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  1. 21件ヒットしました

  2. 「かずちゃん」

    付き合い始めて3ヶ月。みんなが『そろそろ飽きてきたよね』と愚痴を漏らす頃。

    「今日一緒に帰ろ!」
    「もっちろん」

    私たちは、ラブラブです。
    “今日”って言ってるけど、毎日一緒に帰ってる。
    幸せ真っ只中の昼休み。
    ……ひぃくんがモテモテなことを除いて。

    「柊くん、この問題教えて!」
    「柊くん、あのね」

    私たちが会話するときは、常にまわりに女の子が。
    わわわ、これじゃあひぃくんが目移りしてもおかしくないかも……。
    心がシュンと萎れてくる。

    「柊くんは可愛い系だよね〜」

    みんなが口を揃えて言う。んん!違うんだよ、実は……。

    「違うよ。俺は独占欲強くて、面倒くさい系」

    そう言ったひぃくんが、しゅるりと私の手をとる。

    「和葉。一緒にお昼ご飯、食べに行こ?」

    ぎゅっ。指先が絡まり合う。

    「……うんっ!」

    ひぃくんは、優しくてかっこいい、ずっと大好きな私の恋人。

    きゅん

    4

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  3. 「バカなのか?」

    先生の言葉がぐさり。

    「羽目はずしすぎて倒れるとか、初めてみたぞ」

    うぅ、反省してます……。

    新学期。クラス替え直後の、今朝のこと。
    先生が『この時間はどんなことやってもいい』って言ったから、調子にのってドッジボールをして遊んでいた。
    友だちをつくりたかったのだ。

    最終的な結果としては、やる気のままに動いていたせいで、 疲れてバッターン!と倒れた。いまでも体中が痛い。
    目が覚めたのは、白い部屋……保健室。
    そして、お説教タイムが待ち構えていた。最悪な目覚めだ……。

    「あのな、俺は心配してるんだ。
    普段からお前は、そそっかしくて危ないし」

    その言葉に、ん?と首をかしげる。

    「先生……私の学年をみることになったの、初めてですよね?」

    あ、と唇の僅かな隙間からもらすと、彼は頭をかいた。

    「……好きなやつは、みたくなるんだよ。
    おこちゃまにはわからないか?」

    きゅん

    27

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  4. 「はーちゃん、今年のお返しはなにがいい?」

    私は毎年、バレンタインデーに幼なじみに手づくりクッキーをプレゼントしている。

    ……バレンタイン当日には、声変わりして、背も伸び、可愛い系からかっこいい系に女子からの印象が昇格した彼の前に、長蛇の列ができていた。
    こんなことはいままでなかったのに、と困惑したけど、気合いで渡した。

    「今年はごめんね、大変だったよね。
    ちょうだいって無理して頼んじゃったから……どんなに高いものでもあげるよ」

    べつに、ほしいものなんてないんだけど……。

    「じゃあシャーペン買って」
    「安すぎるよ!!」

    不満げな彼に、じゃあどうしようと視線をさ迷わせたときだった。

    「今頼めばなんと、おまけに僕もついてきます!」

    ……そんなこと、言わないでよ。
    どうしてもほしくなっちゃったじゃん。

    「おまけがほしいので、ください」

    彼は私を抱きしめて、もちろん、と笑った。

    きゅん

    18

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  5. 「先輩、先輩」

    "大好きです"
    伝えたい想いを心に秘めながら、大きな背中に向かって声をかける。
    くるりと振り向いた先輩は、お散歩をねだる子犬のような、可愛らしい表情をした。

    「なに?」
    「チョコレートもらいました?」
    「……ううん」

    先輩のこと狙ってる女子は多いのに。意外。

    「そうなんですね。私はほしいです。食べたいです」
    「……バカ?」

    今、バカって言われる要素あったかな?

