ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 『俺が誰と何をやっていようが、お前に関係ないだろ!?いい加減、ウザイんだよ!』
    …大好きな人に振られた日。
    涙で前が曇って、苦しくて。
    「…だから、言ったろが」
    挙句、家の鍵を忘れて家にも入れなくて。
    隣の幼なじみの家のインターフォンを押すと、出てきた幼なじみが私の顔を見て、呟いた一言。
    「あいつを好きになった時、俺は言ったぞ。幸せにはなれないぞ、って」
    「っ…」
    「だから」


    ―グイッ


    「―俺にしとけよ」


    「…え?」
    家の中に引き込まれて、扉に追い詰められる。
    「俺が、お前を幸せにしてやるから」
    涙が止まる。
    急なことに、心臓は騒がしく。
    「好きだよ、」
    「っ」
    「昔から、な」


    ……大きな不幸が襲いかかった日、私はこの先、永遠に続く幸せを手に入れた。

    きゅん

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  3. 幼なじみの家に乗り込んで。
    「―ねね、わかんない」
    「あ?どれだよ」
    「友達の結婚式ってさ、どんなことを言えばいいの?」
    「そりゃ、当たり障りのないお祝いの言葉だろ」
    「それが分からないんだって」
    のべーっと、彼女は机に突っ伏す。
    「大事な友達だろ」
    「おう。…ついでに言えば、大事な幼なじみであるあんたの誕プレも悩んでる」
    「……友達のに集中しとけ」
    「あ、誕プレ、要らない?」
    「欲しい」
    「どっちだよ」
    近くなった親友の結婚式で、スピーチが決定。
    意外と難しいもんだ。原稿が出来ない。
    「なぁ、コーヒー飲む?」
    「飲むー」
    「ミルクと砂糖は?」
    「いるー」
    「じゃ、それ書いといて」
    「おー」
    台所に向かった彼を眺めて、置かれた紙を見る。
    「ーは!?」
    「それでいいよ、誕プレ」
    部屋の中、漂う珈琲の香りと婚姻届。
    意地悪な笑みを浮かべた幼なじみを見上げ、彼女は顔を引き攣らせた。

    きゅん

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  4. あ、もう日が沈み始めてる…。
    係の仕事で遅くなった私が荷物を取りに教室に行くと。
    「っ、」
    机に突っ伏して、彼は寝ていた。
    綺麗な顔が夕日に照らされて、とても綺麗。
    憧れの先輩。
    彼がいたから、私はここに入学した。
    躊躇いながらも、先輩が寝ている前の席の椅子に座る。
    こんなふうに同級生だったら、何か違ったのかな。とか考えてしまう。
    ってか…ここ、私の教室だよね?
    何で、先輩がここに居るんだろう…。
    よく分からないけどラッキー。
    先輩はモテモテで、手を出してはいけないみたいな決まり事がある。
    迂闊に手は出せないから、告白もダメ。
    何より私の親友が先輩に恋してる。
    私は好きになっちゃダメ。
    でも寝てるのなら。
    「好きです」
    叶わないなら、貴方が知らないところで。
    彼女の目から、涙がひとつ零れ落ちた。

    彼女が去った教室で。
    「…起きてたって言えなかった。やっぱ、かーわい」先輩はそう微笑んだ。

    きゅん

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  5. 「おい、馬鹿」
    「何?」
    いつもこんな感じ。
    顔合わせれば、私達は喧嘩ばかり。
    「俺、明日引っ越すんだけどよ」
    「知ってるよ」
    「餞別」
    寄越せ、と言わんばかりに手を出してくる奴。
    両親が仲良いから、知ってるつーの。
    「ない。ってか、母さんが何かやってんでしょ?」
    「お前から欲しいんだよ。寄越せ」
    「はぁ?」
    意味わかんない。
    そんなことを言われても何も持ってな…あ。
    「じゃあ、これあげるわ」
    渡したのは飴玉。
    たまたまポッケに入ってた。
    「そんなのしかない。我慢して」
    そう言うと、彼はふっと笑って。
    「お前らしい」そう言った。仲の悪い幼なじみでも、いなくなったら寂しいと感じるのかな。
    「ん」
    「何?」
    「やる」
    渡されたのは、綺麗な櫛。
    「何でよ?」
    「次会う時も女でいろよ」
    その一言で、ついぶん殴る。

