ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「こんなに泣いて…何もなかったわけねーだろ!」
    悠のせいで泣いてるんだよバカ!最初はチャラい集団に絡まれて泣いたけど、こんなにまでなったのはっ…!
    「他の女子といちゃいちゃしてれば!?」
    「はっ?」
    「わたしなんかほっといてくれればよかったのに!」
    「何怒ってんだよ!」
    もう意味わかんない!わたしが勝手に嫉妬して勝手に怒って…っこんなんだったら…っ!
    「こんなんだったら悠を好きになるんじゃなかったっ!!」
    涙がぶわっと溢れ出す。その瞬間、悠に強引に腕を引かれて抱きしめられた。
    「離してっ!」
    余計腕に力を入れるばかり。
    「悠なんかっ、」
    悠の腕が一瞬だけ緩んだと思った時には、唇に柔らかい何かが当たっていた。
    「俺自分が自分でわかんねーんだよ。お前が知らない男といるって思ったら…っまじ余裕ない」
    「余裕ないのはわたしっ…」
    悠が好きでベタ惚れなわたしでも許してね。
    「お前かわいすぎんだけど」

    きゅん

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  3. 「そろそろ戻ろう」
    「そうだな」
    そう言って悠は水に浸かると、腕を広げた。
    「来いよ」
    そんな言い方、ずるいよ。
    「怖くねーから。俺ぜってえお前を離さない」
    それ、彼氏みたいな台詞。わたしが恐る恐る水に入ると、一瞬だけ体が沈んで、怖い!って思った時には、悠の温かい腕の中にいた。
    「ほら言っただろ」
    そう言って優しく笑う悠。抱き合っているような形のわたし達。
    「今のお前、風呂入る人みたい」
    「は、はあ?」
    「体見えすぎ」
    「悠がこの水着選んだじゃん!ひどい」
    すると悠は一瞬ためらったようにも見えたが、早口で言った。
    「ばか。じゃあお前がすげー大人っぽくて色っぽいっていえばいいのかよ?」
    「っ〜。」
    もう、心臓が持ちません…。
    それに、悠、そんな事言ったらわたしバカだから勘違いしちゃうよ?
    「そんな格好で抱きついてくんなよ。」
    「だって悠が…!」
    「ごめん、可愛すぎてからかいたくなった」

    きゅん

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  4. 骨ばった蓮の手がシャーペンを握ってそれでノートを指している。
    「こーなるから…」
    だけど、残念ながらわたしは勉強に集中できるほど蓮に冷めていない。彼氏だというのに未だにドキドキしてしまうわたしは幼児だ。
    そんな時、不意に頰を突かれて我に帰る。
    「なあ、聞いてんの?」
    少しだるそうにわたしを覗き込んでくる蓮にまたドキッとしてしまう。
    「き、聞いてる」
    そういえば蓮はまた説明に戻る。
    だけどわたしの視線は蓮の伏せ目がちになった瞳とか、たまに動く喉仏とか、少し色っぽい蓮の黒い前髪とか、全然違うところばかり追っている。
    バタン!
    蓮が教科書を閉じるのでハッと顔を上げる。やばい…呆れられちゃった
    。口を引き結んでうつむいていると、
    「はあー。マジで限界」
    だ、だよね…
    「お前かわいすぎんだろ」
    「えっ?」
    顔を上げると、蓮がわたしの頬にかかった髪を耳にかけた。
    「もう勉強とかやめて、お前を見てたい」

    きゅん

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  5. チカチカと優しく輝く無数の光の中、わたしは大好きなギターを抱きしめて立っている。ひらひらと舞う雪の粉が肩に舞い落ちる。
    鼻の奥がツーンとして、わたしは震える指で一つの弦を弾く。
    『ちげーよ。』そう言って君が笑うような気がする。
    もう一度小さく弾く。
    『ほんとお前ちっちぇえ頃から物覚えわりーよな。』そう言って君が優しく微笑むような気がする。
    クリスマスイブ、サンタさんにみんなはお願いする。わたしの願いはただ一つ。
    君が欲しい。
    『お前のクリスマスプレゼント。』
    そう言ってはにかみながら君がくれたこのギター。ギターじゃなくて、君がいい。
    綺麗なイルミネーションの中、ぼやけた視界の先で腕を組んで楽しそうに笑いながら歩く君は、わたしじゃない誰かと一緒にいる。
    奏でた弦は、確かな音を残して消えてゆく。
    『下手くそ。』
    「蓮のバーカ。この弦だけは覚えたんだから。」
    そうつぶやいても、君には届かない。

