ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 17件ヒットしました

  2. 頭にそっとのった手は、優しくて、大きかった。

    男の子は、いつの間にこんなに手が大きくなるのだろう?

    お父さんみたいだ。


    保育所に通っているときは、『ママ、ママ』とよく泣いていた君の頭を、よしよししてあげてたのにな。

    気づいたら、ぐんと大きくなってしまって、視線が高くなって、私とは別の景色を見ている。

    少し、おいてけぼりをくった気持ちだよ。

    そんな気持ちなときに、頭ぽんぽん。

    大丈夫。
    置いていかないよ、と言ってくれているようで、嬉しかった。

    きゅん

    2

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  3. 白と黒の世界。
    そこに僕と彼女はいる。

    去年の文化祭の時に囲碁入門講座をした。
    その時にこの囲碁同好会に入ってくれたのが、彼女だ。

    初めは単純にメンバーが増えたのが嬉しかった。

    全くの初心者である彼女だが、教えたことを素直に聞いて、どんどん吸収していく。
    教えがいがある、くらいしか思ってなかった。

    だけど……。


    毎日、彼女と囲碁を打つのが楽しみなっているのに気づいた。

    このまま、ずっと打っていたい。

    まっすぐに僕に向かってくる、彼女と。


    「あの、先輩、これ」
    と、彼女がおずおずと二つの巾着袋をくれた。

    なかを見ると、マーブルチョコの水色と茶色が入っていた。

    「白が入っていなくて水色で、黒の代わりに茶色ですが……」
    顔を真っ赤にして、彼女は言った。

    僕らしいチョコを選んでくれたと思うと、胸が熱くなった。

    「ありがとう。とても嬉しいよ」

    彼女の笑顔がまぶしかった。

    きゅん

    2

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  4. 白と黒の世界。
    そこに私と先輩はいる。


    去年の文化祭の時に興味を持ち、囲碁同好会に入った。

    先輩は丁寧にルールを教えてくれた。

    ルール自体はそんなに多くないし、すぐ覚えられた。
    でも、実際に打つことになると難しい。

    囲碁は、どれだけ陣地を広げられるか、とういゲームだ。全部を奪おうという考えではやらない。
    あっちは、あなたにあげる。
    こっちは私がもらうね、と、陣地を分け合うゲームだ。


    中には、全部根こそぎ捕ろうという人もいる。
    でも、先輩は違う。
    楽しく打てるように、陣地をくれる。
    だから、先輩と打つときは楽しい。


    囲碁は『手談』と言われる。
    言葉を交わさなくても、一局打つと心が通じ合うらしい。

    私はまだわからないけれど、先輩は私が考えていること、わかるのかな?

    ずっとこのまま、先輩と囲碁を打ちたい。

    いつもそんな気持ちで打っている気持ち、気づいているのかな?

    きゅん

    2

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  5. 私はこの学園で一番美しい。
    この美貌に、まいらない者はいない。

    バレンタインデーには、私の作った(選んだ)チョコレートをめぐって学園全体で争奪戦が開催される。


    「ここに、バレンタインデー チョコレート争奪戦を開催する!」


    開催宣言をすると、割れんばかりの喝采が起こった。

    何時間かかけて、いろんな競技をし、勝者を決めるらしい。
    皆、せいぜい頑張ってくれ。



    さて。


    開催宣言も終わったし、私の身代わりも置いたし。

    私は大好きなあの人の所へ向かおう♥

    目立たぬ様に男子の制服を着込む。

    髪はショートカットのウィッグにする。

    伊達眼鏡をつけて、完璧!



    唯一、私に興味を示さなかった男。
    将棋にしか興味のない男。


    まっておれ!
    必ず振り向かせてやる!

    『どうぶつしょうぎ』でルールは覚えたぞ!