    男が女に櫛を送ること。
    それがプロポーズということを知るのは、もう少し後のこと。

    きゅん

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  6. 遠距離の彼。
    駅に向かいに行くと、私が大好きな笑顔を彼は見せてくれた。
    「会いたかった…」
    ギューッと抱きしめられて、久々の温もりに私は泣きそうになる。
    そして、家に帰って。私達は愛し合った。
    触れてたかった。あと、3年。私は資格とったけど、彼は医者志望でまだ大学生だし…わがまま、言えない。不安だけど、彼は愛してくれるから。
    それが、私の希望。―愛されてるってことが。
    2人してベットに横になっていると、
    「―ねぇ、遠距離、やめない?」
    唐突に、そんなことを後ろから言われて。
    「えっ…」
    思わず、動揺してしまう。
    何か、悪いことしちゃった?
    私が嫌になることを…考えるけど、思い至るものはなくて…。
    涙、出てきて。
    「―バカ。絶対、違うことを考えてるでしょ…」
    「へっ?」
    振り向こうとしたけど、それは阻まれて。
    手を取られ、指に…振り向くと。
    「俺と結婚して下さい」
    …左薬指に輝くのは、指輪。

    きゅん

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  7. 「あれ?雪くん!」
    私は可愛がっている後輩の雪くんの姿を見つけ、傍に駆け寄る。
    「先輩!?」
    私を視界に入れ、驚くエプロン姿の雪くん。
    「ここ…雪くんのおうち?」
    Cose belle…素敵な花屋さんだな。
    「あー、引きますよね?」
    「え、なんで?」
    素敵なのに。
    「いや…男なのに花屋…」
    「えー?私は好き」
    花は綺麗だし。
    私がそう微笑むと、彼は慌てて。
    「幸せが飛んでくる、という花言葉です」
    と、いきなりピンクの胡蝶蘭を差し出してきて。
    「待って、私、お金ない!」
    生花の胡蝶蘭なんて、高いのに!
    「あ、お金は気にしないでください。俺があげたいだけなんで…」
    何故か顔を赤らめながら、渡される。
    「あ、ありがとう…」
    つられて、赤くなる。

    後日、図書館で花言葉を調べる。
    何故なら、ピンクの胡蝶蘭の花言葉は違うものだった気がしたから。
    「…あなたを、愛してます」
    貴方の気持ち、届きました。

    きゅん

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  8. 「ねぇ、なんでそんなに傷だらけなの?」

    朝。
    彼氏の那月咲人くんに会った瞬間、そう尋ねられた私。

    「な、何ででしょう?」

    曖昧に誤魔化すと、

    「聞いて、那月くん!莉乃ってば、朝から5回も転んだんだよ!?」

    友達の玲奈にチクられた。
    その言葉に、咲人くんはため息。

    「……座って」

    近くの段差に座らせられ、膝の生傷を露わにされる。

    「わっ……咲人くん!?」
    「消毒」

    わぉ、準備がいいなぁ……。

    カバンの中から消毒液とバンソーコーを取り出した彼は私の傷の手当をしてくれる。

    「だ、大丈夫だよ!?ドジなのは昔からだし……」
    「大丈夫じゃないでしょ。血が出てる」
    「あ、ご、ごめんなさい。ってか、そうだよね。傷だらけの彼女なんて、嫌だよね…」

