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  1. 10件ヒットしました

  2. 生まれ育った町を離れたのが春で、いつの間にかもう冬だ。

    おれは、幼なじみとの約束を果たすために走っている。

    と、スマホに電話が来た。


    〈もしもし、今どこ?〉


    「もうすぐ着く!」


    〈あたしはツリーのとこにいるから〉


    「了解!」


    2人で目指してた高校にはクリスマスには大きなツリーが出て。

    ツリーには、一緒に見たら恋が叶うって噂があって。

    一緒に見ような、と言ったのは、中3だったおれの精いっぱいの告白で。


    約束果たしに来たよ。

    去年より勇気を出すよ。


    キラキラしたツリーの前でポツンと1人、立ってる後ろ姿。

    勢い余ってギュッと抱きしめる。


    「お待たせ! って、おまえ、こんなちっちゃかったっけ?」


    「あんたの背が伸びたんでしょ」


    違う制服、慣れない身長差、初めて見る髪型。

    でも、変わらない気持ち。


    「おれ、おまえのこと、ずっと好きだったんだ」

    きゅん

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  3. おれはクリスマスが嫌いだ。

    ツリーを横目ににらんでると、後輩が笑顔で飛んできた。


    「先輩、写真撮りませんか?」


    「チャラチャラしたノリは苦手だ」


    「でも、そのノリにもいいところがあってですね」


    いきなりプレゼントが差し出された。

    ずっと憧れてた老舗ブランドの万年筆。


    「何で?」


    「クリスマスだからです。先輩、誕生日を教えてくれないし」


    「……25日だよ、誕生日」


    だからクリスマスが嫌いなんだ。

    誰もおれのこと覚えてやしねえ。


    「明日!? プレゼント用意する暇ないです!」


    「いらね」


    「ダメです! お祝いします!」


    その瞬間、魔が差した。

    後輩の肩を抱き寄せて、チュッと音をたてて頬にキスをする。


    「な、ななな!?」


    「祝ってくれんだろ? 明日は唇な」


    体で払えって意味じゃなくて。

    ただ単純に、おまえがほしいって思ったんだ。

    きゅん

    60

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  4. 文芸部室に最終下校時刻まで残ってた。

    原稿を書いてたおれと、今月の編集係の先輩。


    「先輩、何で嬉しそうなの?」


    「だって、初めてあたしのほうが校了が早かったんだもん」


    わかってないね。

    おれ、わざと残ってたのに。


    「先輩、知ってる? ツリーの点灯、今日からなんだよ」


    言った瞬間、視界に入った。

    キラキラのツリー。

    好きな人と一緒に見たら恋が叶う、って噂がある。

    先輩の反応を試したいんだ。


    「ダ、ダメだよ! あたしなんかと見たら、きみの相手……」


    「それさ、先輩がおれのこと好きって意味? だって“恋が叶う”前提は“好きな人と一緒に見る”だよね?」


    ツリーのライトじゃ、先輩の頬が赤いかわからなくて。

    ねえ、だからハッキリ答えて。


    「先輩、やっぱ、おれのこと好きでしょ?」


    うなずいてくれたら、おれもちゃんと言うから。

    先輩のことが好き、って。

    きゅん

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  5. 冬は自殺者が増えるから忙しい。

    特に、年の瀬。

    大掃除のノリで自分の命までキレイさっぱり、って。


    「やめろよな。

    死神稼業が死ぬほど忙しいこの時期に。

    ふられた腹いせって、短絡的すぎ」


    輪にしたロープに首を突っ込もうとしてたあんたが、目を見張った。

    クリスマスツリーで首吊りとか斬新だな。


    「初めての人だったの。

    わたし、初めての人に自分の人生全部あげようと決めてたのに」


    「初めてってのはブランドだが。

    おれは、最後ってブランドのほうが価値あると思うね」


    「え?」


    「惚れた女の最後の男になりたい。

    ま、人の命の最後をかっさらう死神だから、余計にそう思うんだが」


    おれは鎌でロープを切り落とした。

    ぽかんとするあんたの手を握る。


    「ケーキおごってやるから付き合え」


    メリークリスマスって言ってみたいんだよ。

    かわいい女の子とケーキ食いながら。

    きゅん

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  6. 好きな人には、好きな人がいて。

    おれはずっと恋の相談役。

    きみが彼と付き合い始めて、そろそろ3ヶ月だっけ?


    イルミネーションが、目に刺さるくらい明るい。

    あれ?

    ツリーのそばでうずくまってるのは、きみだ。


    「どした? 彼氏は?」


    「ケンカした。

    浮気、ほんとだった。

    あたし、そんなに魅力ないかな?」


    「あるよ、魅力」


    「ありがと……でも、ごめん。

    今は、なぐさめてくれなくていい」


    「なぐさめじゃなくて、本心。

    きみのことをちゃんと見ないような男、もうやめなよ」


    「え?」


    きみを抱き寄せて、胸の中に閉じ込める。

    ずっとずっと、こうしたいと思ってた。


    「相談相手の優しい男なんて役、もうイヤだ。

    悪いやつでいいよ。

    きみが好きだ。

    おれの彼女になって。

    絶対、笑顔にしてあげるから」


    きみを奪いたい。

    おれに、さらわれてください。

    きゅん

    25

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  7. 先輩がおれの彼女になってくれてから、約1ヶ月半。

    クリスマスは先輩の誕生日でもある。

    ツリーを眺めながら、おれは先輩に訊いてみた。


    「プレゼント、リクエストしてもらえませんか?」


    先輩が、バッグに付けてた髪飾りを外した。

    赤いリボンの、パチンッて留めるタイプのやつ。


    「かがんで」


    「はい?」


    パチンッて音。

    おれの髪にリボン。


    「プレゼント完成!

