    絶対にできん…」


    あなたと、元カノのように、いつか終わりが来てしまう。


    「だから、ここから放り出さんで」


    光が少しだけ差し込む倉庫。

    蒸せるような暑さの中で、
    すがるように、龍神の身体に抱きついた。

    「前も言ったような気がするけど俺を信じ過ぎるなよ。今の俺……抑えつかない」

    「……え」

    「俺も男なんだよ」


    【好き】より

    きゅん

    12

    有月 海光さんをフォロー

    通報する

  3. 子供部屋の窓から抜け出て龍神の元へと忍び寄る。

    「本当に出てくるとは思わなかった」


    無責任な事をいいつつも、楽しそうに笑う龍神の顔をみて、一階で良かったなと思った。

    「寒かね、昼間は暑いくらいとに」

    「お前、薄着やもん」

    震えの止まらない私に、龍神は薄手の上着を羽織わせてくれようとする。


    「よ、よかよ!龍神シャツ1枚になるたい!」

    「俺はバカだから風邪引かないんだよ」

    「私も負けない位バカやけど」

    「お前が鼻水垂らしてるの見た事あるからバカじゃないよ、ほら」

    拒否する私に強引に腕を通させ、

    「あ…ありがと……龍神は家に帰りづらいと?」

    それでも震えの止まらない私の体を、

    「外の方が落ち着くから」

    背後から抱き締めて、
    まだシャツに残る温もりと、夜の闇にも響き渡る声で、抱える切なさを話してくれた。

    「俺は、高校辞めて東京に行こうと思う」

    【好き】より

    きゅん

    8

    有月 海光さんをフォロー

    通報する

▲