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  2. 私の2つ歳上の彼は、毎日放課後になると音楽室でピアノを弾いていた。私は彼のピアノが好きで、放課後は音楽室へ通っていた。

    ─彼は、いつも私の名前を優しく、丁寧に呼ぶ。

    『美音』

    私は彼のピアノも、声も、全てが好きだった。
    でも彼は私の名前を呼ぶと、いつも何故か悲しそうに微笑んだ。とても聞ける雰囲気ではなくて、何故そんな顔をするのか聞いたことはなかったが、今ならわかる。─彼の命は永くなかった。

    彼は日を重ねるごとにやつれていき、学校へ来れなくなった。私は毎日病院へお見舞いに行ったが、体調が良くなることはなく、眠る時間がだんだん増えていった。

    ─そして彼は、私の顔を見て綺麗な微笑みを浮かべ、目を閉じた。その目が開かれることは、もうないだろう。

    私は半年に1回、彼のお墓へ通っている。

    『もうあなたに歳、追いついちゃいました。』

    これが最後。


    『…あの時から、ずっと好きでした。』

    きゅん

    7

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  3. 『せーんぱーい!』

    ーそう言って毎日背後から私に抱きついてくるのは後輩の南くん。

    『もうすぐバレンタインですね!先輩は誰かにチョコ渡すんですか?』

    ー私にくっついたまま耳元で聞いてくるので、少しくすぐったい。

    「うん。渡すよ。」

    『…先輩、僕にチョコください。…本命の。』

    「え…。」

    ー切なげにそういう南くんに戸惑っていると誰かに腕をひかれ、抱きしめられる。顔を上げるとそこには幼馴染の渚がいて、私は渚に抱きしめられていた。

    『ダメ。胡桃の本命は俺の。』

    「…渚……?」

    『俺に胡桃の本命ちょうだい?』

    ー上から私を見下ろす渚の顔は真剣で、冗談じゃないことがわかる。



    『先輩…』
    『胡桃』


           『『どっちに渡すの?』』



    私は……ー

    きゅん

    3

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  4. 放課後の生徒会室。今ここにいるのは、幼なじみでこの学校の生徒会長の唯斗と、副生徒会長の私だけ。
    そして今私達は先生に頼まれた資料を作成している。

    「ねぇ唯斗。」
    『なに。』

    クールな唯斗は資料に目を向けながら私の返事に答える。

    「今日さ、バレンタインじゃん? 唯斗どのくらいチョコ貰った?」

    ずっと前から唯斗に密かに想いを寄せている私。度胸がない私は、なかなかチョコを渡せないでいた。

    『たくさん。』
    「…そっか、そうだよね。唯斗モテるもんね。」

    自分で聞いたくせに、泣きそうになる。

    『でも受け取ってない。』
    「え…?」

    私は顔を上げ、唯斗を見る。唯斗も手を止め、私を見ていた。

    『俺はお前から本命チョコが貰えたらそれで十分だから。』

    そう言って私に右手を出してくる。

    『くれるんだろ、本命。』
    「……し、仕方ないなぁ。あげるよっ…。」

    想いを込めたチョコを、彼に手渡した。

    きゅん

    23

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  5. 『チョコくれないの。』

    放課後、図書室のカウンターに座り、本を読みながら図書当番をしていた私は上から聞こえた無気力な声に顔を上げた。

    『美咲先輩、チョコ。』

    なんだ…あんたか、と目線を手元の本に戻すと、彼は私の本を奪い、しゃがんで目線を合わせてくる。

    「あんた朝からたくさん貰ってたでしょ。」

    ため息をつきながら、彼の手から本を奪い返そうと手を伸ばす。しかしその手は本に届く前に、彼に掴まれてしまう。

    『美咲先輩のチョコが欲しい。』

    耳元でそう甘く囁かれては、流石の私も赤面する。
    …私はカバンからなかなか勇気を出せず、ずっと渡せないでいた彼用のチョコを出し、彼に渡す。

    『これ本命?』

    赤くなりながらそっぽ向いて頷く。
    すると彼は私の頬にキスをしてきた。
    私は驚いて彼を見る。

    『俺も好き。』

    それに「あっそ」としか返せない不器用な私。
    しかし彼は、そんな私に微笑んでくれた。

    きゅん

    17

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