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  1. 11件ヒットしました

  2. 「うちの先生だなんて聞いてない!」

    「それはこっちのセリフ」

    昨日初めて会っただけだけど。確かに大事な時間だったのに。

    「好きに……なっちゃったのに……」

    先生だなんて。

    ダメだ。

    諦めるしかない。

    「昨日はほんとに楽しかったよ。あんなにドキドキしたの初めてだっ…」

    ドン、という音に驚いて顔を上げるとすぐ目の前に眉根を寄せた顔。

    「何勝手に終わりにしてる。お前が生徒だったからって終わらせねぇぞ。こっちが先だったんだ」

    「っ……!」

    息のかかる距離で心臓が跳ねる。

    「でも……っ」

    「それ以上言うなら今すぐこの唇塞ぐぞ」

    「だ、ダメ……ッん」

    怒ったような顔の割にそっと触れるだけのキス。

    こんなのズルい。

    「……喋んなって言ったろ?」
    「~~~っ」

    にやりと笑うその顔は先生のそれじゃなくて。

    ダメなのに、颯爽と歩いていく背中にドキドキが止まらなかった。

    きゅん

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  3. 「今時日誌って。古いと思わねぇ?」
    「仕方ないでしょ。文句言う暇あるなら文章考えて」

    水島と私以外誰もいない教室。
    前の席の椅子に反対に座る水島との距離が近くて、意識しないように机の上の日誌に目を落とす。

    「そういえばさぁ、相沢と西野付き合いだしたらしいな」
    「…みたいだね」
    「柴田って付き合いたいとか思わねぇの?」
    「はっ!?」

    唐突な質問に顔をあげてしまうと真剣な目に視線がぶつかる。

    「…べ、別に」

    すぐに視線を逸らす。胸がドキドキしていた。

    「俺は彼女欲しいけど。…実は好きな奴いるんだよね」
    「そ、そうなんだ…」

    聞きたくない。

    「いつも明るくて、部活にも一生懸命で、友達大事にしてる」

    胸がズキズキする。

    「上手くいくといいね…」
    「そう思う?」
    「…うん」

    嘘。いやだ。

    「そいつ今目の前にいるんだけど」
    「え?」
    「応援してくれんだろ。俺と付き合えよ」

    きゅん

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  4. もう無理。諦める。

    「ふ…っ」

    屋上まで走ると堪えていた涙が溢れた。

    幼なじみの亮介はいつも女の子と一緒だ。
    しかも見るたび違う女の子。
    おしゃれで可愛い彼女たち。

    高校に入ってスカートを短くしたり友達にメイク習ったりしたけど、まだ自信なくて。
    コンタクトに変えて、そっちの方が可愛いってみんな言ってくれたから、勇気出して告白しに行ったのに。

    『は…?何それ』

    告白なんて、できるわけなかった。
    その場で泣かないようにするのに必死で。

    「双葉!」
    「!」

    勢い良く屋上のドアが開いて息を切らせた亮介の姿が。

    「…来ないでっ」
    「逃がすかよ…っ」

    狭い屋上で逃げられるはずがなくて。
    ガシャンとフェンスに押し付けられるように囲われた。

    「なんでコンタクトにしたんだよ」
    「亮介に関係な…っ!」

    強引に塞がれる唇。
    息が止まった。

    「そんな可愛くして他の男に見せてんじゃねーよ」

    きゅん

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  5. 准ちゃんにキスされてから一週間。
    本人は何でもないような顔だけど。

    人の気も知らないで。

    「佐々木」

    帰り際、振り返るとクラスメイトの片岡くん。

    「この間のCD気に入ってくれたから、これ」
    「借りていいの?ありがとう」
    「もちろん。それでさ、佐々木」
    「きゃっ」

    話を聞いていると唐突に腕を引かれて。
    見上げると、不機嫌そうな准ちゃんの顔。

    「佐々木、放課後来いって言っただろ」

    聞いてないけど!

    「ごめん、片岡くん、またね!」

    引っ張られて連れられたのは保健室。

    なんで鍵?
    後ろ、ベッドなんですけど!

