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  2. 「腹減った」
    「はい、お弁当」
    「お! サンキュー」

    お昼休み、屋上にて。
    腹が減りすぎて死にそうな顔をしてる彼にいつものお手製弁当を渡すと、子犬が跳ねるようにして喜んだ。私の弁当箱よりも重そうな箱の包みを開けると目を輝かせながら箸を持つ。

    「頂きまーす」
    「どうぞ。……おいしい?」
    「ん、うま」
    「良かった」

    大口でご飯を掻き込む様子を見てると今日も気に入ってくれたようで、私も卵焼きを食べる事にした。うん、良い塩加減だ。次は甘めにしようかな。

    「ご馳走様」
    「早っ!」
    「うまかったからな、さて……」
    「ん?」

    お茶をそこそこに、ふと彼氏が私の方を向いた。

    「俺まだ足りないんだけど。デザートちょうだい」
    「え、デザート、持ってきてない……」
    「あるだろ。ここに」
    「んっ!」

    気が付くと私の唇に彼が侵入してきた。よーく中まで味わうと名残惜しそうに離れ……ずに、もう一度……。

    きゅん

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  3. 「もし俺が吸血鬼だったらどうする?」

    日頃からつるんでる男子が、ハロウィンの特集ページを見ながらこんな質問をしてきた。

    「どうするって?」
    「血をくれるか、くれないか」
    「……しょうがないからやるよ」
    「ぶ。しょうがないって……」

    しょうがないものはしょうがないじゃん。
    そんな惚れてる人に素直にあげる♡なんて言える訳ねぇだろ、と私はふて腐れた。横目でヤツを見ると口元を押さえて笑ってる。私は仕返しすることにした。

    「じゃあもし私が吸」
    「いいよ、やっても」
    「即答だな」
    「……言うと思ったから。ただし」

    なんだよ、私の考えは筒抜けかよ……とそっぽを向くと何やらひそひそ話するように顔を近づけてくる。何々、何を言ってくるの?と期待して待ってると、低音爆弾を落とされた。

    「その代わり俺だけにしろよ? 血をやるのは」
    「……え」
    「……約束な」

    きゅん

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  4. 「ねぇ、あの人カッコよくない?」
    「わかる~」

    はぁ、またか。
    予想通り、さっきの噂は私の彼の事だ。カッコいい彼に比べて私は地味子。並ぶには絶対相応しくないのに優しい彼に引き寄せられて付き合ってしまった。あんな噂を聞いたら行きにくくなって──。

    「おはよ、丁度良かった」
    「わわっ、お、おはようございます」
    『えーっ、あんなのと付き合ってるの?』
    『あり得なーい』

    あぁ、まただ。
    彼が私に近寄ってくると、途端にがっかりした声が聞こえる。その度何度も気にするなと彼は言ってくれるが、私は毎回引き裂かれる思いをする。

    「……おいで」

    今日も見かねた彼が私の腕を引っ張って抱き締めてくれた。珍しく人前で。しかも顔も近づけて来て。

    「好きだよ。お前しかいらないから」
    「ん……」

    そっとキスしてくれたのと甘い言葉で私は顔を火照らした。そんな私に彼はクスッと笑った後、またキスをしてくれた──。

    きゅん

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  5. 「好きです!付き合って下さい!」

    おおっとぉ。

    帰宅部の私が友達を探している途中、最悪な事に同級生の告白現場を見てしまった。急いでその場を去ろうとすると、背後から拒絶の言葉が聞こえる。マジかと驚いていると誰かが走り去る足音が近づいてきた。きっと告白した女子だ。

    「……」

    その子は私の事はお構い無しに猛スピードで過ぎ去った。ほっとしていると後ろから声を掛けられる。

    「なに人の告白現場を見てんの」
    「べ、別に見たくて見た訳じゃないから」
    「ふ~ん……」
    「なにさ」

    特に現場を見られて気にしない男子は首を掻いた後、まじまじと私の目を見てきた。

    「ちょっとさ、好きって言ってみてくれない?」
    「はあ!?」
    「いいから」
    「はぁ……好き?」
    「……」
    「……」

    なんでそんな反応するのよ。
    そんな顔されたらこっちまで赤くなるじゃない。

    夕日に照らされて笑った彼の顔が忘れられなかった。

    きゅん

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  6. 「トリックオア……」
    「はい、お菓子」
    「早っ!」

