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  1. 51件ヒットしました

  2. 「噛みつきたい、首筋に。痕をつけて、俺の物だという証に」

    お昼休みが終わる頃、彼氏にそんなことを言われた。
    急にそんなことを言ってきたので、私がえぇと戸惑った顔をすると真面目に訊かれた。

    「駄目?」
    「ダメじゃないけど……珍しいね。あ、目立たないようにして。あと痛くないように……」
    「勿論そうする」

    すりすりと狼系彼氏が寄ってきたと思ったら、早速噛みつかれた。割りと深い痕を残すつもりなのか、しっかりとした歯形をつけられた。痛みに顔をしかめていると、舐められたので背筋がぞくりとした。

    「俺以外とあんまり親しくしないで」

    そのまま耳元で囁かれ、私は息を堪えて何度も首を縦に振った。こういう時に素直になってないと、後が恐い。
    彼氏はちょっと満足したような顔で離れた。

    「よしよし」

    今度は私を甘やかしたいのか、優しく頭を撫でてくれた。こういう二面性にいつもやられてしまうんだよね。好き。

    きゅん

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  3. 嫌な夢を見た。

    嫌すぎて目の前の同級生が見れないくらい。なんで、私がこんなヤツとキスをした夢を見なきゃいけないの。
    まるで私が好……いや、まぁそうなんだけどさ。

    などと一人で奮闘してると目の前のヤツにからかわれた。

    「なーに目をキョロキョロしてんの。もしかして、俺を意識してるのかー?」
    「……」
    「ははは、んな訳ないよな……え、マジ?」
    「違います」

    腹が立ったので、素っ気なく返してしまった。まぁいい。コイツはこう返されても気にしないヤツだ。
    今回だって──

    「マジかよ。意識してるの俺だけかよ」
    「は?」
    「なんでもない。授業始まるぞ」

    え、なになに、てかそっち気にしたのー!?
    いつもなら素っ気ないとかでぶうたれてるのに、困った。
    意識してないって、ずっと前から意識してるのに。
    貴方が夢に出て動揺してるくらいに。
    余計なこと言わないでよ。

    きゅん

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  4. 「ほら、春キャベツ食べな」
    「うん! うまうま」
    「兎みたいだな」

    料理上手な彼と屋上でお弁当を食べていた。
    彼は一人暮らしをしていて、毎回美味しそうなお弁当を私が羨ましそうに眺めてると分けてくれる。キャベツ以外にも厚焼き玉子とか美味しくて、気が付けば半分以上食べてた。

    「ご、ごめん私ばっかり……これ食べる?」
    「ん、貰う。うまいな」
    「お母さんが作ったものだけどね。それよりもさ」

    ここで私のトーンが下がった。不思議そうにしてる彼氏に私は太ったことを白状した。彼はそんな私にぷっと笑うと、頭をよしよししてきた。

    「太ったぐらいで嫌いにならないよ。外見も含めて、その……好きだから」
    「そこで照れるな!」
    「ごめっ」

    私は照れ隠しにグーパンしてやった。彼は変なとこで照れる癖がある。

    「これも食べる?」

    それに私が躊躇っているとキスをしてきた。もう、こういう所は照れないんだから……。

    きゅん

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  5. 今日はホワイトデー。
    俺は猛烈に緊張してる。

    だって、一ヶ月前にできた彼女にお礼のチョコを渡さなければならないから。
    多分、彼女はこういうのが好みのはず。
    一ヶ月だけじゃ、彼女の好みなんて隅々まで調べられない。

    たった一人、凄くソワソワしながら勇気を出して渡してくれたんだ。
    俺にとっては仲が良い女友達ぐらいだったのに、こっちが赤面するくらいの告白に一気にやられた。
    だから、凄く大事にしたくて、だからこそめちゃくちゃに悩んで、しかも渡すという難解なミッション……。

