ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「なぁ……知ってるか?」

    「何をよ?」


     遅い帰り道、部活仲間の山田が、神妙な面持ちで訊いてきた。


    「この時間の、この道……出るってよ」

    「で、出る!?」


     『出る』というフレーズに弱い私は、一気に背筋を凍らした。


    「何が出るかというと……」

    「う……うん……」

    「お前の後ろっ!!」

    「っ、ぎゃーーっ!!」


     すっ飛んで目の前の物にしがみついた。

     やだやだやだー!!取り付かれちゃうー!!


    「……おいこら。なんで電柱に抱きつく?」

    「だ、だって……」

    「そこは、そばにいる俺に抱きつくんじゃねぇの?」

    「は?山田に?」

    「そうだよ。それを期待して怖がらせたのに」

    「な……ひどい!からかうなんて!」

    「好きなヤツはからかいたくなるもんだ。許せ」

    「……ゆ……許さないっ」


     ダメだよ、私。今のもからかってるだけなんだから、揺らいじゃダメっ。

    きゅん

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  3. 真夜中、松井くんと手を繋いで歩く。
    さっきまさくんとお別れをしてきた。

    松井くんは何も言わずに後ろを歩いている。
    頭の中で、まさくんとの思い出がつぎつぎと蘇っては褪せていく。

    『好きだよ、椿』

    まさくんが付き合おうと言ってくれた日を思い出して、涙が出てきた。
    嘘つき……。
    わたしは涙が溢れないように上を向いた。
    すると空いっぱいに輝く星が見えて、わたしの中に光が灯る。

    『椿さん。僕の彼女になってよ』

    何で今まで気づかなかったんだろう。
    ずっとわたしを想い続けてくれた人がいたこと。

    (松井くん。ありがとう)

    心の中でそっと呟いた。
    今は涙を見られたくないから言えない。
    後で涙が引っ込んだらちゃんと伝えよう。

    きゅん

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