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  2. おれがマジックを始めたのは10年前。

    きみと仲良くなるためだった。


    今でも、おれときみの関係は変わってない。

    昼休みの教室でショータイム。


    「選んだカード、これだろ?」


    おれは自分の唇を指差す。

    ニッと笑ってみせながら、四つ折りにしたカードを口から取り出した。

    開いてみれば、ハートのA。

    きみが選んだカードだ。


    「マジシャンは魔法の口と舌を持ってるからね。

    カードでも万国旗でも、何ならハトでも出せる」


    調子のいいセリフを唱えながら。

    おれはきみの唇を見つめてしまう。


    魔法の口と舌なんだよ。

    おれ、たぶん、キスうまいよ。

    試してみない?


    そんなこと言えるはずもなくて。


    「次、どんなマジックが見たい?」


    おれは、商売道具みたいな笑顔。


    この気持ちにはタネも仕掛けもないから、困ってる。

    どうやってきみの前に出してみせればいいんだろう?

    きゅん

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