    きゅん

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  6. 「穂花!」
    そう言ってくしゃって笑うのは悠。
    いつの間にか隣に立っていた彼はわたしの顔を覗き込んでくる。
    「悠!」
    わたしが思わずニコッと笑うと、悠がパッと目を逸らした。
    「お前この頃よく笑うようになったな。」
    「そうかな。」
    「おう。」
    そう言ってなぜかいきなり早足になる悠。
    挨拶もしないで帰っちゃうんだあってちょっと寂しく思ってると、
    いきなり悠がピタッと止まってものすごい勢いで迫ってきたから、
    わたしはぱっと身構えた。
    「バーカ!なにつったってんだよ!一緒に帰るに決まってんだろ!」
    「えっ…?」
    「ほら、行くぞ!」
    そう言うと悠は大股で歩き出した。
    「ちょ、ちょっと待ってよ!」
    そんな悠はまた新しい悠で、毎日いろんな悠の一面が見れてうれしいわたし。
    だけどね、悠。
    この頃気づいちゃったんだよ。
    悠が不機嫌になるのって、照れてるときなんでしょ?
    悠、もうこれ以上好きにさせないでよ。

    きゅん

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  7. 冷たい風に髪を煽られながら、青空の下で一人歌を口ずさむ君。
    学校の屋上はもうずっと君の好きな場所で、君はいつもここにいる。だからわたしも自然といつもこの場所にいるんだ。
    静かに隣に座れば、君は特に気にした様子もなく歌い続ける。
    ここにいる間だけ、わたしは君の隣にいることができるんだ。
    「今のは好きな奴に贈る歌。」
    君が小さく呟けば、わたしも静かに頷く。
    だけど君が好きな人が誰なのかはわからない。
    「なあ、もう一度歌っていい?」
    君がそう尋ねれば、
    「いいよ。」
    わたしは答える。
    風は氷みたいに冷たくて、冬に屋上に来るなんてきっとおかしい。だけどわたしは君がここにいるのがわかってるから来るんだよ。
    じゃあ君はどうしてこんなに寒い場所に毎日来るの?
    「♪〜君がいるから。」
    その答えはわからない。
    永遠の片想いかもしれないけれど、わたしは今までみたいに、これからもずっと君の隣で歌を聴き続けるよ。

    きゅん

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  8. ポケットに両手を突っ込んで、金髪の頭を揺すりながら歩くその後ろ姿は、わたしがずっと片思いをしてきた不良くん。
    「カイくん!」
    そういつものように声をかければ、
    「あ’ぁ?」
    って眉間にしわを寄せて振り返ってくる。すんごく怖い顔をしてるけど、本当は優しいのを知っているから、
    「好き!」
    ストレートに伝えて、いつの日か答えてくれるのかなあって待っている。
    「うっせえバカ!お前は大っ嫌えだから!」
    「大好き!」
    君は真っ直ぐに伝えないときっと心に届かない人なんだ。だからわたしは諦めない。
    「マジで嫌え。」
    「好きだから。」
    君はため息をついて大股に歩いてくる。耳のピアスがキラリと光る。
    「本気で嫌い。」
    もう一度好きって言おうとした時、
    ーチュッ
    唇に温かい何かが当たった。
    「お前バカなのに俺を好きにさせたから、マジで嫌い。」
    そしてぎゅっと抱きしめられた。
    「俺を好きにさせた責任取れよ。」