    あー、遠くから歩いてくるのは俺の彼女だ。
    あー、クソ恥ずかしいけど、これ気に入ってくれるかな。
    もういい、早く渡そう。

    「これ、ホワイトデーだから……やるよ」

    きゅん

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  6. 「わー凄いなぁ」

    私が一人呟いた言葉はタイムアップの音に消された。
    体育館の片隅で、他の女子に混じって声援を送れない私はこっそり見てることで満足してた。こんな根暗な私が元気な女子達と一緒になったら邪魔者扱いされるのは目に見えてる。
    後片付けが始まった体育館から立ち去ろうとした、その時だった。

    「あれ、君来てたの」
    「っ!」

    外に出てたバスケ部員に見つかった。それも人気ナンバーワンの選手に。私はミーハーじゃないことを説明するのに必死になった。

    「ちょっと覗いてただけです! どんなのかなって」
    「女子バスケに入るの?」
    「……えっと」
    「じゃあ誰かの目当てで?」
    「う」

    あっさりと見破られた私は口をつぐむしかない。
    冷や汗をかいて固まった私に、その人は一頻り笑うと頭をポンポンした後、悪魔的なことを囁いた。

    「近くで見たいならマネージャーになっておいで。
    一人分くらい空けてやるから」

    きゅん

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  7. 「せ、先輩、あの」
    「……?」
    「あれ、◯◯じゃん! どしたの? さてはチョコを俺に?」
    「え、あ」

    違う──と否定する前にチョコを1つ取られた。
    それもそこそこ良い箱の方を。

    「わーこんな豪華な物、嬉しいな。日頃優しくしてた甲斐があるわー」
    「お前、そんな動機で女子を……」
    「えーだって向こうからキャーキャー言ってくるし?」

    その通りだ。この二人は容姿端麗、キャプテンと副キャプテンを務めるだけの有望な人達で、わざわざ私が渡さなくてもチョコを貰える。
    それなのに渡すのは、

    「なになに、もう1つは義理チョコか。じゃあこれ本命だったり……」

    と、何気なくひっくり返した副キャプテンが息を呑んだ。私はすぐさま持っていた義理チョコを副キャプテンに押し付けた。

    「これ、お前宛てだってさ」
    「え?」

    こんな恥ずかしい渡し方ってない。私は返事も聞かずに逃げた。後ろから追ってくる気配を残して。

    きゅん

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  8. ┌◯◯へ

    きょうはバレンタインデーで
    みんなが義理チョコを用意してる中、
    がんばって私も作りしました。
    すごーく大事に食べてね。あ、お礼はいつでも、
    きみのタイミングで倍返しでお願いします笑

    └◯◯より


    よしっ。
    誰からの物か、周りにバレるといけないからメッセージは箱の中に隠した。

    下駄箱の中に仕込む時も見られないように、人がいないタイミングを見計らって靴箱の中へ押し込んだ。

    どうか、あのメッセージに気付いてくれますように。

    きゅん

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  9. 「先輩、これ!」
    「あー俺、チョコ嫌いなんだよね」

    廊下で様子を伺っていた私もチョコを落としそうになった。
    今日はバレンタインデー。仲良い先輩に日頃のお礼も兼ねてチョコを渡そうとしたら、先客がいてこのざまだ。
    なんで先にこの情報を知っておかなかったのか、数日前の自分を呪う。
    カードまで書いてたのが無駄になった。茫然と立ち尽くすしかなかった私は、先客がいなくなった事に気付かなかった。

    「何してる」
    「うわっ」

    急に影で覆われたことに私は肩をビクつかせた。先輩が驚かせてしまったことを謝ると、私は咄嗟に持っていたものを後ろに隠した。

    「何を隠した」
    「いえ、何も」
    「出せ」

    待って──と言う暇もなくそれを取り上げられた。明らかに本命だと語ってる小さな箱は先輩の指で弄ばれた果てに、すっとポケットの中に吸い込まれていった。

    「先輩! チョコ嫌いじゃ」
    「あぁ嫌いだ。好きな人以外の物はな」

    きゅん

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  10. 私の好きな人は、笑う時にほぼ口に手を当てる人だった。