    「……そこは、『私があげましょうか』とか言ってほしいんだけど」

    私の髪をわしゃわしゃしながら言う。

    「チョコレートは、もらったよ。……でも、君からもらいたくて嘘ついたのに」

    体温の上がった私に、先輩は追い撃ちをかけてくる。

    「好きな人からもらえなきゃ、意味ない」

    私の頬を、先輩の手のひらが優しくなでる。

    後ろ手に隠し持っていた、手作りチョコレート。
    渡さない、という選択肢は、ないみたいだ。

    きゅん

    11

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  6. 視線が絡み合い、もどかしい。

    「……寒い」

    呟くけれど、彼はうなずくだけだった。
    彼の鼻の先と耳が、触れてほしそうに赤かった。
    あぁ、風邪ひいちゃう。
    そう思うけれど、触れられなかった。

    沈黙がおりるけれど、嫌ではない。
    心地のよい静けさ。
    目の前に降る雪が、遠くから見つめているよう。
    それくらい、2人きりの世界だ。



    「恥ずかしい、ね」

    彼は、呼吸を思い出したようにぎこちなく笑った。
    世の中のカップルたちはすごいね、と。

    利用している。
    けれど、そんなことを忘れてしまいたいくらい、貴方を手にいれたくなっていることに気づいたの。
    心に咲いた雪の華が、嗤ってる。
    雪をもとかす貴方のぬくもりに、触れたい。

    ……でも。
    罪悪感に凍った華が、とけてしまったら、隣にいる理由を失ってしまう。

    そんなの嫌。

    ……なのに、なぜかこの気持ちには逆らえない……。

    彼の顔へ、手を伸ばした。

    きゅん

    4

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  7. 2人っきりのグラウンド。
    サッカーボールがひとつ、ゴールの真ん前に転がっている。

    「俺さぁ、お前のこと好きすぎてどうにかなりそう」

    なればいい。
    私は別に、……好きでもなんでもないから。

    「……可愛いよな、お前。ずるい」

    そんなことを言いながら、私のほっぺたをむにむにさわってくる。

    「めっちゃめちゃ溺愛して、あんなことやこんなことしたいんだけど、付き合ってくれないんでしょ?」

    付き合うわけがない。
    こうして会うたびに、どこかに隠しカメラがないか、いつも探してしまう。
    それに、もしここで『うん』と言ってしまえば、まわりの女子たちからなんと言われることか。

    「……じゃあさ、そこのサッカーボールがゴールに入ったら、付き合って」

    有無を言わさないそのまっすぐな瞳が、私をとらえた。

    「……ん、考えとく」

    答えなんて、決まっている。

    こいつの溺愛は、甘くて心がとろけちゃうよ。

    きゅん

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  8. 「……あ、知ってる?」

    ひらりと、塀を乗り越えた彼。
    ……あの、不法侵入……。

    「ほら」

    手を差し出されたから、繋ぎたいな、と思ってしまった。悔しい。
    仕方ない。侵入しよう。

    「……さっきの話の続きね。
    ここって、夜になるとおばけがでるんだって」

    「……えっ……?」

    冷や汗が伝った。
    私が大の怖がりなことを知っているくせに……!

    「まぁ、それは予定なだけ。
    今日、ハロウィンでしょ。
    仮装しよ!」

    言われて、なんだ、そのことか。と胸を撫で下ろした。
    どこから持ってきたのか、コスプレ用の帽子をかぶる。

    「トリック オア トリート!」

    元気に笑って、彼は首を傾けた。
    仕方ない。ポーチに入っていた飴を渡す。

    「ありがと」

    美味しそうに飴を転がす彼。
    ……そして、なんでもない風に言った。

    「あとね、ここって、ハロウィンになると僕が君に告白するんだって。
    ……予定、だけどね」

    きゅん

    9

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  9. 「私の名前はジャスミンからきてるの!
    優美で愛らしくて愛想のいい人って意味!」

    あ、また可愛くないこと言っちゃったな。

    「茉莉花、からだろ?
    そのジャスミンって、ほんとの漢字じゃないけどなぁ」

    茉莉花は本当はアラビアジャスミンのことだ。

    青は、花に詳しくないのに……なんで?

