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  1. 94件ヒットしました

  2. 「それでさ、翔也先輩がね」

    「あー」

    「すぐに電話くれてね」

    「うん」

    「やばいよね、めっちゃ幸せなんだけど」

    「ふーん」

    学校帰り。
    隣で大きなあくびをして頭を掻いたのは幼なじみのマサト。

    「ねぇ、聞いてんの?さっきから。あー、とかふーんとか」

    「聞いてない」

    「はぁー?」

    「興味ないし、お前の彼氏の話」

    「ま、まだ彼氏じゃないけど」

    「どっちでもいいよ、面倒くせーな。友達に聞いてもらえば?」

    「えー、だって。友達に話したら嫌われるもん」

    「意味わかんね。俺はいいのかよ」

    「うん。マサトはいい。嫌いになんないでしょ私の事」

    「は?」

    「幼なじみなんだから」

    「…あー。嫌いになれたらいいのにな」

    「え?」

    「何にも」



    「あっ!翔也先輩から電話!」

    電話に出ようとスマホを出した腕を掴まれた。

    「出んな。ムカつくから」

    きゅん

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  3. 今日はクラスのメンバーで図書室で勉強をする事になっていた。
    「皆遅いね」
    「もう来るだろ」
    約束の時間を過ぎているのに私と国見君以外のメンバーが来ない。

    「ねぇ国見君ここ分かんない」
    私は数学の教科書を目の前の国見君に差し出す。

    「ここテスト範囲じゃない」
    「えっ」
    フッと国見君が笑う。つられて私も笑う。
    この笑顔が好きなんだ。

    「何?見過ぎ」
    「な、なんでもない。あー、皆早く来ないかな」
    見つめていたのがバレた事が恥ずかしくて私は慌てて教科書を捲りながら早口でそう言った。

    すると、ツンと左頬の横髪を引っ張られ心臓が音をたてる。
    視線を上げると国見君の茶色い瞳が真っ直ぐ私を見ていた。
    「国見君?」
    「…そんな来てほしい?皆に」
    「え?」
    「俺だけ見てよ」
    その時、他のメンバーの声が聞こえ国見君の右手がパッと離れた。
    彼は目を合わせてくれない。私、自惚れちゃっていいんだよね?国見君。

    きゅん

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  4. 「こんにちはー…って、芝君もう泳いでるし」
    既にウォーミングアップを始めていたのは同じ水泳部の芝君だった。

    他の部員もまだいない。
    ベンチに荷物を置き日焼け止めを塗る。

    「お前またその格好で上がってきたのかよ」
    暫くして背後から芝君の声がした。

    「ビックリしたぁ…更衣室下なんだから仕方ないじゃん」

    プールは体育館の屋上にあり、芝君は私が水着でウロウロしている事を気にしているらしくよく注意される。
    「ジャージくらい履けって」
    「上は羽織ってるもん」

    私が口答えすると彼は「警戒心の無い奴」と大きくため息を吐いた。

    「誰も見てないよ。ビキニでもないのに」
    「見るだろ男は」
    「そうなの?芝君も実は目のやり場に困ってる?」
    ふざけてそんな風にからかうと、予想外に芝君が赤くなった。
    「え、照れてる?芝く…」
    「うるさい。それ以上喋んな」
    そう言いキスしてきた芝君の唇はやっぱり少し熱かった。

    きゅん

    3

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  5. 家庭科の授業中。
    先生が一番前の作業台でお手本を作っている。
    皆が席を離れるこの時間、私は同じ班の須藤君と話し込む。

    話題は決まって恋愛相談。

    私は好きな人に恋愛相談をしてしまう面倒臭い女だ。

    「……あのさ須藤君。友達の話なんだけど」

    「何?」

    「好きな人に告白したくて」

    「…へぇ」

    「どんな風がいいと思う?」

    彼は少し考えてから、私の目をじっと見た。

    「授業中だな。皆に聞こえないように、こっそり言ってくれたら萌えるー」

    「萌え…なにそれ!もう、真剣なのに」

    「あ。怒った」
    ケラケラ笑う須藤君。

    「だいたい、授業中にこっそりって無理でしょ」

    「そう?今とかチャンスだろ」

    確かに、今なら皆が席にいない…

    「ほら。告白してよ今、俺に」

    「え?…と、友達の話って言ったじゃん」

    「…じゃあそのお友達に言っとけ。

    俺は好きでもない奴の恋愛相談乗るほど暇じゃない」

    きゅん

    5

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  6. 今日も来た。最近美術部に顔を出す素敵な先輩。
    いつもは部長と立ち話をして帰るけれど今日は違った。
    「何の絵描くの?」