    将棋の駒のチョコを胸に、駆け出した。

    きゅん

    3

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  6. その瞬間。
    チョコの味がした。


    ん?おかしいな。
    チョコを食べていたのは、目の前の先輩だったのに。


    バレンタインデー。

    勇気を振り絞って、憧れの先輩にチョコを渡した。

    その場で開けてくれて、チョコをおいしそうに食べてくれた。

    受け取ってくれただけでもうれしいのに、おいしそうに食べてくれた姿まで見ることができて、私は舞い上がってしまった。

    おもわず、

    「好きです」
    と言ってしまった。



    そしたら、先輩の顔が私の視界にいっぱいに近づいてきて……。


    「チョコもおいしいけど、こっちの方がもっと甘いな」
    と耳元でささやかれた。

    「マシュマロみたいだ」
    と、今度は下くちびるを甘噛みされた。


    わけのわからない状態の私を残して、
    「ごちそうさま」
    と、先輩は行ってしまった。


    あぁ、神様。
    これは、どういうことなのでしょうか?
    私は”つまみ食い”されただけなのでしょうか?

    きゅん

    10

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  7. 今年もチョコの時期がやってきた。

    この時期にしかゲットできないチョコが沢山あって、ワクワクする。

    同じクラスの男子の井上もチョコ好きだ。

    珍しいチョコをゲットしたいけれど、女子だらけの売り場に一人で行くのはしんどい、と言う。

    ……確かに。

    ならば一緒に行こう、と言うことになった。

    目立たない格好で行くと井上が言った。



    待ち合わせの場所。

    まだ、井上は来ていないようだ。

    「遅い!」
    と、そばにいた可愛い女の子が私に怒った。

    「もしかして……井上?」

    「そう」

    私より女の子らしい。

    ボーイッシュな格好できた私の方が男の子みたいだ。

    井上って、こんな綺麗な顔してたんだと、みとれてしまった。

    お陰で何の問題もなく、お目当てのチョコをゲットできた。

    「今日は本当にありがとう」
    と、レアなチョコを私にくれた。

    「ハッピーバレンタイン!」
    と井上が可愛く微笑んだ。

    きゅん

    6

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  8. 「お前、肌、がっさがさだなぁ。手入れなんてしたことないだろ?」
    と、幼なじみの、たくみが言った。

    乙女に対してそんなこと言う?
    まぁ、事実だけど。

    「化粧しろとは言ってない。スキンケアくらいはしたほうがいいんじゃないか?」

    たくみのお姉さんは、美容部員をしている。
    なので、いろいろと仕込まれているらしい。
    化粧品のサンプルとか、クラスの子に渡しているのを見たことがある。

    「よし、特別に俺がスキンケアのやり方を教えてやる」
    私の前髪をクリップでとめた。

    化粧水を手に取り温めてから私の顔をさわる。

    大きな暖かい手。

    人に顔を触られるのってあまりない。

    「こうやって、しばらく手のひらをのせておくと、化粧水が浸透していくんだ」

    あぁ気持ちいいなぁ。
    幸せだなぁ。


    と、いきなり顔を豚顔にされた。

    「何するのっ?」

    「あんな顔するなよ。思わずキスしそうになったじゃないかっ!」

    きゅん

    3

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  9. 「おはよう、今日も寒いですね」

    「さようなら、また明日です!」

    「おやすみなさい」

    いつもあなたに言っているよ(心の中で)

    強く強く心で願えば、いつかは気づいてもらえるかな?

    気づいてくれればいいのに。




    でも、わかっている。

    思いは外に出さないと届かない事を。

    口からだったり、

    手からだったり。




    告白するのは、とても勇気がいることだ。

    自分の思いを伝える勇気。

    相手からの答えを受け止める勇気。

    勇気を持って、動くのだ!

    自分で動かないと何も変わらない!



    だから、チョコレートのイベントの力を借りて、あなたに思いを伝えるよ。

    小さな小さな勇気を集めて……。




    「先輩っ!」

    きゅん

    5

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  10. 私は、何の取り柄もない女子高生だ。

    クラスの人気者でモノマネが上手な健太郎くんと、係で居残りしている時。

    私は何の特徴もなくて、嫌になる。とポロッと言ったら、

    「僕のモノマネレパートリー帳、見る?」
    と、一冊のノートを見せてくれた。

    ずらっと名前が書かれていた。
    いくつか披露してくれた。

    やはり面白い。

    次は誰のモノマネをしてもらおうか?
    とノートをみると、私の名前があった。

    「私の名前がある……」

    「……見る?」

    「……うん」

    特徴のない私をどう真似るのか。
    健太郎くんには、どう私が見えるのか。

    ……。

    確かに私だ……。

    驚いていると、

    「特徴のない人なんて、いないよ」
    と、健太郎くんが静かに言った。

    「自分では、なかなか気付かなかったりするけどね」
    と、私の目を真っ直ぐに見つめて言った。

    「僕は、いつも君を見ていたから。君のいいところを沢山知ってるよ」

    きゅん

    4

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  11. 「『鬼のパンツ』っていう曲、知ってる?」と、ダイスケが聞いてきた。
    「昨日ラジオから流れてきたんだ」

