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  2. 「好きだ」


    おれは、うつむくあんたのあごに指を添える。

    そっと上を向かせて。

    おれの瞳であんたの視線をつなぎ止めて。


    「おれはあんたのことが好きだ」


    何度だって繰り返していい。

    こんなに確かな真実、ほかにないから。


    「あんたのことも、あんたが弾くピアノも、全部好きだ。

    おれのそばにいろよ。

    絶対、ずっと、おれがあんたを守るから」


    頬を真っ赤に染めたあんたが、小さな唇を開いた。

    わたしも好き、と。

    吐息のような声が聞こえた。


    おれは、その唇に吸い寄せられて。

    あんたがまつげを伏せる。

    唇が、近付く。


    ──そこで目が覚めた。


    「最悪……」


    ひとりベッドの上で額を押さえる。

    4年も前のことなのに、まだ夢に見る。

    後悔の夢。


    好きと言えなかった。

    あんたは、おれに黙って、転校していった。


    会いたい。

    悔しい。

    今でも好きだ。

    きゅん

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