    俯くと、そっと、頬に手を添えられて。
    上向かせられる…。

    「違う。…莉乃は俺のだから。大事にして」

    …私の彼氏は、ズルい人です。

    きゅん

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  9. 国内最強暴走族トップ・キングである松山勇真の監視の仕事。
    それが私に課せられた、初めて必要とされること。
    『出ていきなさいよ!この穀潰し!!』
    行く宛がなくなった。
    帰る場所がなくなった。
    ううん、お父さんとお母さんが死んでから、私に本当に帰る場所なんて存在してなかったんだ。
    そんな時、勇真が他の女の子と一緒にいるのを見てしまった。
    いつもの光景だし、私は勇真の彼女でもなんでもないのに。
    『私のことは放っておいてよ!!』
    痛む胸を押さえて、私は心配してくれる勇真にそんなことを言ってしまった。
    最低…。
    「っ、麻衣子!」
    振り返ると。息を切らした、貴方の姿。
    「見つけた…なぁ、言いたいことがあんだけど」
    「私にはない」
    「俺があるんだって。聞け」
    もう、近づかないでよ。虚しくなりたくない。
    「好きだ。だから、俺の元に来い」
    やめて、同情でそんなことを言わないで。
    期待してしまうから。

    きゅん

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  10. 「好きです」

    「好きだ」

    「好きだよ」

    ……タイプの違う三人。

    いつも一緒にご飯食べている面子なのに、どうしてこんなことに!?


    「俺以外を見るなよ。お前は俺を見てろ」

    一見、チャラそうで俺様な同級生。
    けど、その本質はとても心優しく、可愛い人。

    「先輩、俺を選んで」

    可愛い顔で、小悪魔に微笑む後輩。
    可愛がってきた大事な後輩で、よく好きな子の相談を受けていた。

    「大事にするから……ね?○○」

    優しく名前を呼ぶ、大好きなお兄ちゃんのような存在の、お隣に住む年上の幼馴染み。


    さぁ、お姫様が選ぶのは誰……っ!?


    (逆ハーレムとは、この事を言うのかな……)


    冷静なお姫様は、イケメンに言い寄られながらも、そんなことを考えた。

    きゅん

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  11. ずっと、そばにいた。


    生まれてきた日から、ずっと隣にいた。


    君のことなら、何でも知ってる。


    でも、君は俺の手をすり抜けようとしていく。


    行かないで。


    俺をおいて。


    振り返って。


    他の男のところになんか行かないてよ。


    俺を見て。


    好きなんだよ、どうしようもなく。


    ねぇ、俺以外に見せないで。

    きゅん

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  12. 「……おかえり」

    俺は微笑んだ。
    涙を必死に我慢する、彼女に。

    「待ってて……くれたの?」

    「うん、待ってたよ」

    待ってるよ。

    君を渡したくないからね。

    「頑張ったつもりだったんだけど……やっぱ、ダメだった。振られちゃった……色々応援してくれたのに、ごめんね」

    君の手を引き、頭を引き寄せる。

    抱き締めて、頭を撫でる。

    「お前は頑張ったよ。すごい頑張ってた。俺が見てたから」

    肩口に寄せられた、君の顔。

    泣いているその声は、僕にだけ聞かせて。

    「ありがとう……」

    「……。」

    (……ごめん)

    君が泣いているのに、

    君の恋が叶わなかったこと、

    少しホッとしているんだよ。

    なぁ、こっち見て。

    俺を好きになって。

    そしたら、泣かせないから。

    大事にするから。



    ……好きだよ。



    君が彼を想い始めるより、ずっと前から。

    きゅん

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  13. 家のしたきりで、俺は避けられていた。
    ずっと触れたくて、好きだった君が死ぬ間際、君は漸く、俺を受け入れてくれた。
    これから死ぬのに。
    だから、来世を信じよう。

    「お前の想いは俺が背負ってやる。どんなに重かろうが、この想いは変わらない。だから、次は共に生きよう」

    頬を包み、キスを送る。

    「また逢おう。それまで、お前はずっと俺の腕の中だ。離してなんてやらねぇぞ。やっと触れられたんだからな。そう簡単に手放して堪るか」

    永遠を信じよう。

    「愛してる。だから、今度は……俺と生きてくれ」

    すると、君は笑った。


    初めて見た、笑顔だった。


    俺はこの笑顔を生涯、忘れなかった。


    「楽しみにしてる」


    どれだけの時を越えても、君を忘れない。


    愛してる、愛してる。


    君と二人。


    どうか、次の世で。

    きゅん

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  14. 「ねぇ、○○はずっと友達だよね?変わったり、しないよね?」