    「お前、ジャスミンの話はもうしない方がいいぞ」

    私には似合わないと言いたいのか!!

    「ジャスミンって、誘惑って意味もあるから」

    耳もとでささやかれて、かぁ、と赤くなる。


    不器用な青の隣で、私、茉莉は恋をする。

    きゅん

    4

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  10. 「い、いれてください!」

    ドアの向こうでされている放送に、心がずきずき鳴いた。

    「やだよ。
    俺、あいつらの邪魔したくないもん」

    行く手をはばむのは、私の好きな人……私の親友の恋人。……の友だち。

    今、ラブラブカップル特集が放送されている。
    親友と好きな人の付き合い始めた理由が、全校に伝わる。

    「……知ってますか」

    「知らないよ。……なにが?」

    「……私、彼に告白したんです。

    ……ふられ、ました。
    私の隣の、親友が好きだって。

    私を見守りに来ていた親友が聞いて、付き合い始めたんです」

    先輩は、目を丸くする。

    「……もう、気持ちは隠したの。
    なのに、私の気持ち、みんなに放送されちゃうんですよ?」

    自虐的に嗤う。
    走って、逃げ出してしまおうかと思った。

    「……待て。
    俺が、助けてやる。
    1人になんか、させねぇよ。
    つらかったな」

    頭を撫でられて、涙が……溢れた。

    きゅん

    4

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  11. ……あ、自主連してる。
    ひとりで、サッカーボールを懸命に蹴って。
    かっこいいな、って、見つめ続けてた。
    彼の幼なじみ兼マネージャーのサヤちゃんには勝てないけれど、こっそり応援ぐらい、していたかったから。

    ……ていうか、サヤちゃんは他に好きな人がいるし、彼にも好きな人がいるらしいんだけどね。

    「……もっと頑張れば、サヤも振り向いてくれるかなぁ」

    小さな呟きを聞いて、心臓がドクンと脈打った。
    サヤちゃんが、好きなの……?

    やっぱり、あたしじゃ、だめなんだ……。

    「サヤ……俺のこと、見てくれよ……」

    サヤちゃんの瞳に、キミはうつっていないの?
    なのになんで、そんなに好きなの?
    涙も流さず、汗を拭って。
    そんなに、なれちゃったの?



    ……あたしだって、キミの瞳にうつってないことくらい知ってる。
    …………だから、こんなにも涙が溢れるんだ。

    想いが、押さえきれないんだ……。

    きゅん

    9

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  12. ここ、神田外語大学は、本がたくさん。
    もしかして、お気に入りの本もあるかな。
    あんまり有名な本じゃないけど、すっごく面白いからあってほしいな。
    何度も何度も、本棚を確認していく。

    「なにか探してるの?」

    後ろからかけられた落ち着いた声。心にすとんとおちてきた。

    「そうなんですけど……って、あー!」

    振り向いて返事をしかけて、目を見開く。
    すっごく綺麗な人。
    それに、持ってる本って……。

    「この本を探してた?」

    うなずくと、彼は目を細めて笑った。

    「一緒に、読もうか」

    隣の席に座って、吐息が耳にかかりそうなほど近距離で。

    「この本、好き?」

    えへへ、と笑って返事をする。

    「俺も!
    ……これからも、こうして一緒にいたいな」

    柔らかく微笑まれる。

    「……私もです。
    頑張って、受かります……っ!」

    縮まった心の距離。

    ……先輩、好きになっちゃいました。

    きゅん

    7

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  13. 「うわ……」

    「あぁ!?」

    私の胸ぐらをつかんで持ち上げそうな勢いでやってくる彼。

    「ご、ごごご、ごめんなさいぃぃ!」

    最初の嫌な顔からひきつった顔に変わり、必死に謝る私。あー、情けない。

    でも仕方ない。
    クラスメイトで、暴走族で、喧嘩強くって、今停学中のやつが通学路にいるんだから。しかも、なぜか制服着てるし!