    私は毎年お菓子を請求してくる男子にあの台詞を言わさず即行で渡した。全く、毎年毎年先生に見られないように渡すこっちの身にもなれや。

    「わ……うまうま」
    「もう食べるんかい」

    早速袋を開けて中身を旨そうに食べてる男子を横目に私は席に座る。横にいる男は食べるのに夢中らしく、お礼も言ってこない。まぁ慣れたわ。

    「あのさぁ」
    「何」
    「ずっと思ってたんだけど」

    そこで区切って、私をじっと見てくる。

    「なんで毎年丁寧にくれるの?」
    「……別に」

    ふーんと男はどうでも良さそうにゴミをぐしゃぐしゃにした。その音が私の心を突き刺す。

    「じゃあ俺を好きだからって事にしていい?」
    「……好きにすれば」
    「わかった」

    男はゴミを鞄の中に入れたかと思うと、何かを取り出した。

    「これお礼。いつもありがとな」

    はにかんだ顔が可愛くてキュンと来た。

    きゅん

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  7. 「トリックオアトリート」
    「えっ? あ……」

    まさかの登校中、おはようもなしに仲の良い同級生がハロウィンの例の言葉を投げ出した。私は咄嗟に鞄の中を探る。
    いつからか、ハロウィンは毎年この男子にお菓子をやらないと両頬を摘まれるというイタズラされる事になっていた。私の頬はお餅じゃない。

    「はい終了。ちょっと来い」
    「あ、ちょ待って!」

    今年もキッチリ用意してたお菓子を取り出そうとすると、何故かそのお菓子を奪われる事もなく私の腕が捕まれた。意味が分からない。
    そのまま引き摺られるように着いていくと、校舎裏に連れて行かれた。なんなんだ。人前では見せられないイタズラでもする気だろうか。友達はニヤニヤしながら見送るし、私は何をされるんだろうか。

    「ん」

    校舎裏に着いた途端、驚いた事にバグをされた。そして近付く顔。と唇。私はびっくりして身を縮めると耳に呟かれた。

    「もう無理。好き」

    って。

    きゅん

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  8. 「これ、やる」
    「え……」

    先輩といつもの屋上でお昼ご飯を食べていると、すっとあるものが渡された。
    見なくてもそれは分かった。綺麗なラッピングしたものはこの時期であるホワイトデーのものだ。
    だけど、私は先輩にチョコを渡してない。
    今年は本命チョコが流行ったせいで、義理として渡せなかった。

    「早く受け取れ」
    「いや、でも私……」
    「知ってる。だけどまぁ……何も言わず受け取れ」
    「はい……ん?」

    恐る恐る両手を出して受け取ろうとすると、ぐっと力を入れられて動きを止められた。
    まだ何かあるのかなと先輩の顔を見ようとすると、横に逸れていて表情が分からない。

    「あのさ」

    程なくすると、先輩か声を小さくして呟いた。
    私に聞こえるか聞こえないかくらいで。

    「いつもいつも俺の側に居るし、これ受け取ってくれたってことはもう少し近付いてもいいか……?」

    きゅん

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  9. 「おおーっと、ここでチョコを取り出したー!」
    「……」
    「さぁ、そのチョコは私専用か!? 私にくれるんでしょうかー!」
    「……おい」
    「開けたー! 開けましたー! 私の彼氏が」
    「オイこら、何実況してんだよ」

    えー。

    私がふざけてお決まりのバレンタインデーのお礼チョコを貰おうとしている時、彼氏が呆れた顔でチョップを仕掛けてきた。
    それを食らった私は、ガサガサとチョコの蓋を開ける様子を見つつ頭部に手を当てる。

    ほらよと彼氏の長い指で挟まれたチョコが目の前に差し出された。

    「うまいか?」
    「……うん」
    「なら良かった」

    慣れない甘さに、私は借りてきた猫の様に大人しく食べた。
    次々と私の口に放り込まれるチョコを噛み砕いていると、また次が差し出される。

    「ほら」
    「ぅ……んっ!?」
    「あめぇな」

    びっくりした……。

    目が合ったと思ったら、奪われるようにキスをされていた。私の心も。

    きゅん

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  10. 「……どう?」
    「う~ん、もう少し生クリーム足してみて。つーか、俺がなんで毒味しなきゃならないんだ……」

