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  2. 「暑いね」
    そう言って笑い、汗を拭った好きな人。


    千明先輩は片思い中の相手、そんな人が今、私の隣にいる。


    時折、幼い笑顔を向けられると
    私の顔は熱を持ち、心拍数が騒ぐように早くなる。


    「人が多くなってきたね」
    そろそろ花火が始まる時間で、人の流れが複雑になっていく。


    「あっ!」
    人の波に流されそうになり前を行く先輩の背中が少しずつ離れかけた、が。


    「大丈夫?」


    手を繋がれ、離れちゃダメだよと笑われる
    そのまま人の少ない公園に移動して、空いていたベンチに座った。


    もちろん、手は繋いだまま


    互いに話すわけでもなく
    手を繋いだまま心地の良い時間が流れて、ヒューッと花火が打ち上がる音が響いた


    「結ちゃん、こっち向いて」

    先輩の熱を帯びた瞳と目が合うと
    夜空に光が咲いて、私達の影の距離は0になる。



    「暑いね」


    そう言って笑う先輩は大人びて見えた。

    きゅん

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  3. 「暗くなる前にかえんねーと。」
    悠はそう言って髪をくしゃっと触る。そして振り返った悠と視線が交差する。お互い何も話さない。夕焼けで赤く染められた悠の顔はいつになくカッコよく見えた。夏の夜のそよ風が優しくわたし達の間を通り抜ける。悠は少し視線をずらした。
    「今日のお前…なんか違うな」
    「えっ」
    普段は着ないような淡い桃色のワンピースが風で揺れる。短いくせ毛の髪が頰に当たる。
    「変…だよね」
    そう言ってうつむけば、悠がため息をつく。
    「バーカ。かわいいっつってんの」
    「えっ?」
    今度こそ素っ頓狂な声を上げる。
    「無自覚」
    「へ?」
    「ああもういい。ただ、今日の穂花は大人っぽくて綺麗ってだけ」
    そう言って悠は照れているのか頰を膨らましてそっぽを向く。わたしも恥ずかしさが伝染してボンっと赤くなる。今日の悠は変だ。
    「穂花」
    「うん?」
    「なんでもない」
    頰を赤くしている悠は、やっぱりちょっと変だ。

    きゅん

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