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  2. 「先輩、先輩」

    "大好きです"
    伝えたい想いを心に秘めながら、大きな背中に向かって声をかける。
    くるりと振り向いた先輩は、お散歩をねだる子犬のような、可愛らしい表情をした。

    「なに?」
    「チョコレートもらいました?」
    「……ううん」

    先輩のこと狙ってる女子は多いのに。意外。

    「そうなんですね。私はほしいです。食べたいです」
    「……バカ?」

    今、バカって言われる要素あったかな?

    「……そこは、『私があげましょうか』とか言ってほしいんだけど」

    私の髪をわしゃわしゃしながら言う。

    「チョコレートは、もらったよ。……でも、君からもらいたくて嘘ついたのに」

    体温の上がった私に、先輩は追い撃ちをかけてくる。

    「好きな人からもらえなきゃ、意味ない」

    私の頬を、先輩の手のひらが優しくなでる。

    後ろ手に隠し持っていた、手作りチョコレート。
    渡さない、という選択肢は、ないみたいだ。

    きゅん

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