ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

  1. 9件ヒットしました

  2. 「帰るぞ」
    「あ、うん…」

    彼に力なく返せば、重い空気が辺りを囲う。
    幼馴染の彼と付き合ってから1年。
    私は悩みを抱えていた。
    彼を、幼馴染以上に見れない。
    それを言い出せなくて今も関係は続いている。

    今度こそ言わないと…

    「ねぇ…「お、まだ残ってんの?」

    遮ったのは、最近よく話すクラスの男子。

    「帰るぞ」
    「あ、」
    「…俺は絶対に離さないから」
    「っ!」

    顔を近づけた彼に、私は何も言えなくなる。
    廊下に出た彼の後ろを、私も重い足取りで歩いていれば

    「なぁ、俺と一緒に帰らない?」
    「え…」

    突然な言葉に、何故か胸が高鳴った。

    「…何してんの?」
    「お前の勝手な独占欲に、彼女を巻き込むなよ」
    「は?」
    「ずっと見てたけど、もう限界だ。彼女は俺が貰う」

    そう言った彼は、私に優しく微笑みかけて

    「行こう」

    繋がれた手は、私を自然と笑顔にしてくれた。

    きゅん

    8

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  3. 「先輩!」

    放課後の教室に入れば、目に映るのは席に座る先輩の姿。
    中学から付き合っている先輩は一足先に高校生になっていて、私もこの春にここに入学した。

    「楽しそうな顔。そんなに俺と一緒にいられるのが嬉しい?」

    「もちろん!先輩と一緒に高校生活ができるなんて夢みたい!」

    「そりゃよかった」

    「先輩、なんか余裕だね。…もしかして私がいなくても平気だった?」

    素っ気ない態度の先輩に悲しさを覚えれば、先輩は少し私を見つめたあとに、軽く手招きをする。

    「?なに…わっ!」

    近づけば、先輩は私を振り向かせ、後ろから抱きついた。
    そして片手でギュッと私の手を繋ぐと、

    「…寂しかったよ。だから今お前と一緒にいるだけで、嬉しさでどうにかなりそうだ。…俺、お前のこと大好きみたい」

    「っ!」

    春は始まりの季節。
    初めて見れた、先輩の新しい一面。
    今年は嬉しいことが沢山ありそうな予感です。

    きゅん

    8

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  4. 「……はぁ…」

    もう何度目かのため息をつきながら、私は机に置かれた箱を開ける。

    中から現れた真っ赤なハート型のチョコは、私の彼への気持ちを意味していた。

    「渡せないなら自分で食べてやる!」

    ヤケになってチョコを食べようとすると、誰かにその手を掴まれた。

    慌てて後ろを振り返れば、そこには想いを寄せている彼の姿。

    「へぇ、うまそうじゃん」

    「は?なに言って…ぁあ!?」

    瞬間、私の手に重なっていた彼の手が、チョコを彼の口に含ませた。

    「ごちそーさん」

    「あんたにあげるなんて言ってないんだけど!ていうか、あんた今日チョコいっぱい貰ってたでしょ!?」

    「んぁ?そんなの断ったに決まってんだろ」

    「え?なんで…」

    「好きなやつのしか貰わねーから」

    「じゃあなんで私の…」

    「……気づけよ、鈍感。お前が好きだって言ってんだよ」

    真っ赤なハートは、彼の心にもあったみたいです。

    きゅん

    5

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  5. 俺は今、絶賛お悩み中だ。

    「どうしたの?」

    歩みを止めた俺を、丸い瞳を上目遣いにして見上げてくる彼女。

    「っ、」

    あぁ、もう…可愛すぎ。

    本人は無自覚なのだから、余計にタチが悪い。

    付き合ってもう1年が経とうとしているのに、俺は未だに彼女の可愛さに慣れていなかった。

    「……なんでもない」

    こうやって日々、自分の理性と必死に戦ってる。

    冷静を装っているけど、内心は彼女の可愛さにもだえて、いっぱいいっぱいだ。

    「そ?…あ、そうだ。
    今日の数学の授業で分かんなかった所があって、また教えて貰ってもいい?」

    「…いいよ」

    「ありがと!…へへっ、さすが私の自慢の彼氏!」

    「っ!」

    少し照れくさそうに言った彼女のはにかんだ笑顔が可愛すぎて。

    俺だって、お前が自慢の彼女だよ…。

    口にしたら止まらなくなりそうで、心の中で小さく呟いた。

    俺の悩みはこれからも解決しそうにない。

    きゅん

    11

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  6. 「この2つならどっちかな?」
    「…アイツならこっちだと思う」