    隣でぶつぶつ文句を言う友達を私は無視して生クリームを付け足す。
    もうすぐバレンタインが近くて、今年こそ鈍感な好きな人に手作りのチョコを渡す為、わざわざ“味見”させている所だ。

    「ん」

    味見用に少し作ったチョコを渡す。流石に飽きてきたのかゲンナリしながらも食べてくれた。

    「これでいいよ。てか、好きな人の為に作るならその人の好みを作った方が……」
    「だから、してるじゃん」
    「え?」

    勇気を振り絞って告白もどきのものを放ったのに、その人はマヌケな顔で固まった。若干その姿に苛立ちを覚えながらも溶かしたチョコをカップに詰めていると、急に後ろから温かい温度に包まれた。

    「なんだよ、早く言えよ。……あーだから俺に毒味をさせていたのか。
    ひねくれ者。俺と同じだな」
    「ふーんだ」
    「可愛い」

    きゅん

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  11. 「じゃあ明日ね!」
    「うん、また明日」

    友達と教室で別れて、帰り道が一緒の男友達と歩き出して数分後。
    もうバレンタインデーが終わろうとしている。
    今年は世間では義理チョコを無くそうとしているので、私の手元には本命チョコ1つだけ残っている。

    「今年は確か義理チョコ撤廃が流行っているんだっけ? 皆、彼氏がいる人にしか渡してなかった」
    「う~ん、まぁ、そうだね」

    珍しい。いつもはバレンタインなんて興味なさそうなのに。

    「渡したの? 本命」

    私が不思議そうに見上げていると、いつもと変わらない仏頂面で聴いてきた。だから、少しだけ試したくなった。

    「……気になる?」
    「……別に」

    やっぱり、思った通りのクールな反応だ。
    私は「そう」とだけ答えて前を向く。

    「チョコ、鞄の中にあるだろ? 今日1つも出してなかった。あ、やっぱり持ってきてない?
    ……もし、持っているなら俺が貰う。……欲しい」

    きゅん

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  12. 「今更だけどこれ、あげる」
    「お、サンキュー」

    今日はバレンタイン。
    私が悩みに悩んで選んだ、高くもなく安っぽくもないけど他とは差別化させたいチョコを渡したら、それをあっさりと受け取った。
    うん……まぁ私達の腐れ縁ならこういう反応だよね。
    いや、別にもう少し期待した反応を見せても良いんじゃないかなーと思ったけど、私は平然とした顔で踵を返した。

    「おい」

    さぁ家に帰ろう、と足を踏み出した時、後ろから引っ張られる感触と私の動きが止まった。何だろうと後ろを振り向くと、幼なじみが厳しい顔をしてる。
    何を言われるんだろ?と首を捻って待ってると更に厳しくなった。

    「これ、義理?本命?」
    「え……?」
    「……だから」

    聞き慣れない声に思わず聞き返すと目の前の人が凄む。
    本気度の伝わる、低い声をして。

    「俺、今年からは本命しか受け取らないようにしてるの。だから本命なのか?
    本命なら受け取るよ」

    きゅん

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  13. 「嘘つき!」
    「ごめんって……そんな怒んなよ」

    私は猛烈に怒ってる。
    なぜなら、さぁ今からデートだ!って時に、彼氏に電話が掛かってきて抜け出せない用事が出来たからだ。
    今日は大丈夫だって言った癖に。
    しかも、何の用事?と私が聞いても答えてくれなかった。

    「すぐに戻るからさ」

    ここで、「私、待ってるから行って来て?」って言えたらいいのに。それが出来るほど、私は大人じゃないんだ。

    「ちょっと、出てきておいで」
    「……」

    彼が寂しそうにいうもんだから、私は素直に閉じ籠っていた玄関から出て行った。彼と目を合わせられずに俯いて側に寄ると頭をポンポンと叩かれる。

    「少しだけ我慢して待っててな」

    そう言うと、その手をスッと私の後ろに回してキスをしてきた。咄嗟のことで私はポケーとした顔をしてると、彼は照れ臭そうに走り出して行った。
    なんなのよ……もう……。

