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  2. おれの家は山手のほうにあって、学校がある街より寒い。

    当然ながら、防寒具を完全装備。

    バスセンターから学校へ歩く間に、駅から来るおまえと合流する。


    「おまえ、またマフラーしてねぇの?」


    「バタバタしてて忘れたー。貸して」


    「引っ張んな。首が絞まる」


    マフラーをほどいて渡したら、おまえは嬉しそうに首に巻く。

    なついた子犬に首輪をつける気分、とか思ってみる。

    おまえの小さな手が寒そうに赤くなってる。

    おれは片方の手袋を外した。


    「こっち、手袋貸す」


    「ありがと」


    「もう片方は、こうすりゃいいだろ」


    冷えた手をギュッと握って、おれのコートのポケットへ突っ込んだ。

    温かいってか、顔が熱い。


    「……ねえ、ほんとはあたし、マフラーも手袋も持ってる」


    「知ってる。あざといよな、おまえ」


    「ごめん」


    「乗ってやるおれもバカだけど、もう手遅れだし」

    きゅん

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