    「え!えっと、えー…」
    突然の状況にいつもより高い声が出た自分に驚く。

    すると、足元にデッサン用の鉛筆が転がってきた。

    「あ。悪い川崎」

    美術部唯一の同級生、新見君だった。そして川崎は私。
    迅速に拾い先輩の方を向き直す。

    すると今度は消しゴムがコロン。思わず新見君を見た。
    「手がすべった」

    私は拾った消しゴムを少し強めに新見君に手渡す。

    先輩は「ごめん、邪魔だったかな」とその場を離れようとしていた。
    「え、待っ…」
    引き止めようとした時、足元に転がったのは新品の絵具だった。

    「拾ってよ、川崎」

    私は勢いよく拾い上げて新見君に詰め寄った。
    “もう、なんで邪魔するの?”小声で抗議する私に彼は飄々とこう言った。
    「アイツより俺を見てほしいからに決まってんじゃん」

    きゅん

    5

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  7. 「彼氏居たことないんだ?」
    職員室に提出物を一緒に届けにいく途中。
    佐橋君はチラリと私を見た。

    確かに今日そんな話を友達とした。
    それを一番聞かれたくない人に聞かれていたらしい。

    「それは…だって、あれは付き合っていたうちには…」
    いたたまれない私は下を向く。

    私と佐橋君は中学時代、付き合っていた。

    でもそれは、周りに囃し立てられ付き合っただけで、一緒に帰ったことも無ければ話すこともいつの間にか無くなった。

    「…ふーん。だからノーカウント?」

    佐橋君だって空気を読んで付き合ってくれただけで、所詮私の片思いだから思い出すと今でも少し胸が痛いんだよ。
    「もういいじゃない、中学の話でしょ」

    私がそう言うと佐橋君は立ち止まった。

    「俺は別れたつもりなかったよ、ずっと。すげー好きだったから」

    「え…」

    「もう一回俺と付き合って?…今度はちゃんと」

    きゅん

    9

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  8. 放課後の自習室に響くペンの音。
    はらり、と教科書をめくる音。

    私は頬杖をついたまま、いくつか先の机で仲良くイヤホンを分け合うカップルの背中をじっと見つめた。

    「おい」
    ポンっと、頭に重たい物が乗っかる。

    ガクッと頬杖が崩れた私は「イタ…」と小さく声を漏らし頭上を見上げた。

    「お前見すぎ。欲求不満なの?」
    そう言って眉間に皺を寄せる彼の視線の先には先程のイヤホンカップル。

    「ち、違う!」
    赤くなった私の顔を横目に
    ごく自然に隣に座った彼、森島君は英語の教科書を開いた。

    「…森島君、ここで勉強?」

    「自習室だろ、ここ」

    そうじゃなくて他の席、空いてるのに…という言葉をのみ込んだ私が同じ英語の教科書を開くと、森島君が隣でフッと笑った。

    「え、なに?」
    彼は鞄からイヤホンを取り出し私の目の前にぶら下げた。

    「リスニング、一緒に聴く?」

    どうして彼は私をこんなに赤くさせるんだ。

    きゅん

    8

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  9. 雨の日は、サッカー部は体育館で基礎トレになる。