    右手を上にあげたので、反射的に反抗してしまった。

    「な、殴らないで!!」

    喧嘩強いから、殺られる……!
    ぎゅっと目をつぶったそのとき。

    「はぁ?」

    意外にも、頭をぽんぽんと優しくされた。

    「……えっ……」

    目を開けると、顔を真っ赤にした彼が。

    「……停学、なしにしてほしいから、謝りに行く。
    学校でお前に会いたいから、謝るんだからな!!」

    だから制服なのか。
    もしかして、仲間を守るために喧嘩した?
    ……暴走族が謝るかな、普通。

    君のこと、もっと知りたい。

    きゅん

    4

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  14. 「わわわっ!イケメンさんがいっぱい!」

    隣でぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶ、イケメンに目がない大親友。
    残念ながらあたしには魅力がわからない。

    「ねぇねぇ、なーちゃん!かっこいいよねぇ……」

    ぽぅ、と頬を火照らしているけど……そうなのかな?

    「……あの」

    声をかけてくるのは、大人しそうな人。

    「へぇ。なーちゃんってあだ名?かわいいね。
    俺も呼んでいい?」

    髪が少し明るい、……なんというか、チャラそうな人。

    「だめだよ、僕だって、呼びたいんだから」

    かわいい感じの人。

    三人のイケメンに囲まれちゃって、あたしはあたふたするしかない。



    「……好きだから、付き合ってくれない?」

    大人しい人が言ってから、チャラい人とかわいい人も言い合いしだす。

    「あぁー!抜けがけ禁止!」

    ……みんなから注目浴びちゃってるし、あたしの学校生活は、大変なことになりそうです……!?

    きゅん

    8

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  15. 「俺、大会近いから練習してるんだよ。
    帰れなくてごめん、でも来週には大会終わるし……」

    幼なじみであり、彼氏であるサッカー部部長の彼。
    私の猛アタックが通じ、付き合い始めた。

    けど。

    「……いくつ大会あるのよ?」

    もう2ヶ月も、『来週には大会終わる』って言って、ずっと一緒に帰れてない。

    「先輩、練習しましょ?」

    「おう。
    じゃ、お前さっさと帰れよ。邪魔」

    マネージャーの、私なんかよりもちっちゃくて可愛い女の子の声にすぐ返事して、行ってしまった。
    声のトーンも、私とは明らかに違う。
    マネージャーの子は、当たり前のように彼の腕を引っ張って練習場へつれていく。

    「……邪魔、って、しょうがないじゃん」

    私、好きって言われたことも、ないよ?

    ……マネージャーと、二人きりで出掛けたった言う噂も、否定しなかったよね。

    「……好き、なんだよ」

    涙が溢れ、座り込む。



    寂しい。

    きゅん

    8

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  16. 「クラスがえ、さみしいな……」

    いつも当たり前のように横にいてくれたこいつと、クラスが離れた。

    「……うん。
    でも、話せなくなる訳じゃないし!」

    あたしたちは、同じクラスだった頃によく通っていた廊下をならんで歩く。

    こいつはそんなことを言って笑うけど、あたしは、違うクラスに異性が行って話す、なんてハードルが高すぎる。と、不安で仕方ない。

    彼女じゃ、ない、ただの片想いだから。

    「……まぁ、気にすんなよ!
    どんなに離れても、絶対俺がそばに行くって!」

    そして、髪をくしゃくしゃとなでられる。

    さみしさと、ドキドキとがまじった。
    ……あたしのこと好きじゃないのに、期待させないでよ。

    「バーカ!」

    いつか、笑うよ。
    クラスが離れる前よりもっと、笑うから。

    「……さみしい……」

    今だけ、泣かせて。

    今だけ、ぎゅって抱きしめてくれたこのままで……。

    きゅん

    3

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  17. 2月15日に無理矢理、『自分用だったけどいらなくなった』といってわたしたチョコレート。