    きゅん

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  14. 「お前、俺の授業中にスマホ弄っていたのは良い度胸だったな?」
    「……すみませぇん」

    先生の言葉通り、私が少しスマホを操作していたら運悪く先生にばれ、放課後に取りに来いと言われて来たのだった。
    先生のお小言を右から左へと流しながら先生をチラ見すると、呆れてため息を付いてる。

    その吐息を聞くだけで、先生を意識せざる終えない。

    やめて欲しい。ドキドキするから。や、やめて欲しくない。

    「……はぁ。で、何を書いてた?」
    「ひやっ!?」

    急に前屈みになって来たから変な声が出た。いや、その前に小説を書いていたことがバレてしまってたらしい。
    どうする? まさか貴方を題材にした恋愛物を書いていたなんて。

    ましてや、この先生、実は私の彼氏なのだ。

    「恋愛でも書いていたのか?」
    「う……」
    「俺という彼氏が居るのに?」
    「ちょっ! 聞こえますって!」
    「お仕置きしなきゃな」

    心臓が持ちません。

    きゅん

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  15. 「ちょっと、アンタまた髪ぐしゃぐしゃで!」
    「面倒……」

    校門をくぐる途中、オネェ口調の幼なじみが私を見つけるなり髪を整えて来た。彼がそうなったのは理由がある。私が男性恐怖症だからだ。

    彼にも怯える私に、何を思ったのかオカマを演じてくれた。それに私は笑ってしまって、もう良いのに彼はやめなかった。

    「もっと女子力高めなさいよ!」
    「無理」
    「そんなんで社会出た時どうすんの」
    「素っぴんでいい……」

    毎回同じ回答する私に彼が呆れる。
    しょうがないじゃん。

    「全く……」
    「貴方には迷惑掛けてないから良いじゃん。放っといてよ!」
    「放っておけるか!」

    急に強く言われてビクッと全身が強張る。そんな私に彼が慌てて謝った後、付け足した。

    「俺が守ってやるから、もう俺の為に可愛くなってよ」

    ……もう?

    不思議そうに見上げた先には、困り顔の彼が私の頬に手を添えてきた。
    この手はどう動くの?

    きゅん

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  16. 「好きだ」
    「えっ?」
    「俺と付き合ってください」

    仲の良い男子に告白された。いつか来るんじゃないかと思っていたらやっぱりそうだった。
    だから、前から決めてた台詞を言おうと思う。

    「他の人と付き合った方が良いよ」
    「なんで?」
    「だって私はめんどくさい奴だし、気分の浮き沈み激しいし……」

    言ってて落ち込んで来た。本当その通りだから。
    自覚してる程、酷い人間だと思う。
    鬱になるほど落ち込んでしまうし、恋愛する気はないのに仲良くしてしまった。

    だから私はやめておきなよって彼に伝えたら、彼が神妙な顔で俯いてしまった。
    嫌われたかもしれない。けどそれで良いんだと言い聞かせた。

    「それでも良い。俺と付き合って」
    「重いかもしれないよ?」
    「知ってる。今まで見てきたから。
    それを乗り越えられるのは俺だと思わない?」
    「……ばか」

    ここまで踏み込んで来たのは貴方が初めてだ。
    どうする? 私。

    きゅん

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  17. 「今日のラッキーアイテムは……絆創膏だって!
    なになに、それを持っていると恋が叶うかもって」
    「へ~」

    友達を待っている間、幼なじみが屋上で寝転がっているから私は見ていた占いの結果を伝えてみた。そしたら案の定、幼なじみの反応は薄かった。

    つまんないの、と私はページを捲る。

    「私の星座は、何──痛っ!」
    「どうした?」
    「切れた……」

    咄嗟に自分の指を見ると、綺麗に皮膚が割れて血が滲み出てる。私は最悪と痛みに涙目になりながら絆創膏を探した。
    それよりも早く、幼なじみがポケットから絆創膏を取り出す。

    「……なんで持ってるの?」
    「部活でよく使うからだよ……」
    「そうなんだ」

    今度は私がへ~と答えると、つけてくれた幼なじみが答える。

    「で、俺はお前の事が好きなんだけどそれも叶ってくれるの?」
    「し、知らないっ」
    「お前、叶えてくれないの?」

    幼なじみの熱い視線に耐えれなかった。

    きゅん

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  18. 「どうしたら良いんだろう……あぁ~悩む」
    「考えても仕方ないさ。いつか抜け出せるから、気楽にいなよ」

