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  2. 好きな人が泣いてる姿は痛くて、胸に刺さるみたいで。

    なのに、おれ、無力でごめんな。


    「甘いもの、好きか?」


    おまえのこと独りにできなくて、家に連れてきた。

    家っつっても、喫茶店。

    タバコの匂いと、今日のBGMはバッハ。


    「うん」


    うなずいた拍子に、また、おまえの目から涙がこぼれる。

    思わず指先で涙を受け止めたら、もっとぽろぽろ泣き出した。


    「ちょっと、待ってろ。ココア、淹れてくる」


    「うん……」


    おまえは泣きながらノートにペンを走らせて、悲しみの歌を書いてる。

    その姿に、おれは見惚れてた。

    儚くて、きれいで。


    「でも、笑うほうがいいかな」


    「え……?」


    「おまえ、笑顔のほうがかわいいから。明日笑えるように、今日は思いっきり泣けよ」


    泣き笑いでうなずくおまえの髪を、そっと撫でてみる。

    おれも笑顔は下手くそだけど、明日は一緒に笑うから。

    きゅん

    20

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