    これがほしい」


    「な、何言ってるんですか!

    プレゼントがおれって……せ、先輩」


    「先輩って呼ぶの、やめようね。

    ですます調も卒業して」


    先輩呼びも、ですます調も、ストッパーだ。

    外したらヤバいのにな。


    「このプレゼント、危険物だよ?

    受取主を食っちゃうけど?」


    満足そうに照れた笑顔が、おれを見上げてる。


    「おいしくいただいてくれる?」


    もう絶対、世界一おいしいに決まってる。

    きゅん

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  8. 同級生に告白した。

    即答してもらえなかった。

    あーダメだなってわかった。


    おれはこの際、スパッと振ってほしくて。

    断りやすいように条件を出した。

    OKしてくれるなら午後7時までにツリーのとこに来て、って。


    おれはツリーに背を向けて、長くて白い息を吐いた。


    「やっぱダメだったな。

    まあ、スッキリした」


    おれの隣には、なぜか幼なじみがいる。

    からかいに来たんだろな、こいつ。


    「失恋おめでとー」


    「うっせ」


    「かわいそうなきみに、サンタさんからのプレゼントだよ。

    あたしがきみの彼女になってあげる」


    「……は?」


    「あたしじゃダメですか?

    ずっと好きでした」


    不安そうな真顔。

    いつの間に、こいつ、こんなきれいになったんだ?

    女なんだって、初めて意識した。

    その途端、ドキドキしてきて。


    「付き合ってみるか?」


    新しい恋が始まった。

    きゅん

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  9. 去年のクリスマスの朝。

    電車を待つ人々がざわめいた。

    列の先頭に立ってた同じ学校の女の子が、急に倒れて、線路へ落ちた。


    迫る電車の、悲鳴みたいな急ブレーキ。

    彼女は線路の上から動けない。


    おれは、無我夢中だった。

    線路に飛び降りる。

    彼女を抱えて、ホーム下のくぼみに引っ張り込む。


    止まりきれない電車が、ホームへ。

    おれの目の前に、車輪。

    腕の中で、彼女はガタガタ震えてた。


    「あれから1年だね」


    ツリーの前で、きみはおれを振り返る。

    頑張りすぎるきみは、あの朝も、模試の勉強の徹夜明けだった。


    「2度と繰り返すなよ。

    まあ、おれが一生、見張っとくけど」


    「よろしくね」


    ツリーを見上げて手をつなぐ。

    運命って、あると思う。

    きっと、おれはきみを守るために生まれてきた。


    「好きだよ」


    うん、と応えてくれる笑顔を、ずっと守っていきたい。

    きゅん

    22

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  10. 小学校の高学年まで、おまえはサンタさんを信じてた。

    もちろん、おれはからかいまくってて。


    「信じたいんだもん……」


    涙目のおまえ見て、ごめんとも思ったけど。

    かわいいから、やっぱ、いじめたくなってた。

    そんなおれらも高校生だ。


    「今年もおまえんとこにはサンタさん来るのか?」


    「バカにしないでって、何回言ったらわかるの!?」


    うん、毎年それ言わせた。

    今回までだ。

    好きな子ほどいじめたいっていうガキんちょ思考、卒業するから。


    「サンタって、北国からトナカイのソリで来るんじゃなくて。

    おまえんちの隣から走ってくるやつでもいい?

    そういうサンタなら心当たりあるんだけど」


    「え?」


    どんなもん喜ぶか、いまいちわかんないけど。

    今年初仕事のサンタだから許せよ。


    「おれがおまえのサンタになりたい。

    今年から、ずっと、一生。

    おまえのこと、好きだ」

    きゅん

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  11. 「綺麗」

    私、瑠々、高3。今日は高1の時から付き合ってる幼なじみの悠とツリー前で待ち合わせ♪

    「お待たせ!瑠々待った?」

    「ううん、さっき来たばっかだから」

    ギュッ

    「え?」

    「寒いから...」

    悠は照れ屋のくせに恥ずかしがらせるのが得意
    本人自覚してないけどね

    「あのさ、今日は渡したいものがあって」

    渡したいもの?クリスマスプレゼントとか?

    「もうすぐ卒業だろ、俺は就職、瑠々は進学
    別の道を歩いていく」

    え?何...別れ話?そんなのやだよ!

    「人の話を聞けよ、だから瑠々が大学出たら結婚してくれませんか?」

    「へ?あ、えと私でよければ…///」

    「プレゼントはこれ」

    「指輪?」

    「おう!」

    悠大好き
    私もずっと一緒にいたいって思ってる
    悠、これからもこんな私をよろしくね

    きゅん

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