    スランプ中の私に幼なじみが言ってくれた。私は後片付けをしながらその言葉に泣きそうになる。
    ここの所、シュートが決まらないせいだ……。
    幼なじみに溢れた涙を見せないように手を動かした。

    「お前が、俺がスランプになってる時に言ってくれた言葉だよ」
    「……そうなの?」

    優しい声で頭を撫でながら言ってくれたけど、私に身に覚えがない。それに、こうして頭を撫でてくれる幼なじみも知らない。
    珍しいこともあるんだなと考えているとふとその手が止まる。

    「お前の事は昔から見てるから」

    昔から?

    「頑張り屋で強がりで。泣きたい時くらい泣けよ。俺の胸で」
    「う、バカ。そんな優しくすんなよ」
    「お前だけだから安心しろ」

    やんわりと拒絶する私を抱き締めて言った。

    「そろそろ俺のものになってくれない?」

    きゅん

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  19. 「いつになったら男として意識してくれるのかなーっ?」
    「……は?」

    デケェ声で幼なじみが、私の前の席で頬杖を付きながら尋ねてきた。

    そんなこと言われても知らないものは知らないし、現に私は幼なじみのことを恋愛として好きになってしまっているから、適当にあしらった。
    すると、拗ねた顔で私を見上げてくる。

    子供みたいに頬を膨らまして。

    ……この人は自分の可愛さを知っているのだろうか。

    だから、私がぷって笑うと更にむくれた。

    「ギャップを作れば良いんじゃない?」

    もう充分ギャップはあると思うけど、私は思ったことを伝えると彼が悩む素振りをした。そして、何かを閃いたのか、私を人気のない階段裏に連れ出す。

    「こうやって」

    直ぐ様壁ドンをさせられるとグッと距離を縮められた。

    「後は低い声が良いんだっけ?」
    「……っ」

    ほらね、充分なギャップが出た。
    お願いだから、私だけにしてね。

    きゅん

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  20. 「ふあぁっ……」
    「そんなに眠たければ先に帰っていればいいじゃん」
    「やだ」

    幼なじみが居残り練習してる中、私は体育館の隅で待っていた。
    最初は遅くなるから帰れよと言われてたけど、幼なじみが練習をしてる姿を見ているのは嫌いじゃないし、それを見てれば待つのは得意だった。

    「そんなに俺にくっついて、もしかして俺のこと好きか?」
    「……んな訳ないでしょ、バーカ」

    ふざけて聞かれた言葉に、照れ隠しを交えて返す。

    「……帰る」
    「は? おい、待てよ」

    思ったよりも、好きにダメージを受けていたみたいで逃げるように体育館を出ていくと、幼なじみが追い掛けてきた。またたく間に手を掴まれたら、そのまま引寄せられた。

    好きな人の体温に包まれる。このまま時が止まってくれたら良いのに──。

    そんな私に目覚める一言。

    「俺さ、結構本気で言ったんだけど?」

    更に締め付けられた腕の中で何を言うのが正解?

    きゅん

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  21. 「寒いな」
    「寒いね~」

    一つ年上の幼なじみが寒さに震える私の手を取って、慣れた手付きでブレザーのポケットに入れた。
    なにげないそれは私達には小さい頃から習慣付いていて、特に何とも思わない筈だった。

    私が幼なじみを男と意識するまで。

    「今年は俺が卒業だな」
    「……そうだね」

    心地よく幼なじみの特権に浸っていたのに、急に現実を晒されたせいで心が重くなる。
    せめて落ち込んでいることにバレないように気丈に振る舞った。

    「寂しいけど、私もあと一年で卒業だ」
    「……あぁ」

    “そうだな”と幼なじみが今度はマフラーまでも巻いてくれた。

    こんなことしてたら恋人に見えちゃうよ……なんて一人勝手にドキドキしていると、幼なじみが真面目な顔をして私に言う。

    「来年、俺が迎えに行っても良い? 彼氏として」

    顔が真横にあるせいで囁くように言われた。勿論、私の答えは決まってる。というか顔でバレました。

    きゅん

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