    きゅん

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  9. 放課後の帰り道を歩きながら、わたしは前方を歩く彼に目をやる。片耳にイアフォンをつけて、少しだるそうに歩くその後ろ姿は、わたしの大好きな彼氏。
    「ね、ねえ!」
    声をかければ、その彼は少し気だるそうに振り返る。黒い前髪が色っぽい。
    「やっぱなんでもない。」
    そういえば、彼は大股に近づいてくる。
    「言えよ。」
    「きょ、今日…誕生日なんだ。」
    目の前の彼は何を考えているのかわからない表情で俯いている。
    すると次の瞬間、
    「ん。忘れ物。」
    そう言って胸に袋を押し付けられる。そしてそのまま、すこし耳を赤らめながら足早に遠ざかって行く。
    「え…?」
    袋を開ければ…
    「ネックレス…。」
    っ…
    「ありがと…!」
    すると蓮は振り返る。
    「偶然持ってただけだから。」
    素直じゃない彼に小さく微笑めば、不意に目の前が暗くなり、
    ーチュッ
    「好き。誕生日おめでと。」

    贅沢すぎる誕生日、君がもっと好きになりました。

    きゅん

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  10. 「んん!うんめえ。」
    足を組んでジャムパンを頬張っているのは紛れもなく気まま男。
    「穂花もいる?」
    ん!とかじりかけのパンを突き出してくる彼、悠にわたしは思わず笑った。すると彼は目を見張って停止した。
    「い、今!」
    悠はわたしを人差し指でさしてくる。
    「お前笑った!」
    もしかしてわたし今まで笑ってなかったの?
    「ちょー幸せ。」
    そう言ってふにゃって笑う彼に、思わずまたほおを緩めた。悠はマイペースで笑ってばかりで、些細な出来事に幸せを見つける気分屋。『かっこいい』からは程遠い。

    それでもね、悠。

    「うわっ!毛虫降ってきたんだけど!!」
    「ふふっ。」

    悠がいるから、わたし、笑えるんだよ。

    「頭に乗ってるよ。」
    「嘘!」

    悠はそれに気づいているのかな?

    「とって!頼む!」
    「無理だよ。触れないもん。」
    「穂花〜!」

    絶対に言ってあげないけど、悠、わたしのそばにいてくれてありがとね?

    きゅん

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  11. 鏡に映るミニスカート姿の自分を見てうんざりする。いくら文化祭の行事だからって、こんなの公開処刑じゃん…
    「かわいい!早く出てー!」
    周りのお世辞の含まれた声に引きずられるように廊下に出されれば、周りからは痛いほど感じる視線。だから嫌だったのに…
    そんな時、
    「は、なにそれ。」
    低い声が聞こえて振り返れば、そこには眉間にシワを寄せる蓮の姿が。
    「どうせ似合ってませんよーだ。」

    小さい頃からこいつにからかわれて生きてきたわたしはため息をつく。

    「誰もお前のそんな格好見たくねーよ。」

    蓮はぶつぶつと文句を言っている。

    「うっさいなあ!着替えればいいんでしょ!」

    もう!なんなの!そう言って背を向けると、

    ーぱしっ

    強い力で腕を掴まれてわたしは引き止められる。

    「ごめん、嘘。」

    そう言ってまつ毛で縁取られた瞳を伏せる蓮。

    「そんなかわいいお前、誰にも見せられるわけねーじゃん。」

    きゅん

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  12. 中庭に現れた相川は、いつになく不機嫌だった。
    「で?何?」
    「あのね、紹介したい人が…。」
    「おめでと。よかったじゃん。」
    「え?」
    「彼氏できて、よかったな。」
    そういう相川は表情一つ変えずに淡々と語る。
    「そいつがいつも言ってたおまえの好きな人か?両想いってやつか。ははっ、よかったな。」
    好きな人は相川なのにっ…!
    「ちょ、何言って、っ〜!!」

    ドンっ!

    相川がわたしを壁に押し付けたせいで言葉は途切れた。

    彼の恐ろしいほど整った顔が目の前に浮かび上がる。

    ねえ…なに、して、るの?

    彼女は?

    なのに、何も発せないわたしは罪な女だ。

    「お前さ、いっつも俺を振り回して、なんもわかってねーんだよ…」

    そう言いながらゆっくりと顔を近づけてくる。

    「っ……気づけよ。」

    そう呟いた時の相川の表情が、あまりにも切なそうで、わたしは困惑した。

    なんでそんなに…悲しそうな顔をするの?