    「そんでなー」

    男にしては綺麗な指と短く切り揃えてある爪。私よりも一回り以上大きい手には、動く度に色気を感じる。

    「ふふっ、そうなの」

    いつからか、その仕草が気になって意識した瞬間、私も彼の仕草が移っていた。

    「あのさぁ」
    「ん?」

    たわいもない話の途中で、彼が何かに気付いたらしい。もしかしてこれは、

    「俺の仕草、移ってない?」
    「え、あ、そうかも」

    ごめん。と謝る前に彼の手で牽制された。

    「いや、いいよ。むしろ嬉しいし」
    「……そうなの」
    「うん、気が合うからなのかなーって。話してて楽しいしさ」

    良かった、嫌われてない。ホッとした私は恥ずかしくなって前髪を直した。

    「いつか」

    いや、いつかじゃないけど。そう前置きして彼は呟く。

    「付き合えたらいいなーって思ってる」

    思ったよりも真剣な声に、私の心は揺れた。

    きゅん

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  11. 「へーここからアレが見えるんだ」

    三階から見える校庭に向かって幼なじみは毒づいた。幼なじみがいうアレとは人気者のサッカー部男子に群がる女子達のことだ。今、その女子達を敵にしたが。

    「お前もあんなのがいいの?」
    「いや、眺めてるだけ」
    「ふーんそう」

    キャーキャーしてる女子達の姿を、ぼんやり背景にしてるとふと目が合った。明らかに見上げてるアイドル系男子はこの音楽室に向けてだった。どうしよう、目を反らすべきか、と迷ってると先に向こうが微笑んだ後に反らした。

    「今こっち見てたね」
    「あぁ、そうだな。なんかむかつく」
    「え」

    言い終わらないうちに、突然肩を引き寄せられた。
    それも一瞬だけ。パッと離されたと思ったら、休憩が終わるから戻るぞとだけ言われた。あぁ、うんとだけ頷くことしかできない私は呆気に取られた。
    なんで今になって触ってきたんだろう。それも肩に。

    触れられた肩が酷く疼いた。

    きゅん

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  12. 「なんだろ、何か入ってる……“放課後、体育館裏まで来て下さい”?」
    「へぇ、あんたにもラブレターなんて来るんだ」
    「うわっ、驚かさないでよ」

    放課後、下駄箱で靴を取り出そうとしたらラブレターが入っていてそれを隣の男に取られた。悲しいかな、可愛いと言われることがない私にはこのラブレターが初めて。私は取り上げられたそれを取り返そうとした。

    「今から行くの? 体育館裏」
    「あんたに関係ないじゃん。ちょっ返して」
    「お前には必要ねーだろ」
    「なんでよ。それを言うならそっちこそいつも貰ってるラブレターいらないでしょ」
    「ははっ、やきもち焼いてくれてる訳?」
    「んな訳!」

    あーもう、取れないっ。
    それどころか気が付けばかなりこの人に接近してたみたいで私は一旦離れることにした。すると腰に手が回されて動けなくされた。

    「行くのはよせ」
    「なんで」
    「俺が──」

    そこで止めてしまった。その先は何?

    きゅん

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  13. この雪はあと何回あなたの目に映るんだろう。

    もう時間はない。だから私は辛い想い出にならないように明るく振る舞った。

    沢山隠し事もしてしまった。

    一つだけ、心から『私を忘れないで』って伝えた時、あなたは私を救い上げるように受け留めてくれた。

    もう何度も神様に祈った。

    生きるためにもがく私を悠輔はちゃんと忘れないように、一粒一粒。
    白い華が咲くような凍えた私の身体を、言葉を抱き締めてくれた。

    祈ってくれた。

    最初で最後の恋に最上級の愛を囁いてくれた。

    『永遠に忘れない。ずっと側に居るから』と。

    人生の中で一番嬉しい言葉だった。

    短期間だったけど人を愛し、愛される喜びを貰った。

    あなたには沢山の感謝しかありません。

    私もずっとあなたとの想い出を忘れません。

    どうか、この『雪の華』という歌に込めて私を忘れないで下さい。

    愛してます。

    きゅん

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  14. 後一年で私は終わってしまう──。
    今まで生きた意味はあったのだろうか。
    絶望の淵で貴方の声が聴こえた。
    心の声を出せよと、生きたい声を出せよと。
    その言葉に私はあぁ、声を出していいんだと気付いた。
    だから、期限付きとは言え貴方で最後の望みを叶えようとした。貴方は精一杯私に応えてくれた。私がいなくなっても貴方は生きて行ける強さがあるなと思った。
    そう思っていたのに。

    「死にたくない…っ」

    伝えようと思わなかった言葉が飛び出してしまった。
    貴方は悲しく笑って、哀れな私に言葉を残してきた。
    それが偽物だったとしても、本心だったとしても。

    「嘘だよ、さっき言ったことは嘘だよ」

    私は貴方の負担だけはなりたくなかった。
    忘れないで欲しいという私のエゴは捨てて、貴方の手だけを信じて私は終わろう?