    ファッション雑誌を広げて君が俺に聞くのは、俺の親友のこと。

    「こっちね!チェックしとかないと!」

    そう言ってペンで丸をつける君を、俺はずっと想っている。

    初めて見た時から好きだった。
    何度も勇気を出して話しかけていた。
    だけど、君が好きになったのは俺の親友だった。

    「じゃあこれは?」
    「…好みじゃないと思う」

    ごめん。また嘘をついた。
    アイツのために頑張って変わろうとする君を、俺はこうして阻止してる。

    「あっ、もう帰らないと!」

    雑誌を閉じた君の腕を、俺は慌てて掴んだ。

    「今!アイツが好きそうなの見つけた!」
    「えっ、どれどれ!?」

    君は嬉しそうに雑誌を開く。

    ごめん。また嘘をついた。
    大好きな君と少しでも長くいるために、俺はこうして君を引き止める。

    きっとこれからも、俺はこうして君に嘘をつき続けるんだ。

    きゅん

    2

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  7. 「ふっ、うぅ…」

    2人ぼっちの教室で、涙を流す友人を私は優しく抱きしめる。

    「頑張ったね」

    頭を撫でてあげれば、友人は子供のように泣き出してしまった。

    「ずっと好きだったのに…、振られちゃった…!」

    流れ続ける雫と共に、友人は心の内を吐き出していく。

    「またいい人を見つけて、あの人よりずっと幸せになってやればいいんだよ!」

    拳を見せて言えば、友人は少し笑ってくれた。

    「うん…、次は一緒に幸せになろうね」

    「……うん」

    突然、心を深くえぐられた。

    『一緒に幸せになろうね』

    ごめんね、その約束は守れそうにない。
    だって、君があの人を想っていたように、私も君のことを想っているから。

    君はいつもを異性を好きになる。
    その当たり前がない私は、君が好きだから。

    こんなこと、伝えるつもりはこの先もないから、私は君と一緒に幸せになることはできそうにない。
    君が好きでごめん。

    きゅん

    3

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  8. 「どう?似合うでしょ?」

    「…あぁ、綺麗だよ」

    真っ白なウェディングドレスに身を包んで幸せそうな笑みを浮かべる君。

    「早く彼に見せたいな〜」

    その笑顔が、僕に向けられるものだったらよかったのに。
    君が思い浮かべるのは、ずっと君を想ってきた僕じゃない。

    「…仲がよくて羨ましいよ」

    思ってもないことを言う自分を心の中で嘲笑する。

    「彼のこと大好きだからね!
    そっちも早くいい相手見つけなよ!」

    「…そうだな」

    あぁ、僕は今どんな顔をしてるんだろう。
    ちゃんと笑って返せたのかな。

    歪みそうになる顔を必死に笑顔で塗り固める。

    これからもきっと、君は僕の気持ちに気づくことなんてないんだろう。
    僕がどんな気持ちで君を見ているかなんて、君は知らずに生きていくんだろう。

    「いっぱい祝福してね!」

    そんなことを言う君に、僕はもう繕った笑顔でしか返すことができない。
    こんな僕でごめん。

    きゅん

    3

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  9. 私と彼は今、あるゲームをしている。
    先に相手に好きと認めさせること。
    それがゲームの勝利条件。

    「あ、来たみたい」
    「了解。いくよ?」
    「うん」

    目の前に立つ長身イケメンと、私は顔を近づけていく。
    その時──

    「…おい!お前は俺のもんだろ!?
    他の男とキスしようとしてんじゃねぇよ!」

    振り向くと、待っていた彼が息を切らしてこっちを睨んでいた。

    「じゃあ俺は行くから。よかったな」
    「うん、ありがと」

    去って行く長身のその人に手を振れば、怒った口調で彼が私に言ってくる。

    「おい、今のやつ──」
    「あれ、私のお兄ちゃん」
    「え…?」

    私の言葉にポカンとする彼。

    「それより今、なんて言ったの?」
    「え…、っ!?」

    『お前は俺のもん』

    自分の言ったことを思い出して彼の頬は一気に赤く染まっていく。

    私はそんな彼を見て、イタズラに微笑んで言った。

    「ゲームは、私の勝ちだね…?」

    きゅん

    49

    Meniaさんをフォロー

    通報する

  10. 夏休み中の学校の図書室。
    私達はそこである本を探していた。

    「あ、あった!」
    「どこ?」
    「1番上のところ…、届かない」

    背伸びをして腕を伸ばしていると、後ろから薫くんが腕を伸ばしてくる。

    「あ、これね…、はい」
    「あ、ありがとう」

    距離の近さにドキドキして私は背中を向けたまま、薫くんから本を受け取る。
    すると、薫くんはそんな私に気づいたのか
    そのまま後ろから私に抱きついてきた。

    「か、薫くんっ…!?」

    驚いて振り向けば、さっきよりも近い距離で薫くんと目が合う。
    思わず前を向けば、薫くんが耳元に口を近づけてきて。

    「ねぇ、ひまり。折角の夏休みに図書室でずっと過ごすのは勿体ないと思わない?」
    「え…?」
    「2人で夏祭りでも行こうよ」
    「い、行きたい…!」

    嬉しい誘いに恥ずかしさも忘れてそう言えば、薫くんはふっと笑って艶やかな声で言った。

    「ひまりの浴衣姿…楽しみにしてるよ」

    きゅん

    11

    Meniaさんをフォロー

    通報する

▲