    保育士を目指している私にとって、簡単な質問だ。
    「もちろん知ってるよ」
    一番の歌詞を歌ってあげた。

    「変な曲だよなぁ。何で、あんな歌詞にしたんだろう?」
    と、真面目に考えているダイスケ。

    歌詞の意味や由来など考えたことがなかった。

    鬼のパンツは丈夫で、何年でも穿いていられので、みんなで穿こう! という内容だ。

    意味がわからない……。

    なぜ鬼なの? パンツなの?


    「節分用の歌を作りたかったからかなぁ?」

    「怖い鬼のイメージを変えたかったら?」

    「何かの比喩?」

    二人でいろいろと考えを出す。

    なかなかしっくりする答えがでない。

    「まぁ、俺はいらないな」
    と、結論。

    こんな、ナンセンスなことを真面目に考えるダイスケと一緒にいるのは楽しい。

    この時間を大切にしたいな。

    きゅん

    3

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  12. あっ、今日もいた!


    通学の電車にいる、他の学校の男の子。

    ものすごくカッコいい。

    特に背中が。

    正面からの顔をじっくり見たことはないのだけれど。

    背が高くて、背中が広い。



    数ヶ月前に同じ電車に乗るこの人に興味を持っている。


    今日こそは!

    と勇気を振り絞り、彼の隣が空いた瞬間に、さささと、つり革をつかむ。


    やっぱり大きい!

    どぎまぎしていると、急ブレーキがかかり、突っ込んでしまった!

    「あぶなかった! 君、大丈夫?」

    と、支えてくれた。

    初めて正面からじっくり彼の顔をみてしまい、あわてて次の駅で降りてしまった。


    ドストライクすぎて、心臓がばくばくしている。


    あぁ、明日あったらどんな顔すればわからない。

    あっ、まずはお礼を言おう。

    一歩前進だ!

    と、思わず緩む顔を1人たたいた。

    きゅん

    11

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  13. あなたの姿を見つけるたびに、うれしさと苦しさが、同時に私の心を襲う。



    あなたの

    笑顔

    集中している時の顔

    困っている顔

    みんな好き。





    でも、一番好きなのは……、彼女を見ている時の顔。

    すごく穏やかな顔。



    初めてその顔を見たときに、私はあなたに恋をした。



    でも、その眼差しの先には、私ではない娘がいた。


    その後すぐ、あなたとその娘が付き合い出したのを噂で知った。



    初恋と同時の失恋だ。



    頭ではわかっているのに、心がついていかない。



    なので、あなたの姿を見つけると、うれしいけれど、苦しい。

    きゅん

    2

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  14. 夜の間ずっと降っていた雪が、朝には止んでキレイに積もっていた。

    ザクッ、ザクッ

    雪の中を歩く音がする。

    きっと隣のユウ兄ちゃんだ。
    部活の朝練に行くんだ。

    窓から見回してみると、大きな荷物を持ったユウ兄ちゃんが歩いていた。

    小さい頃から憧れのお兄ちゃんだ。

    急いで学校に行く準備に取りかかった。


    外に出ると、ユウ兄ちゃんの姿はとっくに無くなっていたが、大きな足跡が点々と残っていた。

    私は、その足跡の上に自分の足を乗せる。

    かなり大きい。
    大人と子どもみたいだな。

    今度は隣を歩く。
    時間差だけど並んで歩いているみたいだ。
    彼女の気分。

    突然、学校へと足跡は続いていたのに脇道へそれた。

    追ってみると、人が大の字にダイブした痕が残る雪山が出てきた。

    ユウ兄ちゃんったら。

    意外な一面を見つけてうれしくなった。
    もちろん私も隣に大の字にダイブした。
    空がとても青かった。

    きゅん

    5

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  15. 「解決策を聞いてるんじゃない!ただ、話を聞いてもらいたいだけなのっ!」
    私は声を荒げた。