    そんな貴方が私の終わり際に。
    沢山の私の名前を呼んでくれて。
    この想い出と共に、私は先に逝きます。

    きゅん

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  15. 「ごめん、お待たせ。おはよう!」
    「あぁ、おはよ。首筋見せろ」
    「……うん」

    玄関前で待っててくれた彼氏が私の襟を捲って調べた。その内側にはくっきりキスマークが付けられている。私を溺愛する彼氏が消えないようにと毎日付けてくるのだった。

    「よし、ありがとう。まだ消えてないな」
    「ううん……こんなことしなくても私はずっと側にいるよ?」
    「ただの男避けのものだから気にするな」
    「そ、そっか」

    毎度毎度、真っ赤になるまで付けてくるから私は隠すのに必死だ。1度、絆創膏で隠したことがあったけど顔をしかめた彼氏が一瞬で取ってしまった。そして……思い出すのも恥ずかしいことをされた。

    「俺がいない時に手を出されても困るだろ」
    「そ、そだね」
    「もしかしてそういう予定があるのか?」
    「ない! ないって!」
    「ふ」

    その微笑みは何が隠されているんだろうか。
    私は彼氏の気が済むまで側に居ようと決心した。

    きゅん

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  16. 「奈緒、奈緒……」
    「あ、あの、もう囁かないで……」
    「なんで?」

    背後から抱き締められて一緒に座ってる彼に、耳元で愛おしそうに囁かれるのを私は逃げようとした。が、すかさず彼に羽交い締めにされる。普段こんなことはしない人だから余計に恥ずかしい。

    「も、もう昼休み終わるから離してください」
    「……もう少しだけ。側にいろ」
    「……うぅ」

    彼から信じられないほどの甘い声に私はくらくらしてきた。もう彼の体温か、恥ずかしくて上がっている私の方が熱いのか分からない。思いきって彼に体重を預けてみたら吐息が交わるほど顔が近くなった。すると“キス”とだけ呟かれて唇を塞がれた。何も喋れない。

    「ごめん、我慢出来なかった。
    ……教室戻るか、熱を冷ましてから」
    「……はい」

    何回やってもこの人からのキスに慣れない。この人はいつまで私をドキドキさせてくるんだろうか。嫌じゃないけど、ただひたすら恥ずかしい。

    きゅん

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  17. “こっちへ来い。ここに座れ。返事は?”

    私の好きな先輩はいつも命令口調だ。一度も私の名前を呼んだ事はない。今日も生徒会の事で呼び出された。

    「あの」
    「なんだ? 何か不満か」
    「いえ……」

    先輩の有無を言わせない声に私は返事が出来なかった。先輩はそんな私の態度は全てお見通しだと言わんばかりに睨み付けた。
    ただ、YesかNoを言うのに躊躇う理由があった。

    事の始まりは昨日。
    “おい”と誰かを呼ぶ先輩の声に私が気付いた後、着いて来いと言わんばかりの背中を辿った先に人の名前を覚えてるのか謎のこの人に告白をされた。
    たった一言「お前の事が好きだから付き合ってくれ。返事は明日で良い」とだけ。
    で、今日がその返事の日。

    「付き合っている奴は?」
    「いません」
    「じゃあ付き合え」
    「はい」
    「……宜しく──」

    耳を疑った。最後に私の名を呼んだから。
    恋人になって最初の言葉が私の名前──。

    きゅん

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  18. 「腹減った」
    「はい、お弁当」
    「お! サンキュー」