    きゅん

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  13. 「そんなの!!!わかるよ!!相川はずっと苦しかったんだよね?全部一人で抱え込んでいたんだよね?だめだよっ…そんなのっ、だめだよ。」

    わたしはそう言って、片膝をついて無意識に相川を抱きしめた。

    「っ…。」

    「相川っ、泣いてもいいんだよ?わたし、ずっとそばにいるよ?」

    「っくっ……っ。」

    相川はなんどもわたしのことを救ってくれた。

    今回だけは、わたしが君を助けたい。

    君のぬくもりを感じながらわたしは目を閉じる。

    好きっていいな。
    恋っていいな。

    君に告白できる日が来るかなんてわからない。

    それでも、ただ言えるのは、わたしはずっと君を想いつづけるということだけ。

    何があっても、どんなことがあっても、それでもきっとわたしが君を好きなことに変わりはないだろう。

    ねえ、君のこと、ずっと、ず〜っと、好きでいてもいいですか?

    きゅん

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  14. 男女二人がベッドの上……
    「っ〜////」
    そう考えたらどんどんと体温が上がっていくのがわかった。
    一人で変なことを巡らす自分に恥ずかしくなる。そして次の瞬間、相川はゆっくりと起き上がると、そっとわたしの頰を撫でてきた。わたしのよこに必然的に手をついて、まるで覆いかぶさるようにしている相川の顔を、盗み見る。か、カッコいい。少し乱れたVーネックからは鎖骨が見えていて、男子らしい喉仏が魅力的で、…って、そーじゃなくて!!
    「あ、い、かわ?」
    「この前は…ごめん。」
    え…わたしの頰をそっと撫でながら、不安そうな顔をして謝ってくる相川は、やっぱりかっこよくて、大好きで…
    「わたしの方こそ…ごめんね。」
    相川、この前はごめんね。
    「これからも、友達としてよろしくな、橘。」
    「うん、相川。」
    やっぱり苗字読みだけど…すこし、ほんのすこしだけ、距離が縮んだような気がしないでもなかった。

    きゅん

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  15. 「橘。」
    後ろから聞きなれた声がかけられ、わたしは思わずビクッとした。
    大きく息を吸って気持ちを整えると、わたしは振り返った。
    「昨日はサンキュ。」
    目を細めて微笑む相川がいた。
    「お前のおかげで一応あいつらに一言いうことできたわ。」
    「わたしは、別に。」
    「いや、助かったわ、マジで。」
    「そっか。」
    どうしてもそっけない返事しかできない自分がいやだ。
    彼女のために頑張るのは、普通のことじゃん。自分が彼女だったらな…なんて。
    「相川は、良い彼氏だよ。」
    そう言うと、相川は眉を寄せて、少しだけ切なそうに笑った、「ははっ、そうかな。」
    「そういえば、相川は今日部活ないの?」
    「ああ、毎週火曜日は休み。」
    そう言ってから、相川は視線をそらした。
    「お礼って形で、なんかおごらせろよ。」
    「へ?」
    「だーかーら、昨日のお礼としてさ、どっか行かね?」

    相川…君のこと、もっと好きになってもいいですか?

    きゅん

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  16. 「愛してる。」
    「わたしも。」
    演劇部に入ったのだって、お姫様役になったのだって、全部大好きな先輩のため。
    「白雪姫。」
    演技だってわかってるのに、間近にある先輩の伏せ目がちの瞳とか、ふわっと鼻をくすぐる柔軟剤の香りとか、肩におかれた先輩の大きな骨ばった手とか、全てがわたしをおかしくさせるのには充分で。諦めが早いわたしが一生懸命セリフを覚えて部活に来るのも、全部先輩が好きだからで。
    「綺麗だ。」
    先輩の低い心地よい声とともにわたしは彼の温もりに包まれた。演技なのに胸が痛くなるくらい苦しくて、それでいてずっと先輩に包まれていたいって矛盾した思いが交差した。中学生の時に初めて見た先輩の演技を忘れられず、わたしは彼と同じ舞台に立ちたくてこの高校に入学した。
    零れ落ちた涙が先輩の服にしみを作る。
    そんな時、
    「本当にお前を好きになってもいいかな?」
    先輩が誰にも聞こえないほど掠れた声で、囁いた。

