ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

  1. 1件ヒットしました

  2. ネットの向こう側にいる女の子を好きになった。

    そいつは歌い手で、おれが書いた曲に詞を載せて歌ってくれる。


    〈どうしたの? 手が止まってるよ?〉


    パソコンの画面に現れる文字。

    ハンドルネームと歌ってる声しか知らない。

    本名もしゃべり方も知らない。


    〈新曲の打ち合わせ、直接会って話したい〉


    〈文字で会話するほうが、話の履歴が見直せるから便利だよ〉


    〈そういう意味じゃなくて〉


    顔、見たい。

    触れてみたい。


    〈わたしはこのままでいい。会ったら幻滅されそう〉


    〈しねーよ。会いたいんだよ〉


    〈いつか、ね。打ち合わせの続き、やろう?〉


    いつも、はぐらかされる。

    直接会えるなら、逃がさないのに。


    〈会いたい。おまえが好きだから〉


    文字で書いても、この胸の熱が伝わる気がしない。

    でも、履歴、見直せるだろ?

    見直すたびに何度でも思い出させてやるよ。

    きゅん

    52

    氷川マサトさんをフォロー

    通報する

▲