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  2. 思いきって誘ってみた花火大会。

    おまえは二つ返事でOKしてくれた。

    浴衣姿で待ち合わせして、人混みをぬって歩き出す。


    「和服が似合う男子って、ずるいよー」


    半歩後ろのおまえは冗談っぽく言ってくる。

    ちゃんと振り返れないおれは、ヘタレだ。

    おまえのほうが似合ってんだよ、バカ。


    「和服は着慣れてる。おれ、剣道部だぞ」


    「道着と浴衣は違うじゃん。色気とか」


    「そんなもん、なくていい」


    と、座れそうなベンチを見付けた。

    おまえの手首をつかんで、人混みから外れる。


    「ここに座るの? 花火、見えにくいよ」


    「足、下駄のせいで痛いんだろ。無理に歩くな」


    歩けないほど痛いなら、帰りは背負ってやっていい。

    隣同士で腰掛けて、つかんだ手首を離せなくて。


    「ねえ、」


    「なあ、」


    たぶん同じことを言おうとした瞬間に、空に花が咲いて、ドンと大きな音がした。

    きゅん

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