    最近いろいろなことが起こり、落ち込んでいた私。

    彼氏の総司が、悩みを聞いてくれるというから話し始めたら、
    「そういう場合はだな~」
    と、話の途中から、いろいろな案を話し始めた。

    違う。違うの!
    総司はいつも的確なアドバイスをくれるけど、今はそうじゃない。

    ただ、じっと聞いてもらいたいだけ。
    私の中の黒々とした感情を外に吐き出しただけなの。


    急に怒った私をみて
    「これだから女はわからない……」
    ため息をつく総司。

    怒ってしまったかな……?

    すると私の両手をつかんで、自分の口に押し当てた。

    「これでいいだろ?最後まで聞いてやるよ」
    と、モゴモゴした声で言った。

    少しとんがった総司の唇が私の手のひらに当たり、くすぐったい。

    笑いが込み上げてきた。
    悩んでいた事がどうでもよくなった。

    きゅん

    2

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  16. 「ねっ、今そっちは月見える?」

    長距離恋愛中の彼とは、毎晩メールとかで「おやすみなさい」をしている。
    でも今晩は電話がかかってきた。

    ベランダに出てみると、綺麗に輝く月が出ていた。

    「綺麗な月が見えるよ」

    「今日って、スーパーブルーブラッドムーンだって」

    ???

    「大きく見える満月と、月に二回おこる満月と、皆既月食で赤く見える月なんだって」

    なかなか貴重な満月らしい。
    遠く離れていても、同じ月をみられるんだ。

    「北海道だと星も綺麗に見えるんだよね」

    「東京に比べたら、すごい見えるよ」

    「すごく寒そうだけどね」

    「それは大丈夫。俺がずっと抱きしめるから寒くない」
    と言った後、電話越しでも顔が赤くなっているのがわかるくらい慌てた。

    「あっ、いやっ、家の中は床暖房で暖かいから……」
    とごまかそうとする彼に、

    「私は、抱きしめてもらいたいな……」
    と私はそっと告げた。

    きゅん

    4

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  17. 「今晩、満月なんだよ。しかもブルームーンで皆既月食!」
    と、予備校帰りに幼馴染の広夢が興奮気味に言った。

    帰り道の間だけならと、寒い帰り道、空を気にしながら二人で歩く。
    あいにくの曇り空でなかなか月が見えない。

    もう家に着くと言うときに、さっと雲が切れて月が姿をあらわした。


    赤い月だ。


    二人でじっと見つめる。

    じわじわと月が欠けていく。


    どのくらい時間がたったのか。
    また雲がかかって見えなくなった。

    いつの間にか手を握りあっていた。

    「綺麗だったね」と言った広夢は、いつもより大人っぽく見えた。

    「送り狼にはならないでね」と、ドキドキして私は言った。

    「月が欠けているから大丈夫だよ」

    ホッとしたような、残念なような気持ちで、家に入ろうとした。

    「またブルームーンがあるんだ。一緒に見よう」
    いつもの広夢が言った。


    「でも次は月は欠けないけどね」

    きゅん

    4

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

  18. 放課後。

    忘れ物を取りに学校に戻った私は、綺麗な旋律のピアノの音色に気づいた。

    そっと音楽室のドアの窓から覗いてみると、
    あれは?


    同じクラスの野球部の山本くんだ!
    体も声も大きくて、私はちょっと苦手なタイプだ。

    これは見なかった事にして、帰ろう……。


    ガタン!

    しまった!思わずドアにぶつかってしまい、山本くんと目があってしまった。

    ガラツとドアが開く。

    「よう、何やってんの?」

    「わ、忘れ物を取りにきたんだけど……。
    ピアノの曲につれられて覗いてみたら、山本くんだったので、驚いてしまって……」

    「まっ、そうだよな~。イメージじゃないよなぁ」

    「でもっ、凄い綺麗な曲だったよ。すごいね!」

    「そっ、そうか?」
    ちょっと照れて山本くんは言った。

    あっ、こんな表情、初めて見た。

    その後、山本くんは私のために曲を弾いてくれた。

    自分の鼓動がちょっと、うるさかった。

    きゅん

    3

    緒莉香さんをフォロー

    通報する

▲