    マネージャーの私も手が空くので体育館の端で新聞を広げた。

    「うわぁ、自信満々な顔」

    載っているのは卒業後プロ入りが決まったエース柳君。

    そんな彼の記事は全てスクラップしてノートにまとめている。
    もちろんマネージャーとして。

    「悪かったな自信満々な顔で」

    「わっ、びっくりした…って、基礎トレは?」

    急に顔を覗かせてきたのはその柳君だった。

    「いま休憩入った」

    私の横にドカッと座り汗を拭うと、「見せて」とスクラップノートを私から奪った。

    「ふーん。まるで俺のファンだな」

    勝ち気な笑顔は記事の写真と変わらない。

    「マネージャーです」

    「…あっそ」

    ポンとノートを私の頭上に乗せると柳君はそのまま床に寝転がった。

    「柳君がプロ行ったらこんなノートじゃ足りないね」

    「…近くで見てればいいじゃん。新聞じゃなくて俺の隣で」

    きゅん

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  10. 「その顔、また怪我したの?」

    朝から下駄箱で遭遇したハルキの顔には、また擦り傷が増えていた。

    「昨日部活で」

    当然だと言わんばかりの無表情でそう言ったハルキはさっさと上履きに履き替えた。

    「大事にしなよ、顔だけは良いんだから」

    「だけって何だよ」

    「だってそうでしょ。口は悪いし意地悪だし」

    「お前にだけな。女には優しいよ」

    「私だって女なんですけど」

    そう言うと、急に立ち止まったハルキ。

    「………お前さぁ」

    突然真剣な顔をして、一体どうしたというんだ。

    「俺に女として見られたいの?」

    「す、少しくらい…」

    深いため息を吐くハルキ。


    「どういう意味か分かって言ってんの?
    そんな事したら俺は絶対戻れねーよ、幼なじみに」

    「何言って…」

    「だから決めてんの。お前は女として見ない」


    私とハルキ。幼なじみじゃなかったら、何か変わっていたのかな。

    きゅん

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  11. 「おはよヒロト」
    改札を出て少し先を歩く幼なじみの背中を見つけ声をかけた。

    「おは……」
    私の顔を見るなり彼の表情がフリーズした。
    冬も深まり、冷え込んだ今朝は私の手も頬も赤く染まる。
    何年かぶりに前髪をあげて出したこの、おでこも。

    「み、見ないでよ」
    「いや見るだろ」

    先に歩き出した私の後ろを追いかけてきたヒロトが笑ってるのが見なくても分かった。

    「何?その前髪。可愛いすぎて萌えるんですけど」
    案の定茶化してきたヒロトにムカついて振り返るとマフラーに顔を沈めていた。
    そうやって隠しても目が笑ってる。

    「雑誌に書いてあったんだもん。前髪上げた方がモテるって」

    私に追い付いたヒロトは「なるほど」と言いながら隣を並んで歩く。

    周りには同じ制服の生徒もちらほら歩いていた。

    そして、

    「没収だな」

    私の前髪を留めていたピンを一瞬ではずした。

    「え、なんで」

    「むかつくから」

    きゅん

    10

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  12. 「さみー」

    昴とは付き合って半年。

    「寒いなら教室戻ればいいじゃん」
    私はグラウンドを眺め、昴はスマホをいじってる。

    「戻んねーよ。せっかく上がってきたし」
    お昼休み。
    屋上までついてきたくせに昴はスマホに夢中だ。

    少し強い風がビュッと吹いたとき、昴が大きなくしゃみをした。

    「あー、誰か噂してんな」
    「どうせ悪い噂でしょ」
    「……あのな」

    だるそうに立ち上がった昴が私のすぐ隣に立つ。

    「お前さぁ。最近やけにつっかかってくんな?」
    真っ直ぐグラウンドを見つめたままの私の左側は、痛いほどに視線を感じた。

    「…私ばっかり。メールも電話も」

    「は?」

    「だから、寂しいんじゃん」

    何も言わない昴に不安になり隣を見上げると彼はククッと笑い出す。

    「な、なによ」

    「そんな可愛いこと言ってくれんなら、これからもそのスタンスでいこうかな」

    どうやら私の彼氏は反省をしないらしい。

    きゅん

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  13. 「そしたらコイツさぁ…」

    最近休み時間に、隣のクラスの男子がやってくる。

    隣の席の橘君のお友達らしい。

    よく喋るし、人なつこい。
    名前は知らないけれど橘君から“ヤッシ”と呼ばれているのを聞いた。


    「……って、聞いてる?夏目さん」

    「へ?私?聞いてなかった」
    と、いつしかこんな風に会話が飛んでくる事が増えていった。


    そうして1か月程経ったある日。その日は橘君が不在だった。

    「あれ?今日橘は?」
    いつものようにやってきたヤッシ君。
    「今日はお休みだよ」
    私がそう答えると彼は「めずらし」と言いながら橘君の席に座った。

    「教室戻らないの?」

    「戻る必要ある?」

    「え、だって橘君はお休み…」
    私が途中まで言いかけたところでヤッシ君は大きくため息を吐いた。

    「俺、橘じゃなくて毎日夏目サンに会いに来てんだよ。あいつは口実」
    と言い、意地悪っぽくヒヒッと笑った。

    きゅん

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  14. 「未歩、大丈夫?」
    「大丈夫だよっ!またね」
    ケホケホ咳をする私を心配して声を掛けてくれた友達に手を降って教室を出た。