    お昼休み、屋上にて。
    腹が減りすぎて死にそうな顔をしてる彼にいつものお手製弁当を渡すと、子犬が跳ねるようにして喜んだ。私の弁当箱よりも重そうな箱の包みを開けると目を輝かせながら箸を持つ。

    「頂きまーす」
    「どうぞ。……おいしい?」
    「ん、うま」
    「良かった」

    大口でご飯を掻き込む様子を見てると今日も気に入ってくれたようで、私も卵焼きを食べる事にした。うん、良い塩加減だ。次は甘めにしようかな。

    「ご馳走様」
    「早っ!」
    「うまかったからな、さて……」
    「ん?」

    お茶をそこそこに、ふと彼氏が私の方を向いた。

    「俺まだ足りないんだけど。デザートちょうだい」
    「え、デザート、持ってきてない……」
    「あるだろ。ここに」
    「んっ!」

    気が付くと私の唇に彼が侵入してきた。よーく中まで味わうと名残惜しそうに離れ……ずに、もう一度……。

    きゅん

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  19. 「もし俺が吸血鬼だったらどうする?」

    日頃からつるんでる男子が、ハロウィンの特集ページを見ながらこんな質問をしてきた。

    「どうするって?」
    「血をくれるか、くれないか」
    「……しょうがないからやるよ」
    「ぶ。しょうがないって……」

    しょうがないものはしょうがないじゃん。
    そんな惚れてる人に素直にあげる♡なんて言える訳ねぇだろ、と私はふて腐れた。横目でヤツを見ると口元を押さえて笑ってる。私は仕返しすることにした。

    「じゃあもし私が吸」
    「いいよ、やっても」
    「即答だな」
    「……言うと思ったから。ただし」

    なんだよ、私の考えは筒抜けかよ……とそっぽを向くと何やらひそひそ話するように顔を近づけてくる。何々、何を言ってくるの?と期待して待ってると、低音爆弾を落とされた。

    「その代わり俺だけにしろよ? 血をやるのは」
    「……え」
    「……約束な」

    きゅん

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  20. 「ねぇ、あの人カッコよくない?」
    「わかる~」

    はぁ、またか。
    予想通り、さっきの噂は私の彼の事だ。カッコいい彼に比べて私は地味子。並ぶには絶対相応しくないのに優しい彼に引き寄せられて付き合ってしまった。あんな噂を聞いたら行きにくくなって──。

    「おはよ、丁度良かった」
    「わわっ、お、おはようございます」
    『えーっ、あんなのと付き合ってるの?』
    『あり得なーい』

    あぁ、まただ。
    彼が私に近寄ってくると、途端にがっかりした声が聞こえる。その度何度も気にするなと彼は言ってくれるが、私は毎回引き裂かれる思いをする。

    「……おいで」

    今日も見かねた彼が私の腕を引っ張って抱き締めてくれた。珍しく人前で。しかも顔も近づけて来て。

    「好きだよ。お前しかいらないから」
    「ん……」

    そっとキスしてくれたのと甘い言葉で私は顔を火照らした。そんな私に彼はクスッと笑った後、またキスをしてくれた──。

    きゅん

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  21. 「好きです!付き合って下さい!」

    おおっとぉ。

    帰宅部の私が友達を探している途中、最悪な事に同級生の告白現場を見てしまった。急いでその場を去ろうとすると、背後から拒絶の言葉が聞こえる。マジかと驚いていると誰かが走り去る足音が近づいてきた。きっと告白した女子だ。

    「……」

    その子は私の事はお構い無しに猛スピードで過ぎ去った。ほっとしていると後ろから声を掛けられる。

    「なに人の告白現場を見てんの」
    「べ、別に見たくて見た訳じゃないから」
    「ふ~ん……」
    「なにさ」

    特に現場を見られて気にしない男子は首を掻いた後、まじまじと私の目を見てきた。

    「ちょっとさ、好きって言ってみてくれない?」
    「はあ!?」
    「いいから」
    「はぁ……好き?」
    「……」
    「……」

    なんでそんな反応するのよ。
    そんな顔されたらこっちまで赤くなるじゃない。

    夕日に照らされて笑った彼の顔が忘れられなかった。

    きゅん

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