    ああ、何て、残酷な言葉。
    俺は君が好きで、好きで仕方ないのに。

    片想い歴、10年。
    俺は本当に、いつになったら。

    「あー…無理」

    ―ダンッ

    細い腕を押さえ付け、壁に追い詰める。

    わかってる。
    悪気がないことは。
    だからこそ、辛いんだ。

    「もう、友達、やめたいんだけど」

    「えっ……○○……んっ」

    見守ってやりたかった。
    失わないようにと怯えて、頑張る君を。
    傷つかないように、予防線を張る君を。
    でも、いい加減、自分のものにしたい。


    なぁ……お前は、俺のことが嫌い?


    俺は好きだよ。


    君に触れると、おかしくなりそうなほどには。

    きゅん

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  15. 「蛍見たい!」
    「はい?」
    登校中。幼なじみであり、仕えるお嬢様が変なことを言い出した。
    「今の時期、蛍よね!今夜、川の上流へ行くわ!」
    「は!?」
    いつだって自分勝手。
    でも、そんなお嬢様が俺は好きで仕方ない。
    「行くって…旦那様がお許しになるわけ…」
    「お父様は私に甘い。お願いって言えばイチコロ」
    悪いお嬢様だ…。
    「ねね、ダメ?」
    おねだりはやめてほしい。俺はそれに逆らえない。
    大きなため息をつき、
    「わっ…」
    お嬢様の頭を撫で回す。
    「付き合ったら何してくれます?」
    「へ?」
    「御褒美下さい」
    すると、神妙な顔で悩み始めた。
    「あ」
    すると、何かを思い付いたように顔あげて。
    「屈んで」
    言われた通りに屈むと、
    ―チュッ
    まさかの仕打ち。
    「―フフッ、これ、昔、喜んでたもんね」
    「…」
    勘弁してほしい。
    ワガママで、自分勝手。
    だけど、そんなお嬢様が俺は本当に好きで好きで仕方ない。

    きゅん

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  16. 私にはもう、帰る場所がない。


    みんな、みんな、無くなった……


    「―泣くな、○○」


    嘆く私を後ろから抱き締めて。


    「帰る場所がないのなら、俺のところに来い。俺がお前の、帰る場所になってやるから」


    優しい声が、耳を刺激する。


    ねぇ、貴方はどんな気持ちでそんなことをするの?


    ずっと、ずっと、振り向いてくれない貴方を振り返る。


    すると、唇を掠め取られた。


    「好きだ」


    腕に力が籠る。


    ああ、私にもまだ、帰る場所があったね。


    貴方が私に与えてくれるんだね。


    「ありがとう」


    微笑むと、


    「死ぬまで離さないから、覚悟しておくんだな」


    と、余裕たっぷりの笑顔で返された。

    きゅん

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  17. 「じゃあ、せーので見せるよ!」
    「はいはい」
    幼なじみの適当な返事を聞きながら、私はテストを準備。
    「せーのっ!」
    私の掛け声で前に出された、数学のテスト。
    わかっていることだけど、こいつ頭良い…。
    「ふはっ、34点…」
    「わ、笑いすぎだよっ!」
    「お前、これじゃ進学できねぇぞ」
    「そん時は就職するもん!」
    「就職?何に?」
    「うっ…」
    勉強も得意でなければ、運動も苦手な私。
    それを知っている幼馴染みのこいつは笑うのを隠そうともしない。
    「な、なんかあるもん!」
    「例えば?」
    「例えば……」
    考えるけど、何も思い付かない。
    悩んでいると、私の髪で弄ぶのが好きな幼馴染みは私の髪を一房掬い、
    「お前でも就ける職、教えてやろうか」
    「え、何々?」
    いつも通り、キスを落としてくる。
    捕らわれて、目をそらせない。
    心臓が高鳴る。

    「俺んとこに永久就職」

    ……就職先、決まりそうです。

    きゅん

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  18. 二人っきりの部屋。
    押し倒され、口付けられる。
    深く、深く、どこまでも私を堕とす。

    「あいつを見て、惚れたか……?」

    不安げな貴方の声に、私は何も言えなかった。

    「耳元で好きって囁かれて、喜んだのか!?」

    否定、できなかった。
    驚いたけど、彼の気持ちは嬉しかったから。
    貴方は知らないでしょう。
    誰にも必要とされないことは。
    そんな恐怖、知らないでしょう?