    さて、ホワイトデー当日。

    「ごめん!」

    私は放課後、ずっと待っていた。
    理由は簡単。
    バレンタインデーにわたせなかった、もう一度わたしたい女子が列を作っていたから。

    「……これでいい?
    ホワイトデー、ってことで」

    顔を赤くし、ラッピングされたものをわたすこいつ。

    「手作りだよ、悪いか」

    私だけへの、特別。
    私とだけの、秘密。

    「好き、って言ったら悪いかよ……」

    消えかけのその声で、こいつは言った。

    「……好き、って言ったらダメ……?」

    「いーよ」

    私は唇をうばわれて。

    「ホワイトデー、の特別な」

    こいつは耳元で囁いた。

    きゅん

    12

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  18. 「……ねぇっ!」

    2月15日。
    渡せなかった昨日のチョコレートは、まだかばんのなか。

    「なに?」

    なんで、好きになったのかな?

    「……あ、のね!
    これ、あげる!」

    ラッピングされたチョコレートを無理やりあげる。

    「余っちゃっただけだから!
    別にあんたのためとかでは……っ!」

    「余ってわざわざ俺に?」

    言い訳を一瞬で崩される。

    「~っ!
    じゃあ、自分用にと思ってたけどやめたから!」

    「……綺麗にラッピングして?」

    目をそらす。

    「……ありがと。
    ホワイトデーなんかやるよ」

    そして耳元でささやかれる。
    こんなことするから、恋におちたんだよ。

    「もちろん、特別に」

    きゅん

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  19. はい、やってしまいました!
    体育でぼーっとしてたせいでボールが鼻に直撃!
    すりむきましたよ!
    幼なじみの、気持ちが顔にでないという気持ちわるーいあいつにみられ、今、保健室にいる。

    「バカだよね」

    絆創膏をはられ、今回で5回目のバカを聞く。

    「バカ、バカってさぁ。関係なくない?」

    あんたは保護者か!と、つっこむ。

    「保護者じゃ、ねぇよ」

    むっとした声に「珍しいね」と目を合わせると。

    ……唇に、温もり……

    「好きだから心配してんだろ!!」

    ……表情でまくり。……好きじゃなかったのに。

    「……バーカ」

    照れ隠しでデコピンしてくるやつに、少しキュンとした。

    きゅん

    9

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  20. 「知ってる?」

    私は幼馴染に聞く。

    「はぁ?
    なにをだよ」

    私があんたを好きなのすら、知らずに。

    「なんだと思う?」

    聞いてみる。
    今まで我慢してたんだ、いじわるくらい許してね?

    「……好きな人?」

    ちくちく。
    なんだか心が痛い。
    私の好きな人を、誰だと思っているのか、急に不安になったから。

    「……うん」

    「……誰?
    俺だったら、いいな」

    え?
    私は顔をあげると。
    唇がふってきた。

    「狙ってたよ、いつも」

    私の耳元で、ささやいた。

    きゅん

    10

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  21. 「ミケ猫ちゃん」

    今日は俺様王子の直王とクリスマスをすごす。

    「早く、早く」

    珍しく俺様王子がはしゃいでる。

    「お菓子を男がつくってもおかしくない日!!」

    お菓子作り、得意だもんね。
    食べたいなぁ、なんて。

    「……ミケ猫ちゃん、食う?」
    「いいの!?」
    「もちろん!」

    たちまち笑顔になった私に。

    カシャリ

    「ミケ猫ちゃんの、嬉しそうな顔の写真、いただきました」
    「消して、今すぐ!!」
    「やだ」
    「なんで、恥ずかしいじゃん!」
    「来年も、隣でからかおうと思って」

    ……?

    「来年も、クリスマス一緒に来よう」

    うん、と、頷いた私に、もう一枚シャッター音がなった。
    【私、可愛い子猫だから拾って。】

    きゅん

    6

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