    「関谷君、バイバイ」
    下駄箱で遭遇したクラスメイトに挨拶をして靴を履き替える。

    「宮井さん、そんな声だっけ」
    「え?あっ…喉、調子悪くて」
    関谷君とはあまり喋ったことが無いため、思わぬ返事に少し緊張した。

    「ふーん」

    靴を履き終え、再度バイバイと言おうと振り向くと目の前に居た彼の身長が思ったより高いことに気づきドキッとした。

    スッと目の前に差し出された飴に「へ?」と頓着な声がでる。
    「のど飴」
    「え?あ、ありが…」

    マフラーに顔を埋めていた関谷君がチラリと私を見て、ふっと笑い更に顔を埋めた。

    「なに?」
    「いや、急に顔赤いから。熱?」

    ハッとして両頬を押さえる。
    関谷君はどこか楽しそう。
    「…じゃ。お大事に」
    トドメと言わんばかりに頭にポンっと大きな手。

    きゅん

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  15. 文化祭実行委員になった私は、放課後居残りをして準備をしていた。


    「よし」
    束ねたプログラムをトントンと揃える。

    「あれ、まだ居たんだ?中村」

    教室の前の扉から顔を覗かせたのは隣のクラスの青山君。
    久々に聞く声に心臓が音を立てた。

    「あ…実行委員だから」

    なんか緊張する。
    久しぶりなんだ、青山君と話すのは。
    同じクラスだった1年の時は、席が前後だったこともありよく話をしていたんだけど。

    私の返事を聞くと青山君は「あぁ、文化祭」と呟きキョロキョロしながら私の座る窓際の席まで近づいた。

    沈黙が流れる。

    「なんか喋れよ」

    「えっ?私??」

    「冗談。俺が緊張してる」

    隣の机に腰掛けた青山君の視線に耐えきれず下をむいたまま
    「緊張って…久々だから?」と尋ねた。

    「それもある。でも他の理由」

    その言葉に顔を上げると目があった青山君はふっと笑った。

    「言わないけど。今は」

    きゅん

    7

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  16. 「いいねそれ、高梨さん。青春っぽい」

    両手の親指と人差し指でカメラのような形を作って私に向けてきたのは、隣の席の関谷君。

    「え……何が?」

    ぼーっと頬杖をついて窓の外を眺めていた私は固まる。

    彼は私の机の上に置いてあるペットボトルを指差した。

    「桃の天然水と高校生。それだけで窓際の席って絵になんね」

    彼にはそんな風に映っていたらしい。

    「で、隣の席はイケメン。少女漫画なら恋が始まる流れだな」

    私は思わず笑ってしまった。
    言った彼の方を見ると何故か頭を掻いている。

    「どうしたの?」

    「いや、何か。自分で言っといてあれだけど、…照れた」

    想定外の言葉に、なんだか私の方まで恥ずかしくなり赤くなってしまい、手で顔をパタパタと仰いだ。

    「高梨さん。そういう反応されるとマジで照れるって」

    「そ、そんなこと言われても」



    ドキドキ、そわそわ。
    恋が始まる瞬間は瑞々しい。

    きゅん

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  17. 「あー、腕いてぇ」

    いつからか二人で始めた部活の居残り練習。

    真面目にバスケの特訓していたのは最初の2週間だけで、最近は世間話をしながらボール磨きをする時間になっていた。

    「ボール磨きじゃなくてシュート練習すればいいじゃん」

    「部活で毎日練習してんのに終わってまでしたくねぇよ」

    彼はそのまま寝転がった。

    「最初は真面目にしてたのに」

    「お互い様だろ」

    その時、私が磨いていたボールが転がり彼の広げた腕に当たった。
    「あ、ごめん。手がすべって」

    「んー、…取りに来て」

    拾ってくれないのかと思いながらも、彼の腕で止まったボールをしゃがんで手にすると
    彼は急にむくっと上半身を起こした。

    至近距離で目が合う。

    「お前さ、…意識しないの?」

    「え?」

    「体育館で男と二人きりで居て」

    思わぬ話題に固まる私に彼はため息を吐いた。

    「いい加減気付いてくんない、俺の気持ち」

    きゅん

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  18. 「後藤さん、呼ばれてるよー」