    「随分楽しそうじゃねーか」
    「ちょ、准ちゃん…あっ」

    ベッドに倒れ込む。

    「青臭いガキに愛想振り撒きやがって」
    「准ちゃ…」

    顔が近付いたかと思うと胸元が引っ張られて首筋に埋められる。

    「っ…」
    「印、つけとかねぇとな」

    男の顔で笑う彼に、心臓が大きく跳ねた。

    きゅん

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  6. 『僕の大事な子に触らないでくれますか』

    九条先生に助けてもらってから先生のことが頭から離れない。

    それなのに。

    「先生、片付け手伝います」
    「日直に頼みますから大丈夫です」

    先生は、この間のことが夢だったみたいにそっけない。
    あんなこと言われて、諦められるわけない。

    放課後、いつも先生がいる美術室へ向かった。

    今日こそ言う。

    「九条先生」

    部屋には先生一人。キャンバスの前に座った先生が私を見た瞬間、冷めた目に息が詰まる。

    でも。

    「九条先生、この間の」
    「忘れてくださいと言いましたよね」
    「そんなの無理です!だって私…、先生がずっと好きだったんです!」

    はぁ、とため息をついた先生がこっちに歩いてくる。
    怖くて目をぎゅっと閉じた。

    「ことごとく人の自制心を踏みにじりますね」
    「え…?」

    顎に手が掛けられて。

    「悪い生徒にはお仕置きだ」

    強引で熱い唇に、奪われた。

    きゅん

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  7. 『来週のレクレーション、私とペアになってくれないっ?』
    『…いいよ』

    昨日勇気を振り絞って、前から気になっていた相沢くんを誘ってみた。
    ダンスのペア。
    まさかのOKに嬉しすぎて今から楽しみで仕方ない。

    「奈々、来週の班一緒に組まねぇ?」

    チャイムが鳴った途端、加藤が机に近寄ってくる。

    「いいねぇ、みんなでまわろーっ!」

    話が聞こえたのか理沙や渚まで集まってきた。

    「あの、実は…」

    相沢くんを誘っていることを話せていない。
    盛り上がる女子を横目に加藤が顔を寄せてくる。

    「最後のダンスさ、俺とペア組まねぇ?」
    「えっ?」

    耳打ちするように言う加藤の顔は赤くなっていて、ますます言い辛くなって俯いたその時。

    「西野」

    名前を呼ばれたかと思うと顎に指が掛けられて上を向かされた。

    至近距離に、相沢くんの顔。

    「俺と組むんでしょ。よそ見しないで」

    その声は甘く私を支配した。

    きゅん

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  8. 不毛な恋は諦めようと友達と初めて来た近くの大学祭。

    「どこ行ったんだろ…」

    友達とはぐれ、見慣れない構内に不安になる。

    「あれ、女子高生じゃん。可愛い」
    「どうしたの?俺らが案内してあげよっか?」

    振り向くと二人の大学生。
    馴れ馴れしい態度で近付く彼らに恐怖が募る。

    「大丈夫です…」
    「またまた~。さ、行こうか」

    腕を引かれ泣きそうになったその時。

    「僕の大事な子に触らないでくれますか」

    え?

    別の角度から引寄せられて。

    顔を上げるとここに居るはずのない、九条先生。

    気まずそうに二人が去ったあと、残された私。

    「先生…どうして」
    「母校なんですここ」

    まだ離れない腕が熱い。

    「全く、そんな可愛い格好して。悪い大人に遊ばれますよ」

    そんな顔は見たことない。
    息が止まりそう。

    「なんて、校外だからってつい本音が出ましたが忘れてください」

    微笑む先生は、ずるい。

    きゅん

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  9. 「どういうこと准ちゃんっ」
    「なんだよ蜜香。せんせーを呼び出して」
    「何が先生よ…っまさかうちに赴任してくるなんて聞いてない!」