    「んんっ……」

    傷が、また、増えていく。

    「俺以外の男を選ぶのは、許さない……っ」

    ベットに腕を縛り付けられ、それでも、私は無言を通した。怖かった。
    でも、それ以上に理性を失いかけてまで、私を必要とする彼が愛しかった。
    お互いに重い関係だからこそ、私は知って欲しい。

    「俺を必要以上に醜い嫉妬で狂わせるな……」

    知れば良いよ。嫉妬って言葉。
    苦しくて、耐えがたい、愛の鎖に縛られれば良い。

    きゅん

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  19. 学園もののドラマ。
    出演は国民的俳優の周嶺とアイドルの千川忍、そして、童顔俳優で知られる堤彰。
    周嶺が演じるのは、先生役。
    前回の大ヒットドラマに続き、またも先生役。
    千川忍が演じるのは、一生徒。
    後に、先生とヒロインを取り合う設定。
    堤彰が演じるのは、保健医。
    この二人の間に入り、ちょくちょくと助言をする愛嬌のある人気の保健医となる。

    そんなドラマ撮影の休み時間。
    台本を読んでいた周嶺に、千川忍が言った。
    「貴方が泣かせるのなら、俺、あいつ貰って良いですか。……演技の話ですが」
    その言葉に、周嶺は返す。
    自信満々に……彼女に愛されていると。
    「やってみろよ。けど、忘れんなよ。あいつが好きなのは、この俺なんだぜ。……演技の話だがな」
    あくまで、演技の話として収めた彼らは睨み合う。
    「あいつは誰にも渡さない」
    重すぎる愛を、
    初恋を君に。

    きゅん

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  20. 人形病。
    あなたはその名前を聞いたことがありますか?

    「―沙名。ご飯の時間よ」
    「はい」
    今日もお利口に返事して、私はお母さんの選んだ服を着て、お母さんの声に返事して、お母さんの言う通りに今日も生きる。
    「沙名は良い子ね。ずっと、お母さんが傍に居てあげるからね」
    沙名は、無表情でスープを口にしていた。
    この家に連れ去られてから、だいぶ経つ。
    それでも、お母さんは解放してくれなかった。
    部屋に戻ると、窓が叩かれる。
    ここは、2階なのに…。
    外を見れば、見覚えがある人。
    窓を開けて、私は無表情で名前を呼んだ。
    「嶺」
    大好きな、大好きな、大切な人。
    「迎えに来た。帰るよ、沙名」
    「…怒ってないの?」
    「怒るのは、君の方でしょ。ほら、帰ろ?伝えたいこともあるから」
    お母さんの足音が近づいてくる―…。
    ダメなのに、私はその手をとりたい。
    偽善の母の愛より、貴方の愛が私は欲しい―…。

    きゅん

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  21. 具合が悪いことを隠してて、いきなり倒れた沙耶。
    そして、彼女は願う。
    「生きるんだ、沙耶。何があっても、運命がお前を傷つけることになったとしても。生きたい、そう願い続けろ。…な?生きてやれ。お前を思う人達のためにも」
    聞けば生来、体が弱く、色々なものを諦めているらしい。
    兄や両親にあれだけ大事にされていても、消えるを願う沙耶。
    「俺が病院を訪ねたのはな?…本当は、お前の様子が気になったんだ」
    いつも元気な彼女がいきなり倒れ、何も言わない。
    目を閉じたまま、笑顔を見せてくれない。
    それだけで。
    「……お前が笑っていないことが、凄く、怖かった」
    また、喪うのかと。
    そこで、気がついたんだ。
    なくてはならない存在に。
    俺は契約としてではなく……
    「だから、笑ってくれ。傍にいるから」
    一人の男として、この女を愛していると。


    真実の愛
    これは2です。暇なときに、読んでみて下さい。

    きゅん

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