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  2. あいつの誕生日、いつだろ?

    ふとそんなことを思った、3月初めのある日。

    ちょっと寒い日だったのに、あいつは手袋をしてなかった。


    「手、冷たいの?」


    「うん……」


    下心っていうか。

    チャンスだって思って。


    「じゃあ、手、出しなよ」


    臆病そうな手をつかんだ。

    逃げられないように、ギュッと。

    そのまま学ランのポケットの中に連れ込む。


    大胆なことしてる。

    もっと大胆になってみたい。

    いろいろ訊きたいし言いたいし。

    あんたの誕生日、おれに独占させろ、とか。


    できるわけなくて。


    「手、あったかいね」


    あいつの手は冷たかった。


    「心が冷たいから、手はあったかいの」


    あいつがくすっと笑った。

    その笑顔、おれの前だけにしといて。

    あんたのこと特別なんだ。

    つないだ手、ずっと離したくないくらい、特別だから。


    うまく言えないけど、すごい好き。

    きゅん

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