    クラスメイトにそう言われ教室のドアに目を向けると、呼んでいたのは幼なじみの洸だった。

    「どうしたの?」

    「教科書、返しに来た」

    そういえば貸してたっけ。

    受け取ろうと手を出すと、ヒョイとかわされる。

    「え?」

    もう一度手を出す。
    またかわされる。

    「ちょっ…、洸」

    何度も繰り返される。
    これじゃまるで猫じゃらしだ。

    「もう!子供みたいなことしないで」
    ようやく手の届く所にきた教科書を奪って、洸を睨んだ。

    「あ、怒った」

    ケラケラと笑う洸。
    むかついて耳を引っ張ると、逆に洸が私の耳元に顔を近づけた。

    「いいの?俺とこんなにくっついて。彼氏、見てるけど」

    私はハッとして離れる。

    最近同じクラスに彼氏が出来た。

    「フラれたら洸のせいだ」

    「じゃあ彼氏に言っとけば?
    洸君はただの幼なじみだって。

    でも私の事を好きみたいって」

    きゅん

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  19. 美化委員は今日も草むしり。

    「上野って字キレイだよな」

    隣のクラスの美化委員は、男子だ。

    「え?」

    「委員会日誌、読んだ」

    突然誉められ、どんな反応をしたらいいのかわからず話題を変える。
    「…山下君こそ、サッカー上手いんだね」

    彼は驚いた顔をした後、少しだけ片方の口角を上げて笑った気がした。
    そして、「なんで?」と聞く。

    「今日の3限目、私の席から5組の体育の授業が見え…」

    私はほぼ最後まで言い終えた所でハッとして口を押さえた。

    目で追いかけてましたと言ったも同然のセリフを口走った事に、一瞬で熱くなった私の顔。

    「ハハッ」
    「ち、違うから」
    「なにが?」
    そう言う山下君は楽しそうだ。

    恥ずかしくなった私は横の髪で顔を隠す。




    「上野」

    私は返事をしなかった。

    「こっち向けって」

    握られる手首が熱い。


    山下君は真剣な顔で言った。

    「俺、自惚れていい?」

    きゅん

    13

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  20. 暑い


    熱い


    図書室は、エアコンが効いてて涼しいけど、

    この右側の熱さは、どうにもならないらしい。

    好きな人が隣にいるだけで、図書当番が嫌じゃない。


    「花火大会、来週だな」

    「あ、うん。だね」

    クラスの皆で行くことになった花火大会。

    すごく、すごく、楽しみだ。

    髪もアップにしたり。少しだけ、メイクしたりして。

    だって、好きな人には…可愛いって思ってほしい。

    「あ…浴衣、着ていこうかな」

    ぼそっと呟いた私に、彼は何も言わなかった。

    暫く流れた沈黙に
    窓の外から、蝉の鳴き声だけが大きく聞こえた。



    「似合うと思うよ」

    続いていた会話に、嬉しくなる。

    「そ、そうかな」

    「でも、私服でいいだろ」

    「え…」

    「来年、浴衣で。そしたら、


    二人で行こう」

    きゅん

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  21. 体育祭のポスター貼りをしていた。
    高い所は背伸びしても画鋲が刺さらない。

    足がつりそうな程に背伸びをしていたら
    スッと背後から伸びてきた手が、すんなりと画鋲を壁に埋めた。


    「あ、ありが…」

    お礼を言おうと振り返ったら、よく知った顔だった。

    「生まれたての子鹿」

    楽しそうにそう言ってきた同じクラスの西垣君。
    「しょ、しょうがないでしょ!届かないの」
    「アハハ」
    西垣君は近寄りがたい雰囲気があるけれど、
    話してみると意外とよく笑う。

    「それ、あと何枚あんの?」
    「6枚だけど…」
    「じゃあ、さっさと終わらせるか」

    そう言うと西垣君は私が持っていたポスターを奪い取った。

    「え、自分でやるよ」
    「届かないんじゃないの?」
    「それは…」
    「あんな風に背伸びして、また誰かに貼ってもらう?」

    今日の西垣君はなんか、意地悪だ。
    そう思って俯いた私に、彼は言った。

    「俺だけにしてよ」

    きゅん

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