ようこそゲストさん
-
キーワードか作家名を入力してね
1件ヒットしました
秋。色んな人を巻き込んだ夫婦喧嘩を終え、私達はプライベートパークに遊びに来ていた。
「凄いね、ここ」
「祖父が妻と過ごす為に作ったそうだよ」
「…家族の為じゃなく?」
「ためじゃなく」
「そこは嘘でもいいから、家族の為だって言ってほしいよね」
「俺の先祖だぞ?有り得ねぇ」
堂々と言ってのける夫に膝を差し出し、私は紅葉が舞い散る下で遠くで走り回る子供たちを見た。
「相馬も遊べば?」
「お前と二人で過ごしたいから、いーの」
「…良くないでしょ」
「おい、一ヶ月ぶりだぞ?夫を甘やかせ」
「え、やだ」
「お前はそういうやつだもんな…」
「逆に、何を私に期待してるの?」
「いや…別に」
黄金彩られた紅の中。
「なぁ、沙耶。今なら生まれてきて良かったと思えるか?」
私の夫は、私に訊ねる。
「そうね…」
生きているのが辛かった日々は嘘のように。
私の日々は満ち足りて。
「今は…」
物語は今日も続いてく。
神楽夜翠さんをフォロー
きゅんができる!
&イケメンGET♥
本当に解除しますか?