    きゅん

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  17. 今日も楽しく他の女の子と会話してるのは、片想いの人…ではなくて、わたしの彼氏。
    「はぁー、お前ってほんっと男見る目ねーよな。」
    そしてなぜか隣にちゃっかり立っているのは、ふと横を見れば常に側にいる、うるさいサッカー部男子。二年連続隣の席になってわかったのは、こいつがうざいことくらいだ。
    「ぜってえ俺のほうがお前のバカ彼氏よりイケメンだわ〜。」
    こいつの中に遠慮という言葉は存在しないらしい。
    「うるさいなあ、ナルシスト。」
    「別にお前の前だけだし、ナルシストになんの。」
    「は?」
    「お前の前だとカッコよくしてーの!」
    ふと隣を見ると、少し切なそうに目を細めてわたしを見る彼がいて、不覚にも、少しだけドキッとした。
    「隣にいたければいれば?」
    冷たく返せば、
    「お前の許可がなくたって、俺はずっとお前の隣にいるから覚悟しろよ。」
    少しだけドキッとするセリフを言った彼は、ふわっと口門を上げて笑った。

    きゅん

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  18. 本当は、一番君を知っているはずだった。

    だけど今は君は誰か知らない女の子と歩いていて、わたしも君じゃない男の子と歩いている。いつもそばにいたからわからなかったけど、君は一番遠い人だったのかもしれない。自然とわたしは遠く離れた君を目で追ってしまう。

    その時、君は偶然なのか振り返る。わたし達の周りにはたくさん人がいるのに、なぜか君しかこの世にいないように思えてしまう。
    なぜか君の表情はゆがんでいる。
    「俺たち、いつからこうなっちゃったんだろうね。」
    遠くにいる君の声は聞こえるはずはないのに、君の口の動きだけでわかってしまうわたしはきっとおかしい。
    今しか伝えるときはない。
    好き同士って勝手に思ってたけど、言葉にしないと伝わらないんだ。
    「好き!」
    きっと君には届かない。こんなに離れているんだから。心も、体も。
    だけど君はなぜだかくしゃっと泣きそうなくらいの笑みをこぼした。
    「俺も好き!」

    きゅん

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  19. 昨日も今日も、わたしはいつだって君が好きで。
    「かわいいなあ。」
    そうやっていつも誰にでも優しい君が大好きで。
    だけどきっとあの日告白して受け入れてもらえたのもちょっとした君の気まぐれで。
    だからわたしはこうやって遠くから君を見つめていることしかできない。
    ーパチッ。
    その時違う世界で生きている君と自然と視線が絡み合った。
    すると君は真っ直ぐこっちに向かって歩いてくる。
    え?
    「なんで俺の隣にいねえんだよ。」
    「えっ?」
    「俺たち付き合ってるのに。俺はお前が好きだったから告白された時嬉しくてやばかったのに。」
    「だっていっつも女の子と!」
    「…不安にさせてた?」
    そう言って覗き込んでくる君の瞳が、不安げに揺れる。
    「好き…。」
    「…ごめん。」
    え…
    「ごめんな、これからはちゃんと彼氏する。俺、お前がいるから、変われるような気がする。」
    明日も明後日も明明後日も、きっと君のことが大好きだ。

    きゅん

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  20. 相川はだるそうに前の椅子に腰をかけながら、プリントにてをのばした。

    「え?なにしてんの?」

    「こんな大量な雑用しているお前ほっとけるかよ。」

    ぼそっとそうつぶやいて、ホッチキスで止め始める相川に、わたしは不覚にもドキッとしてしまった。

    わたしのために…手伝ってくれてるの?

    「本当に…ばか。」

    わたしは思わずつぶやいた。

    「は?」

    そんなことするから、期待しちゃうんじゃんか…

    もうこれ以上好きにさせないでよ…無責任だよ。


    君の瞳にわたしが映っても(完)

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    きゅん

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  21. 電車に揺られながら、他愛もない話をする。

    夕焼けが電車の窓から差し込んできて、相川の横顔をオレンジ色に染めて行く。


    ずっと続けばいいな、この時間。


    「聞く?」相川は片方の耳からイアフォンを外した。

    「うん!」わたしは思わず笑顔になった。


    こんなにバレバレなわたしな態度、相川は不思議にならないのかな。

    まあ、普通ならないよね。だって相川にとって、わたしはただの同級生…だもんね。


    ー 君の瞳にわたしが映っても(完) ー

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