    昔から大好きだった5歳年上の准ちゃん。
    この間やっと告白しようと思ったのに雰囲気壊すし人の話聞かないし。
    なんでかと思ってたらこんなことって。

    じわりと涙が浮かんでくる。
    そりゃ"生徒"に好かれたら迷惑だよね。

    「蜜香?あんまりここにいると…」
    「分かってるよ!もう学校じゃ話し掛けないから安心して!」

    走り出した瞬間。
    腕を引っ張られたと思ったら、そこは胸の中。

    「な…にしてるの」
    「そんなこと許さない」
    「なに言って…っ!」

    柔らかい唇。

    「お前は俺のもんなんだから」
    「ひ、人の告白潰しといて…」
    「当たり前だろ。お前から言われてたまるかよ。何年待ったと思ってんだ」

    引き寄せられた腕の中は温かくて。
    悔しいけど、昔から勝てた事なんて一度もない。

    きゅん

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  10. 予鈴まであと5分。
    私が担当の時に限って返却が多くまだ何往復分かの本が残っていた。

    「どうしよう、間に合うかな…」

    慌てると余計に場所が分からなくなる。

    「小説…あった、けど」

    場所を見つけたのは良いものの、背伸びをしてもギリギリ届くかどうかという高さだった。

    左手に本を抱えたまま右手を伸ばす。
    もう少し。
    そう思ったとき、右手が滑って本が手から離れてしまう。

    「きゃ…っ」

    頭への衝撃を予感して首を竦めた。

    「危ないなぁ」
    「へ…?」

    予想した痛みはなく、目の前に影が。

    「無理すんなって」

    後ろから耳元で囁かれてびくりと肩が跳ねる。
    この低くて甘い声は。

    「宮本先輩っ」
    「この前も言ったよな?早瀬」
    「ご、ごめんなさい…」
    「好きな子に頼られないって辛いんだぞ」
    「え…?」
    「心配かけた仕返し」

    ちゅっ、と耳元で音がして。

    本が頭に直撃する以上の衝撃が走った。

    きゅん

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  11. 新入生歓迎会前日。チア部の練習が終わったあと体育館に一人残って復習していた。
    流れる汗を拭ったとき、ガタンと扉を開ける音がする。

    「…吉野?」

    そこに立っていたのはバスケ部でクラスメイトの吉野。

    「ああ…」

    制服に着替えて帰る準備もしているみたいなのに。
    吉野はいつになく緊張しているような雰囲気で、視線を泳がせながら近づいてきた。

    「明日…チア部の発表やるんだよな」
    「うん。1年生いっぱい入って欲しいからね、頑張るよ」
    「………」
    「吉野?」

    黙り込んだ吉野は床を見つめていたかと思うと、意を決したように勢いよく顔を上げた。

    「好きなんだ三好…っ」
    「え…」
    「明日、舞台に立つ三好を好きになるやつがいるかも知れないから、今言わないとって…」

    赤い顔を半分隠すように言う彼に思わず胸が詰まった。

    「…頑張るから、見ててくれる?」
    「え?」
    「終わったら一番に吉野のとこ行くから」

    きゅん

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  12. 今日から高校生活2年目だ。
    なんとなく落ち着かなくていつもより早めに来てしまい、まだ校内は落ち着いている。

    初めて歩く2階の廊下を進みながら窓の外を見ると風に吹かれた桜の花が降っているように舞っていた。

    昔、大志と降り積もった桜の花びらを空に投げた遊びをしたのを思い出した。
    家が隣同士で1歳年下の幼なじみ。最近はなかなか顔も見せてくれない。

    「花菜っ」

    後ろから大志の声。振り向くと同時に身体を包み込む衝撃。

    「大志…っ?」

    なんで大志がここに?
    それに、抱き締められてる?

    「家出んの早すぎ。お前と同じ高校受かったの驚かせてやろうと思ったのに」
    「え…?」
    「制服も同じ。背もとっくにお前より高い。もう子供だとか言わせねえからな」
    「大志…」
    「もう一回だけ言ってやる」

    目の前にいるのは年下の幼なじみじゃなくて。

    「お前が好きだ」

    ずるいくらいカッコいい男の人だった。

    きゅん

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